9月に国内導入が発表されたハーレーダビッドソン「X350」「X500」の2モデル。特に「X350」は普通自動二輪免許(昔でいう「中免」)で乗れる初のハーレーダビッドソンのマシンとして期待を集めました。
その2モデルが10月20日、ついに正式発表されました。気になる価格は「XR350」が69万9800円、「XR500」が83万9800円(ともに税込)と驚きのもの。「これなら乗りたい」と感じるライダーも多いことでしょう。
■レースマシンのDNAを受け継ぐスポーツマシン
ハーレーダビッドソンといえば空冷のV型2気筒エンジンのイメージが強いかもしれませんが、現行モデルは水冷が主流。それでも水冷の並列2気筒エンジンを採用した「X350」と「X500」は、同ブランドのラインナップの中でも異色の存在といえます。
とはいえ、スタイリングはハーレーダビッドソンの血統を感じさせるもの。「X350」がオマージュしているのは、アメリカのGNCというレースで活躍したレーシングマシン「XR750」です。1970年に初代モデルが登場して以来、ダートトラックレースを中心に2000年代まで活躍していたマシンで、発表会の舞台にも現車が展示されていました。
「X350」にはダートトラッカー風のシートカウルやカラーリングなど、多くの箇所に「XR750」の血統が感じられます。
エンジンはボア×ストローク比が70.5×45.2mmという同ブランドとしては異例なほどの超ショートストロークですが、「XR750」も空冷V型2気筒ではありますが市販車に比べてショートストロークにすることで高回転でのパワーを絞り出していたマシン。その遺伝子はエンジンの型式は変わっても受け継がれているといえるでしょう。
エンジンの最高出力は36HP/8500rpm、最大トルクは31Nm/7000rpm。同クラスのスポーツマシンと遜色ないパフォーマンスを発揮します。ホイールは前後17インチで、フロントフォークは倒立式と足回りも現代的なスペック。シート高は777mmとされ、足付き性も良好といえるレベルです。
ハーレーダビッドソンというと、クルーザーのイメージが強いですが「X350」「X500」はスポーツ性を確保したネイキッドマシンという印象。そのルーツにはレースシーンで活躍した「XR750」があります。“空冷Vツインこそがハーレーのアイデンティティ”という旧来のファンには眉をひそめられるかもしれませんが、多くのバイク乗りにとっては「乗ってみたい」と思わせるマシンに仕上がっています。
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