2. 指をつまむ「ダブルタップ」での操作に新対応
続いて、操作性に関する部分です。Apple Watch Series 9では、ウォッチを装着している側の手で、親指と、人差し指などを、トントンッと2回触れるように動かすジェスチャー「ダブルタップ」に新対応しました。
このダブルタップでは、各種アプリのコントロールが可能。例えば、以下のような操作が行えるとされています。
・タイマーの停止
・音楽の再生・停止
・アラームのスヌーズ
・電話の応答、終了
・カメラのリモートシャッター
・文字盤からスマートスタックを開く
・スマートスタックからウィジェットをスクロールする
3. オフラインでのSiri利用
これまでのApple Watchでは、Siriの利用には、基本的にネットワーク接続が必要でした。しかし、Apple Watch Series 9では、Siriへのリクエストがデバイス上で処理されるようになり、オフライン環境でもSiriを使ったコントロールが行えるようになります。
特に、ワークアウトの測定開始やタイマーの設定など、インターネットからの情報取得を必要としないリクエストについて、より素早く、信頼性の高い応答が得られるようになるとされています。
また、オンデバイスでの処理されることによって、プライバシーとセキュリティの保護にもつながることもポイント。ヘルスケアアプリに登録されたデータにアクセスするような、健康やフィットネス関連の質問ができるようになるとのことです。例えば、Siriに前夜の睡眠時間を尋ねるといったリクエストが可能に。
4. iPhoneを静かに探せる
これまでもApple WatchからiPhoneを探す機能は便利でしたが、iPhoneから大きな音が鳴る仕様でしたので、家族が寝ているタイミングや、公共の場所などでは使いづらい側面もありました。
一方、Apple Watchでは、iPhoneでAirTagを探すように、超広帯域無線(UWB)を活用して、位置と方向を確認しながらiPhoneを探せる「正確な場所を見つける」機能が追加されます。
なお、同機能では、距離と方向が表示されるだけでなく、視覚、触覚、音声のガイダンスが組み合わされる仕組みとのこと。
【9月22日追記】残念ながら日本国内では新世代のUWBチップが関連する機能は利用できないことが分かりました
5. HomePodのコントロール
UWBの対応によって、HomePodシリーズのコントロールが行えるようになっています。具体的には、Home Podの4m以内に近づくことで、Apple Watchの「再生中」アプリから、HomePodで再生中のメディアをコントロール可能に。
また、HomePodで楽曲が再生されていないタイミングでは、Apple Watchでスマートスタックが表示される画面の一番上に、再生するメディアがレコメンドされます。
* * *
以上のように、Apple Watch Series 9は、使い勝手の面で順当に進化した印象です。どれも劇的な変化ではないので、買い替え意欲を強く刺激するものではないかもしれませんが、そろそろApple Watchを買い替えたいと思っていた人は、ぜひ詳細をチェックしてみましょう。
なお、同モデルの新機能の大部分は「S9」チップ(S9 SiP ※System in Package)を搭載したことによるもの。本稿では詳しく解説しなかった「Apple Watch Ultra 2」でも同じチップが採用されていますので、こちらも基本的に同様の機能が利用できるようになっています。
ちなみに、Apple Watch Ultra 2では、従来は「水深40メートルまでのレクリエーショナルスキューバダイビング」にしか対応しませんでしたが、今回はさらに「フリーダイビング」にも対応しています。ダイビングが趣味という人ならば要確認です。
>> Apple「Apple Watch Series 9」
<文/井上 晃>
井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。X(旧Twitter)
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