「シチズン」のルーツであり象徴。手巻き懐中時計の新作は世界100本の希少な数量限定モデル

時は日本が近代国家へと力強く歩み始めた1918(大正7)年。貴金属商・山崎亀吉は、海外視察中にアメリカの懐中時計の大量生産の状況を知り、当時輸入時計中心だった日本で国産時計を生産することを決意します。

これが、現在のシチズン時計の前身となる尚工舎時計研究所の創業である。

発足当初は工作機械を欧米から輸入していた彼らだが、時計学校での技術者育成にも力を注ぎ、創業から6年後の1924年に悲願の国産懐中時計の製造を成功させます。

記念すべき16型サイズの手巻き懐中時計は、当時東京市長を務めていた後藤新平伯爵によって「永く広く市民に愛されるように」との願いを込めて“CITIZEN”の名を授けられ、以後100年に渡り発展し続ける同社社名の由来となっていきます。

そんな歴史と先人たちの努力を象徴するのが、このたび発表された「CITIZEN」ブランド時計100周年記念 懐中時計「NC2990-94A」。

43.5mm径・13.4mm厚のチタニウム合金製ケースに収められているのは、この懐中時計のために特別に開発された手巻きムーブメント・Cal.0270。持続時間は最大巻上時で約55時間、秒針停止機能を備えたこのムーブメントは、心臓部であるてんぷにフリースプラング方式を採用することで平均日差-3~+5秒という高精度を実現。

シースルーバックになった裏ぶたからは、丁寧なダイヤカットやふくよかなコート・ド・ジュネーブなど手の込んだ装飾が施されたムーブメントの優美な姿を視覚的にも堪能することができます。

さらに風格漂う塗膜研磨仕上げの電気鋳造ダイヤル、レトロなフォントを用いたインデックス、操作性とメンテナンス性にこだわったボウ(提げ環)、オリジナルの藍墨(あいずみ)色で染め上げられた正絹の組紐など、随所に散りばめられたクラシカルな意匠も大きな魅力。

世界100本という希少性から考えても間違いなく争奪戦となる注目モデル。発売は特定の店舗にて、2024年秋冬を予定しています。

>> シチズン「NC2990-94A」

<文/&GP>

 

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