ニューフェラーリ最大のニュースは“GTB”という懐かしい名前が復活したこと（みなさんは「308GTB」という名車を憶えていますか？）…もあるけれど、やはり8気筒エンジンがターボ化されたことでしょう。
実用性抜群のFRモデル「カリフォルニアT」に続いて、ピュアスポーツたるV8ミッドシップモデルも、今回から過給機付きエンジンを搭載です。
「自然吸気エンジンならではの鋭さが失われたのでは!?」との危惧に対するフェラーリの答えは、なんと「ターボラグ、ゼロ」。スロットルレスポンスは驚異の0.8秒なのだとか（3速／2000回転時）。
ここでちょっと、スペックを見ていきましょう。488GTBの排気量は3902cc。先代の「458イタリア」は4499ccでしたから、約0.5リッター小さい。ところが458のターボエンジンは、670馬力（8000回転）の最高出力と、77.5kg-m（3000回転）の最大トルクを発生。最高出力で100馬力、最大トルクで22.4kg-mもアップしています！ ターボエンジン、恐るべし。
ちなみに、静止状態から100km/hに達するまでは、わずか3.0秒。（縁はないだろうけど）最高速度は330km/h“以上”と発表されています。それでいて、燃費はガソリン1リットル当たり8.8km。いかにも21世紀のターボエンジンですね。
ギヤボックスは7速のデュアルクラッチタイプなので、AT限定免許でも乗れちゃいます。ステアリングの奥にはシフト用のパドルが備わりますが、スポーティにクロスしたギヤレシオを採用しているので、走行中、パドルをいじっているヒマはないかも。
488GTBのスタイリングには、これ見よがしにF1テクノロジーが散りばめられています。エアロダイナミクスには特に力が入れられ、F1マシンのノーズ部分を模したフロントのダブルスポイラー、リアの黒く大きなディフューザーは伊達ではありません（リアエンドにぶら下がる、F1チックな長方形のブレーキランプはご愛敬!?）。空気抵抗が減った一方、ダウンフォースは50％向上。高速走行時の安定性を保証します。
最新スポーツカーの常として、エンジン&エグゾーストサウンドも念入りにチューニング済み。「フェラーリが常に卓越している分野のひとつ」との言葉どおり、発表会会場で盛大にフェラーリサウンドを奏でていました。素晴らしい！
世界で人気沸騰中のフェラーリV8モデルだけに、年内の納車はなかなか難しいようですが、早く日本の路上で新しいフェラーリ“ターボ”サウンドを聞きたいものです。
＜SPECIFICATIONS＞
☆488GTB
ボディサイズ：L4568×W1952×H1213mm
車重：1370kg
駆動方式：MR
エンジン：3.902リッターV8＋ターボ
トランスミッション：7速デュアルクラッチ式
最高出力：670馬力/8000回転
最大トルク：77.5kg-m/3000回転
価格：3070万円〜
（文・写真／ダン・アオキ）
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