従来モデルから大きく変更されたのは、フロントフェイスのデザイン。近年の日産車の象徴となっている“Vモーショングリル”を採用し、エンジンに冷却風を取り込む開口部が拡大されています。
それに合わせて、ボンネットのデザインも変更し、剛性を大幅にアップ。なんでも、超高速域ではボンネットフードが変形し、空力性能に悪影響与えるのだとか。今回の改良で、その問題を解決しています。
カーボンファイバーのシートを幾層にも重ねて成形したフロントバンパーもGT-Rニスモ専用で、こちらもデザインを一新。ヘッドライトの下部には、横方向に凸状の膨らみが設けられています。
これは“カナード”と呼ばれ、車体側面の空気に流れを作り出し、タイヤハウス内の空気を吸引するもの。タイヤハウス内の空気を吸い出すことによって、車体を地面に押し付けるダウンフォースの量を増やします。こうした進化によって、新しいGT-Rニスモは、日産車の中でも最大のダウンフォースを獲得。超高速域での安定性を高めています。
また、先に発売されたGT-Rの標準車がボディ剛性を大幅に高めたことで、GT-Rニスモも走行性能がアップ。ボディがしっかりしたので、サスペンションやスタビライザーのセットアップをさらに突き詰めることが可能になり、電子制御式のショックアブソーバーにはニスモ専用のチューニングが施されています。
このサスペンションによって、“GT3マシン”と同じ大口径のターボチャージャーを採用した3.8リッターV6ツインターボエンジンのパワーを、しっかりと路面に伝えてくれます。
インテリアは、ドライバーが操作しやすいものに進化。メーターからセンターコンソールにかけてのレイアウトは、ドライバーを包み込むようなデザインとされ、ナビのディスプレイは従来の7型から8型に大型化。表示されるアイコンが拡大されたほか、従来モデルでは非常に数の多かったボタン類が大きく絞られ、操作性が格段に向上しています。
6速のデュアルクラッチトランスミッションを操るパドルシフトは、ステアリングホイールに固定するタイプに変更。ハンドル操作中にもシフトチェンジできる領域が広がっています。
最高出力600馬力、最大トルク66.5kg-mと、エンジンのスペックに変更はないものの、空力性能と車体全体のバランス向上、ドライバーインターフェイスの進化などで、ワインディングロードなどでもよりパワーを引き出して走れるようになったGT-Rニスモ。
価格は1870万200円と、標準モデルから約870万円アップとなりますが、8月25日時点ですでに、年間販売計画台数を超える858台を受注したとのこと。それだけの価値のあるマシンであることは、間違いありません!
(文/増谷茂樹)
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