開発者に聞く!50年の歴史と技術が生んだマッサージ機 最新「リアルプロ」がすごい7つの理由

パソコンやスマホの使い過ぎによる姿勢の崩れや、仕事での疲れを癒やすためにマッサージは欠かせないという人は多いでしょう。ただ、実際に店舗へ行く手間と費用を考えると、自宅でケアできれば...と思うこともしばしば。

そこで、家庭用のマッサージ機を開発し続けてきたパナソニックからマッサージチェア「リアルプロ」の最新機「EP-MA100」が登場。こちらが、カラダケアに最適である理由を知るため、滋賀県彦根市の同社を訪れ、取材してきました。

開発者の方々に聞くマッサージ機の最新テクノロジーから、歴代モデルの進化ポイントまで徹底調査。肩・腰をはじめとするカラダケア対策を考えるなら、ぜひ知っておきたい「リアルプロ」の秘密をお届けします。

■リアルプロのここがすごい!①
「ヒューマンハンドで首からお尻までモミモミ」

パナソニックにおけるマッサージチェア開発の基本理念と、最上位機種『リアルプロ』が追求する「人の手の動き」について、ヘルシーアクア商品企画課課長・樺山雅樹さんはこう話します。

▲ヘルシーアクア商品企画課課長・樺山雅樹氏

「パナソニックの商品開発における原則として、『お客様に寄り添った商品作り』があります。私は入社以来マッサージチェアの企画を担当していますが、常にお客様の声を聞いて、お客様に喜んでいただくことを最も大事にしてきました。

特にマッサージチェアの場合は、“肩こり” や “腰の疲れ” といった悩みを持って購入されるお客様がほとんどなので、そういった方々の生活の質がよくなったり、明るい毎日を送れるようにするというのが一番ですね」

▲「リアルプロ EP-MA100(ルクソールベージュ)」(ほかブラック、アイボリーの3種類)

「特に、2001年に初号機が発売された最上位機種『リアルプロ』からは、その名の通りプロのマッサージ師の技術、『人の手』にいかに近づけるかという点に注力してきました。

実際にマッサージ師の方が押す圧力を計測してデータを蓄積し、その動きと感覚を再現するために上下・前後・左右の3軸で動く高性能の『ブラシレスモーター』を導入しています。独自に動く3つのモーターを協調制御することで、モミ玉の細かくなめらかな動きを追求しているのです。

『リアルプロ』では人の手の感覚により近づけるために、『温感モミ玉』を搭載しています。モミ玉自体が熱を持つことで布地を温め、じんわりとした心地よさを加えています」

■リアルプロのここがすごい!②
「肩・脚・指先までほぐすエアーバッグ技術」

ユーザーの体に密着したマッサージを追求するために、パナソニックが独自に導入したエアーバッグ。この部分の開発に力を注いでいるのが、商品開発主務・西谷信行さんです。

▲商品開発主務・西谷信行氏

「お客様への調査において、以前の機種で他の部位に比べて満足度が低かったのが『腕』でした。そのため最新機種では、座ってすぐに手が楽に置けて、リクライニングしてもずれることなく腕をしっかりマッサージできるように、エアーバッグの形状を含めて改良を重ねています。

「また、最新機種にも強力な足裏ローラーが搭載されています。開発当時、このローラーを中心に足裏のマッサージを技術面から変えようということで、開発スタッフでマッサージ師のところに足を運び、研究を重ねました。その結果、エアーバッグの膨らみによって足の位置を動かすことで、ローラーが刺激するポイントを変えていく仕組みに改善しました」

■リアルプロのここがすごい!③
「タッチパネルで操作しやすいインターフェイス」

最新機種で大きく変更された個所はいくつもありますが、使用するにあたって特に目を引くのが、コントローラーに導入されたタッチパネルでしょう。この部分について、制御開発主務・山本浩平さんにお聞きしましょう。

▲制御開発主務・山本浩平氏

「以前のコントローラーはボタンの数も多く、お客様の多くは『自動コース』ばかりを選ぶようになっていました。『リアルプロ』は多彩な機能を搭載しているのにこれではもったいないということで、タッチパネルを導入してイラストから直感的に操作できるようにし、自分の好みの部位・コースを選んでもらいやすいようにしました。これにより、『リアルプロ』の本来の機能を十分に生かしていただけるようになったと思います」

▲視覚的にマッサージしてもらいたい部分を指でタッチするだけで、リアルプロが反応する

▲従来のリモコンでは使いこなせなかったインターフェイスの複雑さを改善した

■リアルプロのここがすごい!④
「プロのもみ技が凝縮されている」

さらに機能の充実とともに進化を重ねているのが、施術プログラミングのパターンです。パターン数は増え続けており、最新機種では何と164種類にも達しています。その内容について、山本さんは…。

