近年、ヤングタイマーやネオクラシックカーと呼ばれる1980年代~1990年代初頭に発売されたクルマたちが密かに盛り上がっています。最初は、これらのモデルが登場した当時に免許を取った現在の40代後半~50代の人が「子供の手も離れたし、当時は買えなかった憧れのクルマに乗りたい」とセカンドカーとして選ぶのが主流でした。しかし中古車販売店を回ると、当時を知らない免許を取ったばかりの人たちが「こういうのって新しいよね」とヤングタイマーなモデルを買っていくケースが増えているという話を聞きます。
燃費性能に優れ、衝突回避支援ブレーキを初めとする安全性能の進化など、今どきのクルマは驚くほどの進化を遂げています。デザインも複雑な面構成で彫刻のようなスタイルをしたものが増えました。どれもカッコいいのですが、どこか “怒った顔” に見えてしまったり…。どうせならもっとユルい雰囲気でクルマを楽しみたいと考え、ヤングタイマーなモデルを選んでいる人もいるようです。
■コンセプターの坂井直樹氏もデザインチームに参加
カスタムカーというと車高を落とし、エアロパーツで押し出しを強くしたものを想像する人が多いでしょう。フレックスのRenocaは言うなればその真逆の路線のカスタムカーです。
「古民家をリノベーションし、自分好みのデザインで住みやすい家に暮らす人がいます。それと同じようにクルマもライフスタイルに合わせた懐かしいデザインのものを選べるようにしたい。しかしヴィンテージカーは気軽に乗れるものではありません。そこで信頼性の高いクルマをリノベーションしていつまでも乗り続けられるようにできたらと考えたのが、Renocaの始まりです」(フレックス株式会社 代表取締役 藤崎孝行氏)
Renocaが目指すのは、クルマ以上にライフスタイルを重視する人に選んでもらうこと。ファッションや小物に合うクルマに乗りたい、のんびりとした時間を過ごすためにクルマで出かけたいという、既存のクルマに満足できない人に選んでもらいたいとのことです。
デザインチームにはBe-1やパオなど1980年代後半から1990年代初頭にかけて爆発的にヒットした日産のパイクカーを手がけたコンセプターの坂井直樹氏も参加。古き良き時代を感じさせる4タイプのRenocaが生まれました。
Renocaの大きな特徴はボディカラーやインテリアカラー、ホイールなどが複数用意されていること。形はベース車両から大きく変わっています。一般的なカスタムパーツは加工がしやすいFRPで製作しますが、Renocaではボンネットを敢えて鉄で製作。ヘビーデューティーであると同時に安全性にも配慮されています。
しかもホームページ内にあるコンフィギュレーターを使えば、どんなイメージになるかを自分の目で確認できます。クルマはモノが大きいため、パーツや色だけ選んでも実際の仕上がりイメージがかなり違うということが多々あります。コンフィギュレーターでイメージを確認すれば、そんな失敗がなくなります。
また、Renocaは中古車をベースにカスタムします。新車と違い中古車は定価がないためカスタムする場合の総予算がつかみにくいのが難点。Renocaはコンフィギュレーター上に自分が選んだカスタムの予算の目安を提示。「クルマが詳しくない人にも安心して楽しんでもらいたい」という想いが感じられます。