■免許を取って“いきなりハーレー”というライダーが増える!?
同ブランドとしては初めての普通自動二輪免許で乗れるマシンを導入した理由について、ハーレーダビッドソン ジャパンの野田一夫社長は次のように語ります。
「これまでのハーレーダビッドソンのマシンは、安くても100万円台後半からとハイエンドなモデルが中心で、昨今の円安などの影響もあってさらに手が届きにくい存在となっていました。もっと多くのライダーに、この世界を楽しんでもらうため、若い人やエントリー層のライダーにも手が届くモデルが必要と考え、導入を決めました」
70万円を切る意欲的な価格も、野田社長が提案したものだとか。同クラスの輸入車はもちろん、国産モデルと比較しても非常に競争力が高いもの。
「350〜500ccのカテゴリーは世界的にも激戦区で、我々はこのクラスではチャレンジャー」と語る野田社長の意気込みが感じられます。
これまで“いつかはハーレー”と思っていたライダーも少なくありませんでしたが、このモデルの登場で免許を取って“いきなりハーレー”というライダーが増えることが予想されます。
実車にもまたがってみましたが、ライディングポジションは非常にコンパクトで扱いやすそう。車重は出荷時で180kgと、同ブランドのビッグツインエンジンを搭載したモデルと比較すると100kg以上軽いので、エントリー層のライダーでも気負うことなく乗れそう。この気軽さは、ビッグツイン系のマシンを所有しているオーナーのセカンドバイクとしても魅力的かもしれません。
タイヤサイズやサスペンション、ブレーキなど走行性能の部分に目を向けても、手を抜いていると感じる部分が一切なく、同クラスのライバルマシンと比べても劣る部分が見当たりません。それでいて、60万円台という戦略的な価格。
これまでハイエンドなブランドイメージのあったハーレーダビッドソンですが、「X350」の登場で一気にこのクラスの台風の目に躍り出たといえるでしょう。気になる「X350」「X500」の試乗レポートも近日中にお届けしたいと思います。
★SPEC★
「X350」
車両重量:195kg(出荷時180kg)
エンジン:353cc水冷並列2気筒DOHC
最高出力:36HP/8500rpm
最大トルク:31Nm/7000rpm
価格:69万9800円
「X500」
車両重量:208kg(出荷時199kg)
エンジン:500cc水冷並列2気筒DOHC
最高出力:47HP/8500 rpm
最大トルク:46Nm/6000rpm
価格:83万9800円
>> ハーレーダビッドソン
<取材・文/増谷茂樹>
増谷茂樹|編集プロダクションやモノ系雑誌の編集部などを経て、フリーランスのライターに。クルマ、バイク、自転車など、タイヤの付いている乗り物が好物。専門的な情報をできるだけ分かりやすく書くことを信条に、さまざまな雑誌やWebメディアに寄稿している。
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