「過去から各部位に適したモミ玉の動きのパターン開発を進めており、お尻のマッサージやストレッチなどの機能も加わって、手技の数が増えてきています。ただ各コースの所要時間は限られているので、全てを単純に盛り込めばいいというわけではありません。時間内にどれだけ無駄なく、的確に各ポイントをマッサージしていくかという点で改良に改良を重ね、開発を進めてきました。

▲ふくらはぎと足裏を同時にマッサージしてくれる

マッサージチェアが実際のマッサージ師さんと一番違う点は、複数の部位を同時にもめることです。ですが、全身を一度に刺激するわけにもいかないですし、足裏と背中など、刺激の強い部位が続くと使用感に影響が出ます。『リアルプロ』のプログラムは、そういった点も考慮して構成されていますので、より一層心地よさを味わっていただけると思います」

■リアルプロのここがすごい!⑤
「部屋のインテリアになじむデザイン」

「リアルプロ」の特徴は機能面だけではありません。「家具」としての見た目・デザインにも様々な工夫と改良が施されています。もう一度、ヘルシーアクア商品企画課課長・樺山雅樹さんにうかがいます。

「マッサージチェアは、主にリビングに置かれるものです。TVを見ながら、家族で会話をしながら、その真ん中に置かれることを想定して、いかにリビングにフィットさせるかを念頭に置いてデザインしています。

お客様の好みに応じて、リビングをダーク系でまとめられている方はブラック、ライト系の方はアイボリー、そしてリラックス空間にふさわしい落ち着いた色合いとしてルクソールベージュを新たに追加しました。お客様への調査でも、温かみがあってなじみやすいというお声をいただいています」

また、機能面とデザインも密接に関係しています。商品開発主務・西谷信行さんが注力した前述の「腕」部位の進化については、デザインにも変化を及ぼしているそうです。

▲腕だけでなく肩もしっかりと包み込まれる

「今回、特に強化した『腕』部位の機能のために、デザインチームにも企画段階から加わってもらいました。リクライニングしても腕をしっかりと固定するという目的を追求したことで、結果的にお客様の体全体を包み込むようなものにできたと思います」

■リアルプロのここがすごい!⑥
「長年培ってきた総合家電メーカーならではの技術力」

50周年を迎えたパナソニックのマッサージチェア。その歴史はどのように刻まれてきたのでしょうか。その過程を、樺山さんにご説明いただきます。

「50年前、1969年に登場した最初のマッサージチェアは、直角のイスの背もたれからむき出しのモミ玉が飛び出したような形のものでした。ある程度の年齢の方なら、銭湯などで見かけたことがあるかもしれません」

▲「マッサージ椅子 EP50」(1969年)

そこから改良を重ねてきたわけですが、第一の変革は1994年に登場した『アーバン』という機種でした。団塊世代が都市型マンションを購入していくという時代背景の中、その部屋に入れられるようにコンパクトなモデルを開発したのです。

▲マッサージチェア「モミモミ肩聖タタキロボット・アーバン EP760」(1999年)

次の変革が、2001年に初号機が登場した『リアルプロ』でした。この頃には日常でマッサージを受けられる機会が増え、お客様の健康やマッサージについての知識や体験も飛躍的に深くなっていきました。その中でマッサージチェアに求められたのは、『より本格的なマッサージを家庭で体験したい』という欲求です。ここからはとにかく『リアルプロ』を突き詰める方向で開発を重ねてきました。

▲「マッサージチェア EP-MA38M-T」(2017年)

その中でパナソニックは総合家電メーカーであるという強みを生かし、全社的に磨いてきた技術を複合的に導入してきました。特に産業ロボットなどのロボティクス技術は、リアルなもみ心地の追求に大きく貢献しています」

■リアルプロのここがすごい!⑦
「動画でわかるリアルプロの秘密」

今回、ヘルシーアクア商品企画課課長・樺山さんにうかがった話を動画でもご紹介。「リアルプロ」が、利用者に寄り添い、どう進化してきたのかをたどります。

*  *  *

利用者のニーズを満たし、満足度を高めるために様々な改良が施されている「リアルプロ」は、もはや「機械によるマッサージ」というイメージをガラリと覆すほどの体験を与えてくれます。「リアルプロ」が追求する「より人の手に近いもみ心地」を、ぜひ体感してみてください。

>> パナソニック「リアルプロ」

(取材・文/高崎計三 写真/江藤義典)

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