インイヤータイプだが、ハウジングがメッシュ状ということは、音は抜けるためオープン型ともいえるこのイヤホン。実はオープン型でダイナミックドライバを使用すると、低域、広域ともに周波数レンジが伸びず、帯域の広がりには限界があった。
その難点を、イコライザーまでも3Dプリンタで作ることで改善。これまでの製造方法では不可能だった形状を実現したことで、より高域に広がりが出るようになった。
また、ハウジング背面部分もメッシュ状としたことで、音導管が振動板前後の干渉を防ぎ低域特性も改善している。
さらにメッシュ状のハウジングは、耳道とイヤホンの間にわずかな隙間を生み、閉塞感のない自然な音場を実現している。
しかし3Dプリンタでの造形には“表面の粗さ”という問題点がある。素材として使われるチタンの粉末は3μと極めて小さいが、やはりそこは直接耳に入れるモノ。これだけの小ささでも痛みは感じてしまう。
この問題点を解決したのが、化学メーカーと共同で開発した化学処理だ。これにより表面の光沢仕上げは、3Dプリンタでのチタン造形品としては、世界最高レベルの平滑度になっているという。
着脱式のケーブルには、音場に広がりを与える高純度OFCシルバーコートを使用。驚くほどの柔軟性があり、タッチノイズも起こしにくいものに仕上がっている。コネクタはもちろんMMCX。
イヤホンとしてはありえないほど、さまざまな最新技術を使って作られる「LAB Ⅱ」。価格はなんと45万3600円。200台の限定生産だ。
final「LAB Ⅱ」>> http://final-audio-design.com/archives/4952
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(文/&GP編集部)
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