Xperia Touchは、ソニーモバイルが発売するXperiaスマートフォンとは別の、新たなコミュニケーションを提案する「スマートプロダクト」のひとつです。これまでに4つのコンセプトモデルが発表され、昨年秋には、商用化第1弾として、ハンズフリーでスマートフォンの一部機能を利用できる「Xperia Ear」が発売されました。Xperia Touchは、ふたつめの商用化モデルになります。
サイズは約69×134×143mmで、重さは約932g。手軽に持ち運べて、約1200mAhのバッテリーも内蔵しているので、ケーブルレスで約1時間使うこともできます。テーブルなどに置いてテーブル上に投影する場合は23インチ、壁に投影する場合は、壁から約25cm離すことで最大80インチで投影できる仕組みです。
ソニーが独自に開発した超短焦点レンズと、「SXRD」という液晶ディスプレイデバイス、そして小型のレーザーエンジンを搭載することでコンパクトサイズを実現。なお、タッチ操作ができるのは、机や壁などに23インチで投影した場合のみで、本体下部に搭載した赤外線センサーと、プロジェクター部のイメージセンサーの組み合わせによって、ユーザーが触れる位置を検出する仕組みになっています。今年2月のグローバルでの発表時には、壁面に投影した際に、ジェスチャー操作するデモンストテーションも行われましたが、今後のアップデートで、そうした機能を追加することも視野に入れているそうです。
発表会では多くの実機が展示され、いち早くその操作感を試すことができました。最大10点のマルチタッチに対応しており、タッチの仕方はスマホやタブレットと同様。フリックやピンチアウトといった操作もなめらかに行えました。レスポンスにタイムラグはなく、“大画面のスクリーン” を操作しているような感覚でした。
人感センサーも搭載されています。人間が約2メートル以内に近づくとセンサーが反応し、自動で壁に情報が投写される仕組みです。時計やカレンダーを確認したり、家族へのメッセージを残したりと、使い方は自由自在。さらに、「Hi Xperia(ハイ エクスペリア)」と呼びかけると音声認識が起動。声で天気予報やその日の予定などを確認でき、音楽再生などアプリの起動もできます。
Xperia TouchはAndroid 7.0を搭載しており、Google Playからダウンロードしたアプリやコンテンツも利用可能。スマートフォンと共通のGoogleアカウントを設定することで、経済的にコンテンツ共有でき、Googleカレンダーを同期して使うといったこともできます。通信はWi-Fiで行うので、キャリア契約などのランキングコストはかかりません。
スマホやタブレットがパーソナルなデバイスであるのに対して、Xperia Touchは複数人で使うことを前提に設計されています。新機軸の製品ゆえ、決してお手頃とはいえないお値段ですが、家族団らんの時間が減ってきたことを危惧しているお母さん、お父さん! 新しいコミュニケーションのきっかけになるかもしれませんよ!
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(取材・文/村元正剛)
iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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