「高級時計を選ぶなら、スイスメイドの機械式腕時計」ーーそんなイメージが世を席巻していた1960年当時、世界の名品に匹敵する本格的な腕時計を作り出すべく誕生したグランドセイコー。時を刻む道具としての精度の実現と同時に美しさにもこだわり、その成果として“セイコースタイル”という独自のデザイン文法を編み出しました。
1967年の「44GS」から連綿と受け継がれてきたこのデザインコードは、さらに2013年には“44GS 現代デザイン”なるコレクションへと進化。“セイコースタイル”の持つ本質を変えることなく、現代のライフスタイルに合わせてデザインコードを再定義したもので、ラグへとつながる稜線にゆるやかなカーブをもたせるなどいっそう心地よい装着性を実現しています。
そんな“44GS 現代デザイン”にレギュラーモデルとしての登場した今回のモデル。美しく磨き上げたステンレススティールケースには、オリジナルの「44GS」と同じくクラシックなデザインのボックスガラスを採用。重厚感のあるルックスですが、ガラス縁の厚みを抑えたことで全体の重心が下げられているため、装着感は想像以上に快適。判読性を高めるために手作業でカーブを施した分針と秒針、質感の高いブラッククロコダイルのストラップなど、どこをとっても正統派の風格を漂わせます。
ムーブメントには「信州 時の匠工房」で作り出される手巻き式の高性能スプリングドライブムーブメント、キャリバー9R31を採用。ひとつの香箱のなかに2つの動力ぜんまいを備えた“デュアル・スプリング・バレル機構”が、72時間という長時間パワーリザーブを実現しています。
さらに、匠の技が生かされているのはダイヤルデザインも同様。自然の風景からインスピレーションを得た繊細なダイヤルに定評のあるグランドセイコー、今回は温かな色味のダイヤルに繊細な型打ち模様を細かく施すことで、スプリングドライブの故郷である信州の「朝ぼらけ」を表現。「朝ぼらけ」とは夜の明け方、太陽が立ち上る前に空の薄明かりが少しずつ白さを増してくる時間のこと。山々に囲まれた信州の朝、もやの立ちこめる中であたりがおぼろげに白み始める情景を、清廉なダイヤルのイメージに重ねています。
静謐なデザインの中に時計としての高度な性能と風格を収めた、まさにグランドセイコーらしい1本。時代に左右されることなう長く使える大人の時計を求める向きであれば、まさに最適解のひとつとなりそうです。発売は12月9日より。
>> グランドセイコー
<文/&GP>
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