On史上初のアッパー製造技術“LightSpray”を開発したのは、チューリッヒに位置するOn Labs。あるチームメンバーが、ハロウィン飾りの蜘蛛の巣をグルーガンで作る動画を観ていたときに、「この技術はシューズにも活かせるのでは」とひらめいたことがきっかけだったといいます。
開発された製造ユニットは、ひと続きのフィラメントをスプレー噴射することで、あらかじめ設計された構造物をつくり出すことができ、継ぎ目のないアッパーを作ることができるというもの。自動化されたロボットアームによって、たった一つの工程だけで、アッパーをあっという間に製造できるようになっています。
再生利用できる単一の素材を接着剤不要の方法で結合しており、また超高速で製造できるため、製造工程での廃棄物が少なく、CO2排出量もOnのほかのレーシングシューズと比較して75%削減されているなど、環境への負荷が少ないことも大きな特徴です。
“LightSpray”を使用した最初のシューズである「Cloudboom Strike LS」は、極薄でシームレス、シューレースも不要な高性能ランニングシューズ。足にぴったりとフィットする構造で、“走ること”のみに集中したいレースの際にはぴったりのモデルです。
アッパーの重さは、なんと約30gと超軽量! 総重量も約170g(メンズサイズ)と、他のランニングシューズと一線を画す軽量性を実現しています。ミニマルかつ未来的なビジュアルも、これからのランニングシューズのデザイン概念を変化させてくれそう。
実際、開発段階の「Cloudboom Strike LS」を履いてレースに臨んだというトップランナー、ヘレン・オビリ選手をはじめ、数々のアスリートがレースで勝利をおさめているとか。新技術を使った革新的シューズの今後に注目です。
>> On
<文/&GP>
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