■カメラだけでなくスピーカーも進化した「AQUOS R9」
AQUOS R9は、AQUOSのフラッグシップに位置付けられるモデルです。昨年は「AQUOS R8 pro」と「AQUOS R8」の2モデルが発売されましたが、AQUOS R9はAQUOS R8の後継機。なお、今期は “R9 pro”は発表されませんでしたが、「proシリーズはやめたわけではなく、今後、新機種を出す可能性はある」とのこと。
AQUOS R9の最大の特徴は、ライカが監修する高画質カメラを搭載していること。アウトカメラはメイン(約5030万画素/F値1.9)+超広角(約5030万画素/F値2.2)という構成。メインカメラにはライカの「ヘクトール」レンズを採用し、1/1.55インチの大型センサーを採用。光学式手ブレ補正や、人物などの被写体が追尾し続けるAF機能も備えています。前モデルからの進化点として「ナイト動画」や「シネマティック動画」に対応したことも挙げられます。
インカメラにも約5030万画素/F値2.2の高画質カメラが搭載しているので、自分撮りを楽しみたい人も満足できるでしょう。
ディスプレイは約6.5インチのPro IGZO OLED(有機EL)。前モデルからの進化は輝度で、前モデルの約4倍の明るさを実現。ただ明るいだけでなく、状況に応じて見やすい明るさになるそうです。
内蔵スピーカーの音質を大きく向上させていることも特徴。前モデル比で音量が約2.5倍になり、スマホを卓上などに置いていても、迫力あるサウンドを楽しめる趣向。
CPUには最新のSnapdragon 7+ Gen 3(最大2.8GHz)を採用。前モデルのCPUはSnapdragon 8 Gen 2(最大3.18GHz)だったので、クラスとしてはワンランク下がった形ですが、前モデル並みのパフォーマンスを発揮するとのこと。なお、RAMは前モデルの8GBから増えて12GBになり、さらに8GBの仮想メモリを拡張することも可能。ROM(ストレージ)は256GB。放熱のためのベイパーチャンバーも内蔵。5000mAhの大容量バッテリーを搭載しているので、長時間ゲームを楽しむこともできるでしょう。
昨今のトレンドである生成AIを用いた新機能も搭載。留守番電話のメッセージを要約して表示する機能で、録音を聞かずに内容を把握できる仕組みです。
■大画面&タフに進化した「AQUOS wish4」
AQUOS wishシリーズは、幅広いユーザー層に向けたエントリーモデルで、シンプルで使いやすいことが特徴。従来モデルは画面サイズが約5.7インチで、片手で操作しやすい大きさでしたが、最新のAQUOS wish4は約6.6インチの大型ディスプレイを搭載。開発担当者によると、海外(台湾とシンガポール)で発売するのに合わせて「グローバルで標準的なサイズにした」ことと「スマホをストラップでぶら下げたり、バッグに入れて持ち歩くなど、使い方が変わってきた」ことが変更の理由とのこと。
従来モデルはコンパクトで「かわいい」と評価されることが多かったwishですが、今回の開発コンセプトは「つよかわ」。従来からMIL規格に準拠する防水・防塵・耐衝撃性能などを備えていましたが、wish4では、さらにコンクリートに落下させても割れない強化ガラスを採用し、ハンドソープで洗えるようにするなど、タフネス性能を向上させています。
アウトカメラはシングルレンズで約5010万画素/F値1.8。AQUOS独自の画質エンジン「ProPix lite」を搭載し、夜景やポートレートの画質向上が図られています。インカメラは約800万画素/F値2.0。
CPUはMediaTekのDimensity 700(2.2GHz)で、RAMは4GB、ROMは64GBという構成。現在販売されているスマホの中では、かなり控えめのスペックなので、ヘビーユースには向かないでしょう。5000mAhの大容量バッテリーを搭載しているので、電池持ちには期待できます。
AQUOS wish4のボディ素材の約60%に再生プラスチック材が使われ、サイドキーには再生アルミ材が100%使われています。環境に配慮されていることはもちろん、背面パネルのサラサラとして手触りも心地よかったです。
両モデルの発売まで、まだ2ヵ月ほどあります。今後、6月にメディア向けの体験会が開催される予定で、発売が近づいてから明らかになる情報もあるかもしれません。気になる人は、購入候補の端末としてチェックしておきましょう。
<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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