スマホ初搭載となるのは音声通話時の「リアルタイム通訳」。通常の「電話」アプリで外国人と通話する際に、日本語で話すと、指定した言語に通訳される仕組み。相手が外国語で返答すると、日本語に通訳されて聞こえます。発表会では、あらかじめ収録されたデモ映像しか見られませんでしたが、海外渡航時のレストランの予約や、宿泊したいと思っているホテルへの問い合わせなどに役立ちそうです。
もちろん、リアルで会う人との会話の「通訳」も可能。発表会では、日本語とスペイン語のやり取りのデモが披露されましたが、話し言葉でもスピーディーかつ正確に翻訳されることを確認できました。通訳として使えるアプリは従来からありますが、自然な会話の流れを止めることなく使えることに優位性がありそうです。
入力したメッセージを瞬時に翻訳して送信でき、受信した外国語のメッセージを翻訳して表示することも可能。サムスン純正のメッセージアプリだけでなく、「+メッセージ」「LINE」「Instagram」のダイレクトメッセージなどでも利用できます。ユニークなのは、送信相手やシチュエーションに合わせて適切な表現を提案してくれる機能。上司や取引先にメッセージを送りたいが、ていねいな表現に自信がないという人には心強いでしょう。
プリインストールされている「ボイスレレコーダー」アプリも、Galaxy AIによって便利に使えます。録音した音声の自動文字起こしができて、話者を区分して、翻訳したり、要約したりすることも可能。Google Pixelにプリインされている「レコーダー」など、自動文字起こしができるアプリは増えていますが、同じアプリで翻訳・要約までできるのが画期的。さまざまなビジネスで重宝しそうです。
■カメラ&ギャラリーもAIで進化
Galaxy S24シリーズはカメラも強化されています。上位モデルのGalaxy S24 Ultraは約2億画素をメインとする4眼カメラを搭載し、光学10倍相当のズーム撮影が可能。デジタルズームは最大100倍にでき、1倍から100倍までの全ての倍率でAIによる画質補完が行われます。なので、広いイベント会場の後方の席からでもステージを鮮明な画質で写すことが可能。
Galaxy S24は5000万画素をメインとする3眼で、光学ズームは3倍、デジタルズームは最大30倍ですが、多くの人にとっては十分すぎるスペックと言えるでしょう。
Galaxy独自の写真管理アプリ「ギャラリー」の画像編集機能には「生成AI編集」が追加されています。例えば、写真の傾きを直すと、背景が足りなくなり、やむなく主要被写体を一部が欠けるトリミングをしなければならないことがある。その場合に、背景の不足部分をAIが生成してくれます。また、写真内の被写体を移動させたり、拡大したりすることも簡単にでき、そこで生じた余白にも自然な背景が生成されます。