1969年に世界初のクォーツ式腕時計を発表、時計業界に一大旋風を起こしたセイコーですが、70年代後半にはすでに次なる一手として全く新しい駆動方式のムーブメントの開発に着手していました。20年を超える歳月をかけて生み出されたのは、機械式時計と同じくぜんまいのほどける力を動力源としながら、IC制御によりクオーツ並みの精度制御を実現した全く新しい駆動機構。
その完成形として2004年に発表されたグランドセイコー初のスプリングドライブムーブメント“キャリバー9R65”は、優れた精度と自動巻き72時間パワーリザーブという実用性の高い性能で世界を再び驚かせました。
そんなキャリバー9Rの20周年を祝う今回の特別モデル、真っ先に触れるべきは力強さを感じさせる荘厳なスタイリングです。
基本的なデザインはブランドシンボルである“獅子”の威厳や気高さを体現した「SBGC253」を踏襲するもの。金属塊の角を切り落としたようなダイナミックな造形や、ライオンのたてがみを思わせる型打ち模様が印象的です。
さらに今回の特別モデルではダイヤルカラーに鮮やかなレッドを採用。これはまだ夜が明けきらない夏の早朝、穂高連峰の山頂を照らし出す太陽の赤い光と、やがてその光が山肌をなでるように広がり山全体を染めていくひと時をダイヤル上に再現したもの。光の差し込む角度により繊細に変化するダイヤルには、特許取得の新技術・光学多層コーティングが用いられています。
また心臓部たるムーブメントには、前述の「SBGC253」など標準仕様のモデルに搭載される“キャリバー9R86”をさらにブラッシュアップ、平均月差±10秒(日差±0.5秒相当!)という驚異的な精度を実現した特別なムーブメント“キャリバー9R96”を搭載。
ムーブメントの回転錘には、特別精度の証として18Kイエローゴールドでかたどられた獅子の紋章が誇らしげに輝きます。
デザインといい性能といい、20周年にふさわしい特別な風格を備えた特別モデル。発売は7月6日からとなっています。
>> グランドセイコー
<文/&GP>
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