今や日本のみならず、世界中の人々に愛されるジーンズブランド「EDWIN(エドウイン)」。1947年に「常見米八商店」として産声を上げ、1961年にオリジナルのジーンズを製造・販売する「EDWIN」がブランドとして立ち上がりました。1997年には“世界に誇れるスタンダードジーンズ”を目指した「503シリーズ」がデビュー。
以来今日に至るまで、糸や織り、縫製、加工、デザイン、ディテールにこだわったジーンズを作り続け、半世紀の時を超えた今もなお人気を集めています。
そんな「EDWIN」のフィロソフィーを体感できるエキシビジョン「The LIVE -MADE BY EDWIN-」が、東京で開催されました。
■EDWINの想いと誇りが詰まった「The LIVE -MADE BY EDWIN-」
「The LIVE -MADE BY EDWIN-」は、その名の通りライブ形式で行われ、同社のジーンズにかける想いと誇りが込められたイベントでした。
秋田県にある自社縫製工場からミシンをはじめ様々な機械を移設し、縫製オペレーターによって再現された「EDWIN TOKYO FACTORY」では、EDWINジーンズ誕生の瞬間を公開。ほかにも、工芸作家とコラボレーションした新製品の紹介や、気鋭のアーティストによるライブなど、さまざまな催しが来場客を魅了し、多くの人がEDWINの流儀に感嘆の声をあげていました。
■秋田工場の一部分を東京に移設した「EDWIN TOKYO FACTORY」
イベントの目玉はなんといっても、秋田工場で行われている製造工程の一部を東京に移設した「EDWIN TOKYO FACTORY」。実際に使われているミシンや裁断機、縫製機を持ち込み、ジーンズの製造工程の一部が実演され、EDWINのジーンズがどのように作られているのか、職人たちの技術を目の当たりにすることができました。
また、今回のイベントは事前にクラウドファンディングにより一般参加者を募集。そのリターン商品となるジーンズを、こちらで製作。出来上がっていく様子を実際に見た1本は、きっと価格以上の価値があり、より愛着が湧くはずです。
■ジーンズができるまでの工程を説明する「ProcessBoard」
EDWINのジーンズができるまでの工程(綿花→紡績→染色→織布→裁断→縫製→加工)が解説されていた「ProcessBoard」。
綿花をつむいで染色し、デニム生地に織り上げるまでの過程では、さまざな種類の綿やつむがれた糸、異なる織り方をされたジーンズ生地の実物展示も。素材や技法によって、趣の違う商品が出来上がることがわかります。
普段愛用しているデニムがどのように製作されているのか、詳しく知ることのできる貴重な機会で、EDWINがジーンスに込められた理念と基準を垣間見られました。
■来年より始動予定「CORE COTTON RECYCLE」
サスティナブル(持続可能)なものづくりは、今や世界的なトレンドとなっています。EDWINでも、サスティナブルな生産サイクルを目指すためのプロジェクト「CORE COTTON RECYCLE」が始動しようとしていました。
「“もったいない”から生まれる“もっといい”」をコンセプトとして、クラボウ(倉敷紡績)が取り組むプロジェクト「LooPLUS(ループラス)」とコラボレーションし、裁断くずを繊維製品の原料として再資源化する「CO:RE」プロジェクトが、2020年よりシリーズ化予定。緯糸(よこいと)に使用したデニムや天竺素材を開発し、ジーンズやショートパンツ、Tシャツなど、幅広い商品に採用されていくそうです。来年より始動予定。
■もしも江戸時代にジーンズがあったら?「大麻布」ジーンズも登場
イベントでは、大麻布を使った「大麻布」ジーンズも登場。
もともと2枚目の写真のように、江戸時代以前の日本では衣類の主要素材に大麻布が採用されており、今回のアイテムは“もしも綿が普及するより前にジーンズが作られていたら”という仮説をコンセプトに作られたもの。和服に見られる直線を主体としたパターンで製作されており、和の味わいが感じられる美しいジーンズに仕上がっていました。
■70年代の部屋をイメージしたブース「70s NostalgicRoom」
ヒッピームーブメントが巻き起こった1970年代。デニムが単なるワーカーズファッションではなくおしゃれとして認知されていくにつれ、EDWINもブランドとしての人気を確立させていきました。
「70s NostalgicRoom」では、そんな当時の、とある部屋をイメージした展示が行われていました。四畳半の小さな部屋に、70年代のEDWINアイテムやポスターが飾られ、懐かしの箱型テレビからは当時のコマーシャルが。ブランドの歴史がうかがえるにくい演出です。
■ヨーロッパで販売されている「EDWIN EUROPE」の製品群
1980年に欧州へ初めて輸出されたEDWIN製品は、2004年に現地ライセンスをスタート。現在、ヨーロッパで展開されている店舗は550店にもなり、多くのファンを獲得しています。
「EDWIN EUROPE」のブースでは、日本で企画され、EUラインで展開されている限定商品が展示されていました。カタカナ表記の“エドウイン”ロゴや、“東京より 愛を込めて”という日本語のメッセージなど、欧州ファンに捧ぐ想いがうかがえます。
■会場限定販売商品が並んでいた「POP-UP STORE」
「POP-UP STORE」ブースには、イベントロゴのTシャツや、オリジナルのダルマや手ぬぐいなどの会場限定商品が登場。ここでしか手に入らないグッズとあり、多くの来場客が手に取っていました。
隣のブースでは、メンズジーンズを履いた“#ジーパン女子”のスナップ企画のパネル展示も。こちらでは、漫画家・イラストレーターとして活躍する江口寿史氏による、キュートなジーパン女子のイラストTシャツが販売されていました。
■新しく生まれ変わった「503」シリーズ
1997年に誕生し、ブランドを象徴する定番ジーンズとなった“503”シリーズ。メイドインジャパンにこだわり、“世界に誇れるスタンダードジーンズ”としてデビューした503が、この秋“現代のスタンダードデニム”として生まれ変わります。
時代の流れとともに、日本人の体形やライフスタイル、ファッションの楽しみ方も変化していきました。新しく生まれ変わった503シリーズは、ロゴだけでなく、シルエットや糸、仕上げ方までリニューアル。現代を生きる私たちのためのデニムに変身したのです。
「CO:RE」プロジェクトのコンセプトでもあるサスティナブルなものづくりが、新しい503シリーズでも目指されています。通常、大量のCO2を排出する経糸の染色工程では、電解水を使用したエコ染料を採用。またワンウォッシュには、分解し酸素に返るオゾン(O3)の力で色を落とさず、生地を傷めず洗う事のできる「エアーウォッシュ」が採用されているそう。
もちろん、環境に優しくなっただけでなく、ディティールの美しさや光沢感、生地の強度もアップデートされています。11月1日より26店舗で先行販売が開始するため、ぜひその目で実際に確かめてみて下さい。
>> エドウイン
(文/藤間紗花)