紀陽除虫菊の蚊取り線香は、紀州・和歌山の地場産業だ。紀陽除虫菊の手掛ける天然素材の蚊取り線香は、キク科の植物「除虫菊」の粉末を原料に作られる。
除虫菊とは、正式には「シロバナムシヨケギク」という多年草で、マーガレットに似たかわいらしい花を咲かせる。花の子房に含まれる天然殺虫成分・ピレトリンが、人間には無害なことから虫除けに使われてきたというわけだ。
明治初期に日本に渡来、当時は全国で栽培されていたが、戦後に合成殺虫剤が登場して以来、除虫菊の花畑はほとんど見ることがなくなった。今でこそ、さまざまな色の線香があるけれど、除虫菊の粉末はもともと淡いサンドベージュ。だから天然の除虫菊を用いた蚊取り線香は茶色なのだ。
製造工程は以下のとおり。
●練り:原材料の粉末に水を混ぜてこねる。配合量はその日の温度や湿度で調整
●型抜き:板状に押し出し、機械で型抜き。ガチャンという音とともに、おなじみの“渦巻き型”に成型される
●乾燥:網に乗せ、風通しのよい干し場で自然乾燥。一週間ほどで完成だ
原料や作り方を知れば、その効果効能をあらためて試してみたくなるというもの。紀陽除虫菊の「夕顔 天然蚊とり線香」は、着色料・香料ともに無添加で、30巻入・缶入(1436円)、30巻入・箱入(1134円)、50巻入(1728円)。他にアロマを楽しめるタイプもラインナップ。
(文/GP編集部)
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