■スピーディに操作できる工夫が満載
Zenfone 10はただ小さく持ちやすいだけではなく、片手での操作性にも工夫が施されています。
例えば、右側面の音量ボタンを2回押すと、カメラが起動して自動でシャッターが切られます。電源ボタンは「スマートキー」と呼び、2回押すか長押しで、よく使う機能を起動させたり、スワイプして通知を表示させたり、ウェブページのスクロールに使ったりもできます。
さらに、背面をダブルタップするとスクショを撮れる機能や、画面表示を引き下げて、片手での操作をさらにしやすくなる「片手モード」も搭載。手提げのバッグを持ったままでスマホを使うことが多い人も重宝すること請け合いです。
■光学式×電子式で強力に手ブレを補正
背面のカメラは、広角(5000万画素/F値1.9)+超広角(1300万画素/F値2.2)。高性能であることを主張するかのように、レンズは大きめで、広角カメラには1/1.56インチの大型センサーを搭載しています。実際に撮ってみると、AIによる被写体・シーンの最適化が適切で、特に風景がきれいな色調で撮れるように感じました。
6軸のジンバルモジュールを搭載し、手ブレを抑えて撮影できることも特徴。光学式の手ブレ補正(OIS)に加えて、電子式手ブレ補正(EIS)を組み合わせて使えることもアドバンテージとしています。新たに搭載された「アダプティブEIS」を使うと、最適な画角に自動で調整された動画を撮ることもできます。
多彩な撮影モードを搭載し、露光時間を長くして光の軌跡などを撮影できる「ライトトレイルモード」も搭載。デジカメでも撮影が難しい写真を、三脚なしで手軽に撮れる趣向です。
フロントカメラは前モデルの1200万画素/F値2.45から3200万画素/F値2.4へと進化。細かい設定ができる「ポートレート」モードを使えば、かなり “盛れる” ので、自撮りも楽しめます。
■現行最高峰のプロセッサーを搭載
プロセッサーは、現行最上位のスペックを有するSnapdragon 8 Gen 2(最大3.2GHz、オクタコア9。言わずもがなサクサクと軽快に操作できます。用途に合わせてパフォーマンスを切り替えられる機能もあり、「高性能」に設定すると、現行機種でトップクラスのベンチマークスコアを記録しました。
バッテリーは4300mAh。5Gスマホとしては標準的な容量ですが、Zenfone 10のボディサイズを考えると大容量といえます。最大30Wの急速充電に対応し、充電器が付属されていることも利点。さらに、ワイヤレス充電にも対応しています。
■いまや希少 “ハイエンドコンパクト” という選択肢
Zenfone 10は、ほぼ “全部入り” と呼べるほど、機能が充実しています。おサイフケータイに対応し、IP65およびIP68の防水・防塵にも対応。デュアルスピーカーを搭載し、オーディオジャックも搭載。自分好みの音にカスタマイズできる「オーディオウィザード」機能も備えています。
強いて、ないものを挙げると、eSIMには対応していません。しかし、nanoSIMは2枚装着でき、デュアルSIMで運用できます。microSDにも対応していませんが、ストレージ容量が異なる3モデルから選べるので、動画やアプリをたくさん保存する人は16GB+512GBモデルを選ぶといいでしょう。
スマホは高性能になるほど画面が大きくなりがちで、ハイスペックかつコンパクトな機種は、もはや希少な存在。片手での使いやすさを最重視する人は手に取ってみることをおすすめします。
>> ASUS
<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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