C4カクタスに採用されている独創的な技術は、エアバンプだけではありません。万一の衝突時に同乗者を守る助手席エアバッグは、ルーフから展開する方式を採用。これにより、インテリアデザインの自由度が高まり、助手席前のダッシュボードには大きなトップボックスを設けています。
ワイパーには“マジックウォッシュ”と呼ばれる、ワイパー内部にウォッシャーノズルを搭載したシステムを初採用。ワイパー本体でウォッシャー液を噴射しながら拭き取るので、ウインドウの洗浄中でも視界を確保できるほか、ウォッシャー液の使用量も半減するという画期的な機構です。
インテリアもなかなかユニーク。水平基調のダッシュボードは、ドライバーの目前にデジタルの速度計のみを配置。走行データなどの表示は7型タッチパネルに集約し、エアコンなどの操作も、こちらで行う方式です。
シフトレバーは存在せず、ATの操作はダッシュボード下に設けられた“イージープッシュ”のボタンを押すだけ。ハンドルにはシフトパドルシフトを搭載しており、マニュアルモード時の変速操作はこちらで行います。
パワートレインは、1.2リッターの直列3気筒“ピュアテック”エンジンに、5速ETG(エフィシェント・トロニック・ギアボックス)の組み合わせ。最高出力82馬力、最大トルク12.0kg-mと、数値だけを見れば非力に感じますが、1070kgという軽量なボディをしっかりと加速させます。
また、ボディサイズはコンパクトですが、ホイールベースが2595mmと長めに取られているので、クロスオーバーカーらしい優れた走行安定性と、余裕ある室内スペースを兼備しています。
コンパクトながら、シトロエンらしい独創性にあふれた技術をふんだんに搭載したC4カクタス。価格はファブリックシートのモデルが238万円、ベロアシート仕様は241万円で、初回は限定200台のみの販売。ヨーロッパで抜群の人気を誇る上に、日本への正規輸入を首を長くして待っていた人も多いので、欲しい人はぜひお急ぎください!
(文/増谷茂樹)
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