■望遠光学ズームレンズを搭載し、4K 120fps撮影も可能に
リアカメラは、前モデルのXperia 1 IIIと同じく、超広角+広角+望遠のトリプルレンズカメラで、それぞれが約1220万画素のセンサーを備えています。他社では、4800万画素や1億800万画素など、より画素数が多いセンサーが増えていますが、画素数ではなく、大きな画素で画質を向上させることがXperiaのこだわり。Xperia IVでは、リアカメラの全てのセンサーが120fpsの高速読み出しに対応し、AFのトラッキング性能が向上し、4K 120fpsでの撮影も実現しています。
前モデルからの最大の進化ポイントは、望遠光学ズームレンズを実現したこと。Xperia IIIには焦点距離(35mmフィルム換算)を70mmと105mmを切り替えられる可変式望遠レンズが搭載されていました。それだけでも画期的なことですが、Xperia 1 IVでは、さらに進化して、85mmから125mmまでの光学ズームが使えるようになりました。デジカメのようにレンズが出っ張るのではなく、Xperia本体にペリスコープ(潜望鏡)状に搭載されたレンズで、画質が劣化しないシームレスな光学ズームを実現しています。
Xperia IVには、一般的な「カメラ」アプリはなく、「Photography Pro」というアプリを使って撮影します。デジタル一眼カメラ「α」の操作性を踏襲するUIを採用しており、カメラライクに操作できることが特徴。
まだ開発途中のため、「最終の画質ではない」とのことですが、超広角から望遠まで、鮮明な画質で撮れることを確認できました。
動画は「Videography Pro」で撮影します。こちらもビデオカメラのように横画面で表示されます。動く被写体を追い続ける「オブジェクトラッキング」機能を搭載し、被写体にフォーカスを合わせて、背景をぼかすことも可能。静止画の撮影時と同じく、人やペットの瞳を認識して、ピントを合わし続ける「瞳AF」にも対応しています。
筆者は4K 120fpsで撮影し、5倍のスローモーション撮影を試してみました。滑らかな画質で撮影できましたが、「Videography Pro」でスローモーションを撮るには、メニューを開いて設定をする必要があり、少々迷ってしまいました。
ソニーの映画撮影用プロカメラの開発チームが監修した「Cinematography Pro」というアプリもプリインされています。こちらも初めて使う人には、設定が難しく感じられるかもしれません。
なお、静止画撮影用の「Photography Pro」には「BASIC」モードがあり、一般的なカメラアプリと同じように撮影でき、動画も撮れます。ですが、この高性能なXperia 1 IVを買って、「BASIC」モードしか使わないのはもったいないでしょう。