カーナビも声で操作する時代になった!「Android Auto」

通常のカーナビがディーラーなどに持ち込むことでシステムをアップデートするのに対し、Android AutoはPlayストア上で配信されているアプリをインストールして使うので、アプリのアップデートを手軽に行えます。

利用するには、Android5.0以上を搭載したスマホが必要です。接続中はスマホの画面がロックされるので、運転中の安全面にも配慮されています。

Googleマップは話しかけて目的地までの経路を検索可能

Android Autoでは、「Googleマップ」が利用できます。

現在地周辺の天気予報が表示されたトップ画面で経路検索のアイコンをタップし、「~に行きたい」と話しかければ、現在地から目的地までの経路を素早く検索し、ルートを表示します。

また、移動中に「スーパー」と話し掛ければ、近くのスーパーを表示して、経由地に追加可能です。

いちいちディスプレイをタッチして文字入力をする必要がなく、スマホの音声入力と同じ感覚で利用できます。

音楽再生も音声で自在にコントロール

Googleの定額制音楽配信サービス「Google Play Music」も音声による操作が可能です。

「ビートルズを再生」と話しかけるだけで、Play Music上からビートルズの楽曲を探して再生してくれます。

さらに、ドライブに特化したプレイリストが表示されるなどのAndroid Autoオリジナルの仕様も採用しており、Google純正アプリだけでなく、「AWA」などサードパーティー製のアプリの利用も可能です。

音楽アプリ以外にも多彩なアプリに対応しており、現時点で100以上のアプリが利用できます。

連絡先への発信やメッセージの送受信も行える

経路検索や音楽再生だけでなく、あらかじめ連絡先に登録している人に電話をかけたり、メールを音声入力で作成して送信したりといった操作もできます。

いちいちスマホを操作することなくこれらの操作ができれば、ビジネスシーンでAndroidスマホを使う意味合いがいっそう強くなりそうです。

Android Auto担当プロダクトマネージャーのダニエル・ホーリ氏は、開発にあたり最も重視したことは“安全性”だと語っていました。

Android Auto担当プロダクトマネージャーのダニエル・ホーリ氏

Android Auto担当プロダクトマネージャーのダニエル・ホーリ氏

 

音声認識の精度はもちろんのこと、話しかけている相手の方向を認識する技術などを搭載して、ドライバーがディスプレイに目を向けずに操作できるようにしたそうです。

すでに販売されいているクルマや中古車での活用にも期待

Android Autoは、2014年に米国で発表され、2015年に最初の対応モデルが発表されています。現在、全世界で40以上の自動車メーカーやカーナビメーカーによって100種類以上のモデルが登場するほどの注目のシステムとなっており、国内ではナビ単体としては日産のMM516D-L/W、PanasonicのStrada CN F1D、搭載車種としてはホンダの2016 Accord HYBRID LX/HYBRID EXをはじめ、アウディ、フォルクスワーゲン、マセラティの一部車種にも対応しています。

発表会では、Android Autoのパートナーである、日産、ホンダ、パナソニックの担当者も登壇。日産自動車 グローバルコンバージョン&アクセサリー企画開発部 主管の石川雅博氏は、「Android Autoは切り札だと思っている」と語り、8月末に発売するセレナにもAndroid Autoを採用したカーナビを搭載することを明かしました。

日産自動車 グローバルコンバージョン&アクセサリー企画開発部 主管の石川雅博氏

日産自動車 グローバルコンバージョン&アクセサリー企画開発部 主管の石川雅博氏

 

本田技術研究所 四輪R&Dセンター 主任研究員の京光達哉氏は、2015年に北米のアコードにAndroid Autoを対応させたほか、日本でもクライティやアコードハイブリッドに対応させたと語り、「日本においても今後拡大を予定している」と明言。

 

本田技術研究所 四輪R&Dセンター 主任研究員の京光達哉氏

本田技術研究所 四輪R&Dセンター 主任研究員の京光達哉氏

 

パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ インフォテインメントシステム事業部 部長の高島浩二氏は、すでに販売されているクルマや中古車など標準搭載車以外にも利用してほしいと話したうえで、「現時点での最適解は、市販のカーナビとGoogle Autoの組み合わせではないか」と語りました。

パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ インフォテインメントシステム事業部 部長の高島浩二氏

IoT(モノのインターネット)化が進むいま、車とスマホの関係は密接になりつつあります。車載向けのAndroidベースのソフトウェアが登場したことで、特別意識することなく自分が求めている情報に触れる機会が増えていきそうですね。

 

(文/今西絢美

いまにしあやみ/エディター、ライター

いまにしあやみ/エディター、ライター

編集プロダクション「ゴーズ」所属。スマートフォンなどのデジタル製品を中心に、アプリや関連サービスに関する記事をウェブや雑誌で執筆中。趣味は食べ歩きで、食にまつわるサービスや製品のチェックがライフワーク。

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