■最上位のGalaxy S24 Ultraはチタンフレームを採用
Galaxy S24とGalaxy S24+はディスプレイのベゼルが細く、スペックのわりにはコンパクトで軽いことが特徴。特にGalaxy S24は、ボディ幅が約70.6mmで重さが約168g。片手で操作することが多い人には使い勝手が良さそうです。カメラのスペックは両モデル共通で、超広角(約1200万画素)+広角(約5000万画素)+望遠(約1000万画素/光学3倍)で、インカメラは約1200万画素。
約6.8インチの大画面を搭載するGalaxy S24 Ultraは、スクエアでフラットなデザインを採用。Galaxyで初めてチタンフレームを採用し、端末の耐久性を向上させています。アウトカメラは超広角(約1200万画素)+広角(約2億画素)+望遠(約5000万画素/光学5倍)+望遠(約1000万画素/光学3倍)という構成で、デジタルズームは最大100倍まで上げられます。なお、インカメラはS24/S24+と同じ約1200万画素です。
■最大の特徴は「Galaxy AI」の搭載
Galaxy S24シリーズ最大の特徴は「AI」です。「Galaxy AI」と謳う包括的な機能を搭載し、翻訳、文字起こし、要約、メッセージの提案などが利用できる趣向。
例えば、言語が異なる人と通話する場合は、デバイス内のAIによって双方向の音声がリアルタイムで翻訳され、まるで同時通訳を介しているように通話ができるといいます。さらに、翻訳をテキスト化して、画面に表示させることもできます。まず、13カ国語に対応し、その中には日本語も含まれるとのこと。
Samsungキーボードに組み込まれたAIによって、メッセージやメールもリアルタイム翻訳にも対応。やり取りから判断された最適なメッセージを提案してくれる「チャットアシスト」機能も利用できます。「Samsung Notes」アプリでは、AIが要約を生成し、さらに自動でタイトルが付けられる「ノートアシスト」機能が追加されています。さらに、「ボイスレコーダー」アプリは文字起こしを対応し、複数の話者を区分し、文字起こしから要約、さらに翻訳までできるとのこと。うまく使いこなせば、仕事の効率がグンと向上しそうです。
グーグルが開発した「かこって検索(Circle to Search)」にもいち早く対応。写真でも動画でも、調べたいものが画面に表示されている状態で、ホームボタンを長押しして、それを囲んだりタップしたりするだけで、何かを検索できる趣向です。ただし、かこって検索は、Galaxy S24シリーズだけでなく、Google Pixel 8/8 Proの対応も発表されているので、Galaxyだけのアドバンテージというわけではありません。
■暗所でも鮮やかに写る「ナイトグラフィー」が進化
Galaxy Sシリーズは従来からカメラの性能の高さに定評がありますが、Galaxy S24シリーズではAIを搭載した「プロビジュアルエンジン」によって、さらに画質や、撮ってからの編集機能を進化させています。
撮影面で特に進化しているのが「ナイトグラフィー」の性能。暗い場所でズームを使っても鮮やかな画質で撮影でき、手ブレ補正機能も強化されています。最上位のGalaxy S24 Ultraはピクセルサイズが前モデルと比べて60%の大きい1.4μmに拡大されています。
撮影した写真は「Galaxy AI」による編集ツールによって、余計なものを消去したり、構図を変えたり、背景の一部を塗りつぶしたりと、本格的な画像編集が簡単に行え、また、おすすめの編集を提案してくれたりもするそうです。
■ゲームを存分に楽しみたい人にも最適解
Galaxy S24シリーズは、クアルコムのハイエンド向けのチップセット「Snapdragon 8 Gen 3」を、さらにGalaxyに最適化したものを採用しています。RAMはGalaxy S24が8GBで、Galaxy S24+とGalaxy S24 Ultraが12GBとなっています。
どのモデルもゲームを楽しむには十分なスペックを備えていますが、特にGalaxy S24 Ultraは、前モデルに比べて1.9倍の大きなのベイパーチャンバー(放熱のための板)を搭載し、デバイス内の冷却性能を向上させています。
AIを搭載したスマホといえば「Google Pixel」シリーズを思い浮かべる人が多いでしょう。Google Pixel 8 Proでは、リアルタイム翻訳や文字起こし、要約、多彩な画像編集機能などを利用でき、今後のアップデートによってAI機能がさらに進化する可能性もあります。Galaxy S24シリーズに搭載された「Galaxy AI」は、通話音声のリアルタイム翻訳や、レコーダーからの文字起こしからの要約など、使い勝手に踏み込んだ機能として搭載していることが特徴。これまでのGalaxyの進化形としてだけではなく、全く新しいAIスマホとして、選択肢に加える価値がありそうです。
>> Galaxy
<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
【関連記事】
◆薄くて軽くてお手頃価格。「motorola razr 40」は折りたたみスマホの新定番になるか?
◆折りたたみに高コスパ。モトローラの最新スマホ「razr 40 ultra」「edge 40」は秀逸の出来
◆折りたたみスマホ「Google Pixel Fold」は期待以上に便利! Google純正アプリは大画面に最適化
- 1
- 2