スティック型コードレス掃除機には、エレクトロラックスのエルゴラピードシリーズをはじめとする「自立タイプ」と、ダイソンをはじめとする「ハンディタイプ」(ハンディ掃除機に延長管とフロアヘッドを付属したモデル)のふたつに分かれる。ハンディタイプはハンディ掃除機がベースになっており、自立しないというのが常識だった。
ここに大きなメスを入れたのがFREED 2だ。ハンディタイプは自立タイプに比べて、フロア掃除時に重く感じてしまう。本体の重量が重いのではなく、問題は重量バランスにあった。従来は重量部品であるモーターとバッテリーが同じサイドにあったため、重心が手元のすぐ下にあった。新モデルではバッテリーをハンドルの前に配置したことで重心を中心軸上にとどめることに成功したというわけだ。
本体重量は従来モデルが約2.2kgなのに対し、新モデルは約2.1kgと100g程度しか軽くなっていない。しかし重量バランスを改善したことで、従来は手元に約1.82kgもの重量がかかっていたのに対し、新モデルでは約1.08kgと、約40%も低減している。
掃除の基本性能も向上した。大型のプロペラを搭載した新型モーターを採用し、吸引風量を約30%向上した。従来モデルのフロアヘッドのファイバーブラシには、畳などの表面のホコリを拭き取る「ソフトブラシ」と、ブラシの雑菌の繁殖を抑える「Ag+イオンブラシ」の2種類4本のファイバーを採用していた。
下位モデルのEC-SX210はそれを踏襲しているが、上位モデルのEC-SX310はフローリング表面の汚れをみがいてピカピカにする「床みがきブラシ」、じゅうたんの毛足の奥の汚れをかき出す「ハードブラシ」の2種類4本を加えた4種類8本のファイバーブラシを採用している。ハードブラシを搭載したことで、フロアヘッドの自走パワーも約4倍にアップしたとのことだ。
さらに魅力的なのが、FREED 2はハンディ型ベースなのに自立するということ。掃除途中に電話などちょっとした用事があっても、寝かせたり壁に立て掛けたりせずに中断できるのがうれしい。
充電に「セパレートチャージ方式」を採用しているのもFREEDシリーズの大きな特徴となっている。これは本体から電池パックを取り外して急速充電器で充電するスタイルのこと。約80分で充電し、自動モードで最長約30分の掃除ができる(強モードの場合は約8分)。
充電台に設置するだけのスタイルに比べるとひと手間かかるが、近くに電源コンセントがない場所でも置けるのは魅力だろう。さらに別売のバッテリー(実勢価格8240円)を買い足せば、「掃除したいのにバッテリー切れで掃除できない」というトラブルも免れることができる。
ツールとして、フロアヘッドの他にすき間ノズル、ふとんやベッド、ソファなどの掃除が可能な「2WAYベンリヘッド」が付属する。ふたつのツールは急速充電台の隣に収納しておけるので、必要に応じてすぐに付け替えて使うことが可能だ。延長管とすき間ノズルを組み合わせれば、壁や天井、エアコンのフィルターなど高い場所の掃除も可能。フロア掃除が得意な自立タイプと、手元での細かい操作がしやすいハンディタイプのいいところを高い次元で両立したモデルとして注目したい。
(文/安蔵靖志)
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