新プリウスPHVには、ほぼすべてのグレードに“DCM(車載通信機)”が標準搭載され、3年間無償でサービスが提供される。
このDCMは、現在、レクサス車に搭載されており、車両から収集されるビッグデータを利用して、個々のクルマの行き先を予測。ルート上の事故や渋滞を事前に通知する“先読み情報サービス”を提供している。
トヨタはこのDCMをグローバルで共通化し、2020年までに日米におけるほとんどの乗用車に標準搭載することで、車両の位置情報から、国、地域ごとに選定した通信事業者へ自動接続。通信状態の監視を総合的に行う“グローバル通信プラットフォーム”を、KDDIと共同で構築している。
ほかにも、ビッグデータを活用することで、社内の車両設計や品質管理部署に走行データをフィードバックし、車両の不具合の早期発見、早期対応を促進。また、個々のクルマの故障や整備の必要性を予知し、販売店への入庫を促し、車両の警告灯が点灯した際に車両データを遠隔診断し、適切なサポートを行う“eケアサービス”も開始する。
また、車載カメラの画像を収集し、車線ごとの混雑状況や障害物の有無を含むダイナミックマップを生成したり、ドライバーを十分に理解した人工知能のエージェントが安全で快適なドライブをサポートしたりといったサービスも予定している。
そして新プリウスPHVには、スマホアプリ「ポケットPHV」サービスが提供される。これは、離れた位置にあるスマホから車両にアクセスし、クルマの充電状態の確認やエアコンの操作を行えるもので、例えば、寒い冬の時期などは、乗る前に車内の空調をコントロールしていくことで、温々とドライブできるようになる。
発表会ではデモンストレーションが行われ、クルマと人の関係が変わることで、いかに便利に生活できるようになるかが披露された。前述のeケアサービスと連動することで得られる故障予知や、販売店へのアテンドなどは、あまりクルマに詳しくないユーザーや高齢者ドライバーなどにとって、今後、欠かせない機能となるかもしれない。
トヨタ自動車の専務役員で、コネクティッドカンパニー・プレジデントの友山茂樹氏は、今回の発表ついて
「 “コネクティッド”は新たな時代を迎えることになりました。これでトヨタは、単に数百万台のクルマを製造する企業ではなく、数百万人の顧客や社会との接点を毎年毎年、世界中に創出している企業になる。その先に、安心・便利で心ときめく未来のモビリティ社会を創出したいと考えています。
モノづくり日本のためにも、IoT時代の新しい製造業のあり方をわれわれ自身が切り拓いていかなくてはいけない」と話し、コネクティッドカーが果たす未来への役割をアピールしていた。
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(取材・文/三宅隆)
みやけ・たかし
白物家電担当の&GP編集部員。白物以外にもデジタルガジェット、フィットネス、文房具、ロボット、PCその他と興味の幅は広い。幅だけ。仕事以外では主に格闘技とSF小説・映画へ脳のCPUを割いている。
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