傑作ムーブメント「キャリバー9R」誕生から20年。記念のグランドセイコー2モデルが限定発売に

スプリングドライブとは、セイコーが1970年代後半より独自に開発した、“第3のムーブメント”と呼ぶべき駆動機構。圧倒的な時間精度でクオーツ時計が世界を席巻するなか、クオーツ並みの時間精度を機械式時計において実現することを目指して開発されたもので、機械式時計と同じくぜんまいの解ける力を動力源としながら、ICと水晶振動子によって正確な精度の制御を可能にしています。


とりわけ高い実用性で評判を集めたのが、2004年に誕生した“キャリバー9R65”。巻き上げ方式と駆動時間は従来の“手巻式・48時間”から“自動巻・72時間”へと改良され、また自動巻き機構にセイコー独自のマジック(爪)レバー方式を採用することにより生産性とメンテナンス性も大きく向上。スプリングドライブの評価を一気に高めたこの傑作ムーブメントは、初代モデル発売から20年の歳月を経た今もなお、9Rスプリングドライブ搭載モデルのスタンダードとして多くのモデルに搭載されています。

今回記念モデルとして発表された2つのモデルのうち、ヘリテージ・コレクションから登場の「SBGA497」は、特にこの2004年誕生の初代モデルへオマージュを捧げるもの。大ぶりの針やカレンダー表示、パワーリザーブ表示などの実用的なディテールや、12時・6時・9時に配した特徴的なくさび形インデックスなどは、グランドセイコー初のスプリングドライブモデルとして発売された「SBGA001/003」のデザインを踏襲。

一方ダイヤルには、スプリングドライブムーブメントのふるさとである「信州 時の匠工房」から望む穂高連峰の雪面に形作られる風紋から着想を得た繊細なパターンを採用。淡い薄紅色のグラデーションは、朝焼けに美しく染まる雪原をイメージしています。

そしてスポーツ・コレクションから登場の「SBGE305」(84万7000円)では、“キャリバー9R65”のわずか2年後、2006年に誕生したGMT機能搭載モデル“キャリバー9R66”を採用。


こちらは同じく「信州 時の匠工房」より望む穂高連峰の夏をイメージ。険しい岩肌が鮮やかな朝日に照らされる朝焼けの情景を、ブラックのベゼルとダークレッドのダイヤルで表現しています。

傷のつきやすいベゼル部分には、ファインセラミックスの中でも特に優れた強度と靱性、耐傷性を備えたジルコニア・セラミックスを採用、またねじロック式りゅうずとスクリューバックの裏ぶたにより20気圧防水を実現するなど、美観と実用の両方をかなえたモダンな1本です。

>> グランドセイコー

<文/&GP>

 

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