そんなニーズを汲み取った「AUTECH(オーテック)」が新たに用意したのがこの「キャラバンAUTECH」。AUTECHとはカスタマイズ仕様の特装車や乗用車を展開する日産の関連部門で、なかでも「AUTECH」と名がつく仕様は「プレミアムスポーティ」をコンセプトとして上級に仕立てたモデル名にもなっているのです。
では、そんなキャラバンAUTECHは普通のキャラバンとどこが違うのか? そのメニューは内外装に及びます。
■プレミアム感を高めるエクステリア
まずエクステリア。AUTECHシリーズに共通するドットパターンのフロントグリルをはじめ、専用フロントプロテクター(バンパー下のいわゆるフロントスポイラー)とそこに埋め込んだシグネチャーLED(ブルーに発光)、ダーククロム仕上げのドアミラーとメッキバックドアフィニッシャーも装着。さらに足元は切削光輝仕上げのアルミホイールで飾っています。
これだけでも普通のキャラバンとはオーラがずいぶん違ってプレミアム感が高まっていますが、オススメはオプション扱いのサイドシルプロテクダー、リヤアンダープロテクター、そしてルーフスポイラーを追加すること。それらの追加でいわゆる“フルエアロ”状態となるわけです。
なぜそれらが標準採用でないかといえば、オーテックによると「リヤのアイテムはラダー(テールゲートに装着するハシゴ)との同時装着ができないので、ユーザーさんによっては不都合が生じないように選べるようにした」とのこと。そのあたりもしっかり配慮されているというわけです。
■アウトドアとの親和性も高いインテリア
一方のインテリアは、こちらもAUTECHモデルの定番となっている「レザレット」と呼ばれるシート表皮を採用。これは本革のような見た目と柔らかな肌触りを持ちつつ、耐久性と耐水性に優れているから実用性も高いのが特徴。濡れたままの水着や、雪が付いたままのスノーボードウェアでも気兼ねなく乗り込めます。すなわちアウトドアを楽しむユーザーとのマッチングも最高です。
加えてブルーステッチの入った本革巻きのステアリングホイール&シフトノブや前席吹き出し口の加飾などで上質感をアップ。これなら室内の仕立てに関しても「普通のキャラバンでは物足りない」というプライベートユーザーでも納得でしょう。
なかには「室内は普通でいい」とか「室内は自己流でカスタマイズする」というユーザーもいるかもしれません。そんな顧客に向けては外観だけをAUTECHで仕立てた「AUTECH Exterior Selection」という仕様も用意されています。好みに合わせて選べばいいでしょう。
後席を簡易的なフラットベッドにした「マルチベッド」と呼ぶ車中泊仕様へ特別架装仕様もできるので、キャンプニーズにもしっかり対応。こういう車でのバンライフなんて、とても楽しそうじゃないですか?
<SPECIFICATIONS>
☆日産 キャラバンAUTECH バン
ボディサイズ:L4695×W1695×H1990mm
車重:2000kg
駆動方式:2WD
エンジン:1998cc 直列4気筒 DOHC
トランスミッション:7速AT
最高出力:130馬力/5600回転
最大トルク:18.1kgf-m/4400回転
価格:355万3000円
文/工藤貴宏
工藤貴宏|自動車専門誌の編集部員として活動後、フリーランスの自動車ライターとして独立。使い勝手やバイヤーズガイドを軸とする新車の紹介・解説を得意とし、『&GP』を始め、幅広いWebメディアや雑誌に寄稿している。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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