■ガイドもビックリ、テンカラ竿のポテンシャルの高さ
獏さん、今度はテンカラ竿に持ち替えてトラウトを狙う。テンカラ竿はDAIWAのエキスパートテンカラ。テスト川で50センチオーバーの魚をリールなしのテンカラ竿でこなすにはバット部の強さとティップのしなやかさを併せ持つ高性能の竿が必要なのだ。
獏さんはここでのヒットフライであるビーズヘッドのニンフを付けてテンカラにチャレンジ。ニンフの流し方にコツを掴んだ獏さんは、何度かキャストすると、ヒット! まずはレインボートラウト、次にブラウントラウトをたちまちにかけた。魚は走り、竿は大きく曲がるが、竿はしっかりと持ちこたえて、無事にランディング。
ガイドのロロさんもテンカラ竿のポテンシャルにびっくり。「僕にもやり方を教えてほしい」と言うほど。そこで、ロロさんにいくつか注意点を教えてチャレンジしてもらうと、さすがにフィッシングガイドだけあって、すぐにマスターしてブラウンを釣り上げた。ロロさんによれば、アメリカだけでなく、イギリスでもテンカラは流行りつつあって、そのシステムのシンプルさには魅力があるという。
海外では日本のメーカーの評判は高く、その性能の良さには定評がある。日本メーカーの代表であるDAIWAのテンカラ竿も日本国内ばかりか、むしろ海外で高い評価を得ている。今回もロロさんの体験からイギリスでも流行ることは間違いない。
■他では味わえない楽しみ
イギリス流のフライフィッシング、もう一つの楽しみはランチだ。釣り場にはそれぞれランチ用のテーブル、食器やロッドスタンドなど様々なユーティリティも整っており、ゆっくりとランチを楽しむ。事前に予約しておけば、料理人が材料を持ってきて、その場で調理もしてくれる。コンビニのおにぎりとお茶で済ませる日本とは大違い。さすがにイギリスでの釣りはステイタスであり、スポーツエンターテイメントのひとつになっていることを感じさせる。
我々もワインを持ち込んで、事前に予約しておいたランチを楽しんだ。メニューはサバを使った蒸し焼きがメインディッシュに、サラダやフルーツも盛りだくさん。これほどゆったりとランチを味わい、大物トラウトとのゲームを楽しめる釣りは、今まで経験したことはなかったし、おそらく他では味わえないものであろう。
中世から続づいている釣り文化こそ、イギリス貴族たちのライフスタイルが継承される誇りを感じさせ、かつて彼らが南半球まで鱒を運んだ理由が分かったような気がした。
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(写真・文/Ken Hirano 取材コーディネート/Yoko Oshima)