■パフォーマンスと電池持ちも向上
プロセッサーには、上位モデルのXperia 1 Vと同じSnapdragon 8 Gen 2(最大3.18GHz/オクタコア)を採用。RAM(メモリ)は8GBで、ROM(内部ストレージ)は128GBまたは256GB(発売する国・事業者によって異なる)。microSD(最大1TB)でストレージを拡張することもできます。
バッテリーは5000mAh。前モデルと同じ容量ですが、新しいプロセッサーとソニーの独自設計によって電池持ちが向上。平均的な使い方で1日使っても約50%残るとのこと。
内部の熱拡散シートの体積を約40%増加し、ヘビーな使い方にも強くなっているとのこと。ゲームも動画編集もライブ中継も、なんでも来い! という仕様です。
■新世代センサー搭載のデュアルカメラが3つの画角をカバー
最大の進化ポイントはカメラ。従来モデルは3つのレンズを搭載していましたが、Xperia 5 Vは超広角(1200万画素/16mm)+広角(4800万画素/24mm)の2眼に。広角カメラに「Exmor T for mobile」という新世代のセンサーを採用し、2倍ズーム(48mm)での撮影時には4800万画素の中央の1200万画素を使う仕組み。つまり、広角カメラでは広角(24mm)と望遠(48mm/光学2倍相当)の2つの画角で撮影できる趣向です。
ポートレート撮影で、一眼カメラで撮ったような美しい “ぼけ” を写せることも魅力。AIやソフトウェアの進化によるもので、被写体と背景の境界線の精度が向上し、人物は明瞭に写しつつ、背景に奥行きが感じられるぼけを演出することができます。
撮影には、デジカメライクに設定できる「Photography Pro」アプリを使いますが、最も簡単な「BASIC」モードで「ポートレート」を選択するだけで、この新しいぼけを体験可能。ぼけの度合いも調整できます。
新しい機能として「Video Creator」アプリもプリインストールされています。動画や静止画を選ぶだけで、音楽付きのVlogが自動で編集されるというスグレモノ。Xperia 5 Vで撮った画像は、4K/120fpsで撮った動画を含めて何でも編集でき、別のカメラで撮った素材も取り込めます。クリップの長さは自由に設定でき、フィルターによる色合いの調整も可能。試用機に入っていた画像で実際に作ってみましたが、ソニーらしくかっこいい感じの動画ができました。
■内蔵スピーカーには新型アンプを搭載
Xperia 5シリーズは音響性能にも定評があります。横向きにした状態でディスプレイの左右にスピーカーを配置し、音が前方に広がる「フルステージステレオスピーカー」を搭載しています。
Xperia 5 Vでは、さらに新しいアンプを搭載し、より高い駆動とノイズ低減を実現。楽器やボーカルの強い音をつぶれることなく再現し、繊細な音もクリアで聴こやすくなっているとのこと。
実際に前モデルのXperia 5 IVと聴き比べさせてもらいましたが、今回の進化は誰にでもすぐにわかる明瞭さに。楽曲によっては、ヘッドフォンを使わなくても、立体的なサウンドに包まれるように感じました。
なお、ワイヤレスイヤホンで聞く場合は、ハイレゾ音質を楽しめるLDACに対応。一般的な圧縮音源をアップスケールする「DSEE Ulmimate」も搭載。オーディオジャックを備えているので、お気に入りのヘッドフォンで聴くことも可能。高音質をそのまま出力するために、アンプや回路設計、オーディオジャックの内部にまでこだわっているそうです。
■まもなく発表されるスマホのライバルになるかも!?
まだじっくり使ったわけではありませんが、Xperia 5 Vはカメラの進化が著しい印象。細かい設定が要らないBASICモードで夜景もポートレートもきれいに撮れるようなので、iPhoneの好敵手となりそうな印象。スマホで音楽を聴いたり、映画を観たりすることが多い人にも満足度が高い1台になりそうです。
>> ソニー「Xperia」
<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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