【マツダ アクセラ 新色】「金属を研いだように見える瞬間があるグレー」

開発者トークセッションにも参加する、新型アクセラのチーフデザイナー玉谷氏によると、カラーも造形の一部という考えから開発され生み出されたという。

&GP 完全な新色なんですか?

玉谷 そうです。2015年11月に行われたロサンゼルスショーで公開した「CX-9」で初めて使われました。ソウルレッドをマツダ全車に採用し、象徴的なカラーとして使っているように、このグレーも同じようなカラーになります。でも工場の調整も必要なんです。ソウルレッドよりもさらに調整しなければいけないので、いま世界中の工場で順次調整中です。なので、ゆくゆくはということになりますね。

&GP すごく不思議な色ですよね。遠目から見ると普通のグレーなんですが、近付くとちょっと違うというか。

玉谷 これ本当にアピールが難しくて…。屋内で見える魅力と、外で見える魅力が本当に違う。現行のグレーと並べてみると、同じように見える瞬間もあるんです。でも近くに寄ると、細かさがまったく違います。

&GP この細かさが、これまでのグレーとの違いなんですね。

左が従来のグレーで、右が新色のグレー。この写真では、あまり違いが分からない

しかし、近付いてみると、細かさの違いがよく分かる。この細かさが表情の違いとなって現れる

 

玉谷 外で直射日光がギラッと当たった時に、本当に金属を研いだように見える瞬間もある。それが、いつもじゃないところがとても困るんです(笑)。ソウルレッドのように、いつもツヤと深みとがあるよ、というわけではないんです。そういう、いろいろな表情を持っているよ、というよりは、どちらかというと金属を動かしていくとキラッと光る瞬間があったりなかったりするような、そういう凄みなんですよね。キラッと光ると相当な凄みが出る。

&GP 先ほど撮影してみたんですが、写真では伝えるのは難しそうです…。

玉谷 そうなんですよ。カタログの写真も私が監修して撮影したんですが、思った通りにならないんです。とにかく難しい。カメラマン泣かせですよ。

 

新型アクセラの開発と同時に作られた“マシーングレープレミアムメタリック”。これまでの色との最大の違いは、光の当たり具合で見せる表情の差だ。近寄ってよく見ると分かる塗装の微細さが、まるで鏡のような映り込みを見せてくれる時もあれば、光が当たらない瞬間には沈んだグレーのような落ち着いた雰囲気を醸し出す時もある。

バンパー部分に床などがはっきりと映り込んでいる

一方、光が当たらない時は、沈んだシックなグレーに

 

写真ではなかなか伝わらないこの新色の魅力は、やはり実車を見るに限る。現在開催中の「Be a driver. Experience at Roppongi」では、六本木通り沿いの六本木ヒルズ ノースタワー1F バナナ・リパブリック前(東京都港区六本木6-2-31)にてロードスターなど4車種を展示中。その中のアクセラが“マシーングレープレミアムメタリック”だ。気になる人はぜひその目で実際の色を確認してみてほしい。一見すると普通のグレーなのでスルーしがちだが、よく見ると、新技術が注ぎ込まれた微細な色の魅力が分かるはずだ。

「Be a driver. Experience at Roppongi」>> http://www.mazda.co.jp/beadriver/event/summer_station_2016/

(文/&GP編集部)

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