■自販機にスマホをかざすとポイントが貯まる!
LINEはこれまでも、ヤマト運輸やアパレルブランド「アメリカンイーグル」など、多くの企業と提携してきました。ヤマト運輸との提携では、宅配便の再配達や時間指定をLINE上から行えるサービスを開始。「アメリカンイーグル」との提携では、ポイントをLINE上で管理できるようにするなど、消費者と企業をLINEで結ぶサービスを展開しています。
今回開始された「Tappiness(タピネス)」は、ビーコン端末を埋め込んだ自販機にスマホをかざして利用するサービスです。中でも特に注目したいのは「ドリンクポイント」。ドリンクを1本購入するごとに1ポイントが貯まり、15ポイント貯まると好きなドリンク1本と交換できるんです。
ドリンクの購入には現金・電子マネーのほかに、モバイル決済サービス「LINE Pay」を利用できます。ドリンクをワンタップで購入できる手軽さも魅力ですが、これまで “コンビニで使う” イメージが強かったLINE Payの使用範囲がついに自販機まで広がった点が印象的でした。
ほかにも、LINEの「友だち」にドリンクをプレゼントできる特典チケットがあります。日頃お世話になっている人や、遠くに住む友人や家族にちょっとした感謝の気持ちとして送るのもよさそうです。
現在、初回特典としてTappinessでドリンクを購入すると、一気に10ポイントがもらえます。4月13日から首都圏・近畿圏で開始されるTappinessは、夏以降には全国都市部でも順次展開し、サービス開始から1年で2万台の対応を見込んでいます。街角でビーコン端末搭載の自販機を見つけたら、一度試してみては。
■アプリをわざわざダウンロードしなくてもOK!
Tappinessのもうひとつの特徴は、キリンの公式アカウントとLINEで「友だち」になっていれば、わざわざ専用アプリをダウンロードしなくても利用できる点。Bluetoothをオンにし、LINEを起動してスマホを自販機に近付ければ、あっと言う間に接続が完了します。なお、Androidでは位置情報もオンにする必要があります。
発表会の会場ではビーコン端末搭載の自販機が設置されていたので、さっそくTappinessを利用してみました。
なお、初回起動時のみ「LINE Beacon」の許諾画面が表示されるので、利用規約に同意しましょう。
現金や電子マネーで購入する場合、スマホと自販機を接続して一定時間が過ぎると、接続が解除されます。その場合、ポイントが付かないので注意しましょう。接続を維持できるのは、だいたい40~50秒程度ということです。
なお、LINE Payに登録している場合、自販機との接続画面に「LINE Pay決済」というアイコンが表示されます。LINE Payで決済したいときは、このアイコンをタップしましょう。
■「消費者をワクワクさせたい」という思いから生まれた「Tappiness」
発表会には、KBV社の代表取締役社長、岩田実氏が登壇。Tappiness誕生の経緯には、KBV社の創業指針でもある「自販機を単なる “ハコモノ” ではなく、消費者がワクワクするような “活きモノ” に変えたい」という思いがあったと語りました。
というのも、自販機の台数は20年前の210万台から現在の220万台とほぼ横ばい。加えてコンビニの台頭により、ドリンクを自販機以外で購入する人が増え、1台あたりの売上も減少している、という背景があります。
そこで自販機を<温かい/冷たい飲み物をすぐ買える>“ハコモノ”ではなく、消費者がワクワクできる “活きモノ” として利用できないか、という思いからLINEとの提携を開始。2015年10月に「VENDORPHOTO(ベンダーフォト)」、そして2017年には今回発表されたTappinessのサービス開始に至りました。将来的には、Tappinessにおける購買・属性データを元に、ユーザーに合った情報やサービスを提供する、One to Oneマーケティングも強化していきたいそうです。
発表会では、特にターゲットとしている年齢層があるわけではないが、中高年層に比べて自販機との接点が浅い若い層がTappinessをきっかけに自販機に慣れ親しんでくれれば、という言葉も聞かれました。いつも何気なく買うドリンクを、少しでもお得に、そして楽しく購入したい人は、LINEとKVS社の新サービスTappinessを試してみませんか?
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(取材・文/神戸紅実子)
編集プロダクション「ゴーズ」に所属。”平成生まれ昭和育ち”ながら、スマホやアプリに関する記事を若者文化に乗り遅れまいと執筆中。東横線ユーザーだが、ときどき中央線沿線にも出没する。
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