“小型”と言うとエントリーモデルと思いがちだが、X-T10は“最新機能をコンパクトなボディにまとめた高機能カメラ”だ。そして、この機種をさらに特徴づけるのが、クラシックなデザイン。実はこの“見た目”の良さが、毎日持ち歩きたくなる最大の要因になる。
カメラ好き、ギア好きなら手にしたくなるデザインは、富士フイルムのミラーレス一眼Xシリーズの特徴だ。フィルム時代の機械式カメラを思わせるようなクラシックなデザインは、シャッタースピードなどの設定ダイヤルもフィルム時代のよう。ベテランはもちろん、初めて一眼を手にする人にとっても新鮮に感じられるだろう。
レンズ交換式のカメラだから、ポケットに入れて持ち歩けるわけではない。だが、持ち歩きたくなるカメラは、必ずしもポケットに入る必要はない。シャッターやダイヤルを操作する、眺める、触れるといった、撮る以外の楽しみを満たしてくれることも重要だと思う。
また、実際に同じものを撮影しても、仕上がりの画質はメーカーによって傾向が違うものだが、フィルムメーカーらしい人物の肌の色や空のブルーのテイストにはファンが多い。実際、ポートレート撮影専用に一台欲しいくらいだ。
そんな今回の新型の特徴をまとめてみた。
- 小型軽量ボディを採用し、持ち歩きやすいデザイン
ボディのサイズはW118.4mm×H82.8mm×D40.8mm、重量はメモリーカードとバッテリー込みで約381gと、よりコンパクトで軽量に。手にフィットするグリップ形状を追求した新デザイン。 - 被写体に意識させない静音設計のシャッター
静音設計のシャッターにより、被写体の自然な姿を撮影できる。生物を驚かさずに撮りたいときなどにも便利だ。 - 「覗いて撮る」をスムーズにする「リアルタイム・ビューファインダー」
236 万ドットの有機EL ディスプレイとファインダー専用レンズにより0.62 倍の大型表示倍率と、クリアで高精細なファインダー画面を実現。表示タイムラグは世界最短の0.005 秒に! - 動いている被写体にも強い77点のフォーカスポイントを採用
「新AF システム」では従来の「シングルポイント」モードに加え、全77 点のフォーカスエリアを用いて、動いている被写体の決定的瞬間を捉える「ゾーン」モード、「ワイド/トラッキング」モードを新たに搭載。
機能的な点で言えば、とくに「4」の新しいAFシステムによって、これまでは苦手とされていた動く被写体に強くなったのが最大の特徴だ。
また、同時にポートレートに最適な大口径レンズ「フジノンレンズ XF 90mmF2 R LM WR」(実勢価格12万円前後)も登場。35mm判換算で望遠137mmの明るい開放F値2.0のレンズは、最速0.14秒の高速AF、防塵・防滴・−10℃の耐低温構造などが特徴。このレンズとのコンビは“最強ポートレートシューター”になりそうだ。
【FUJIFILM X-T10レンズキット】
有効画素数:1630万画素
撮像素子:APS-Cサイズ(23.6×15.6mm)
ファインダー:0.39型有機ELファインダー、約236万ドット、視野率約100%
動画:フルHD(1920×1080、60p)
サイズ:W118.4mm×H82.8mm×D40.8mm (奥行き最薄部31.9mm)
レンズ:XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS
(文/&GP編集部)
- 1
- 2