その1台がモーターショーの中のモーターショー、ジュネーブショーでお披露目されたランボルギーニ アヴェンタドール LP750-4 スーパーヴェローチェ。ランボルギーニは雄牛のエンブレムで親しまれたスーパーカーの名門。そのフラッグシップモデルとなるV12エンジン搭載のアヴェンタドールにスーパーヴェローチェが追加されました。ヴェローチェとはイタリア語で「速い」の意味。ザックリ言えば、チョッパヤ仕様ですね。
スーパーヴェローチェはカーボンファイバー製のパーツを多用して、ベースのアヴェンタドールより50kg軽い1525kgまでウエイトを絞り込み。6498ccのエンジンを8500rpmという超高回転までブン回すことで、静止状態から2.8秒で時速100キロへ到達します。そのまま踏めば8.6秒で時速200キロへ。ちょっとしたワープ感覚が味わえるはず。ちなみにトップスピードは時速350キロ以上、未体験ゾーンです。
もっとも驚かされたのは、ホイールの固定がセンターロックであること。一般的なクルマはボルトやナットを5本、6本使って取り付けられていますが、スーパーヴェローチェは真ん中の1か所だけ。もちろん脱着には専用工具が必要。大きなフロントスポイラーやリアウイングは見掛け倒しではなく空力特性を突き詰めたもので、リアウイングの角度を変えると、サーキットに合わせてトップスピードを伸ばすか、コーナリングフォースを増やすかを調整できるようになっています。これはもうレーシングカーですね。
とはいえ、レーシングカーに近いから偉いということでもありませんよね。単に速いピュアスポーツというのは目的が単一なので作るのは難しくないと思うのです。レースで勝てるかどうかは別として。それに対して、乗らなくても(乗れなくても)眺めるだけでドキドキさせてくれるスーパーカーを作れるのは世界でも限られたメーカーだけ。ランボルギーニはまさしくその筆頭ですね。一生乗れなくても構わない(いや、本心は乗りたい)。生きている間はスーパーカーが元気に走っている世界であって欲しい。そのように切に願うのです。
ランボルギーニ
アヴェンタドール LP750-4 スーパーヴェローチェ
32万7190ユーロ(約4417万650 円)
(文/ブンタ)
- 1
- 2