原点回帰!リバーアクティビティの楽しさを足元からサポートするTevaの真骨頂

ビーチサンダルよりも歩きやすく、フィット感の高いスポーツサンダルは、いまや春夏の足もとに欠かせないアイテム。その原点は、アメリカの若きリバーガイドが1984年に生み出したTeva(以下テバ)「オリジナル サンダル」にある。それは、ビーチサンダルにヒールストラップを取り付け、水辺でも脱げないように工夫したものだった。

その後、1987年にテバの象徴ともいえる“ユニバーサル ストラップ システム”を開発。以来、シューズ業界にスポーツサンダルという新たなカテゴリーが生まれ、アウトドア好きやバックパッカーの愛用品となった。さらに近年は、おしゃれアイテムとしても注目され多種多様なモデルが登場。テバもまたファッション性を高めたモデルを増やしてきたが、ここにきて原点回帰ともいえる本格派モデル「ユニバーサル トレイル」が新登場した。

その実力はいかほどのものなのか? 長年に渡りアウトドアアクティビティと関わっている「そとあそびナビゲーター」の林 創さんに試してもらいつつ、その特徴に迫った。

そとあそびナビゲーター/林 創さん

 

アウトドアメーカーを経て、国内最大級のアウトドア・レジャー専門の予約サイト「SOTOASOBI(そとあそび)」に入社。現在はそとあそびナビゲーターとして、海、山、川とフィールドを問わず、さまざまなアクティビティを体験しながらおすすめのガイド事業者を紹介している。

 

川遊びを楽しむサンダルの条件はストラップとソールにあり

スポーツサンダルとはいえ、ソールにストラップを取り付けた簡素な作りであることは変わらない。その少ない構成要素で、フィット感や歩きやすさ、グリップ力、そして耐久性を獲得するためには、ひとつひとつのパーツが精緻でなくてはならない。さらには、すべてのバランスが取れていることも重要となる。

世界で初めてスポーツサンダルを生み出したテバが、今もなおアウトドアシーンで愛用されている理由もまたそこにある。今回登場した「ユニバーサル トレイル」は、一見、既存の“テバサン”のように見えるが、各所をバージョンアップ。その名の通りアウトドアフィールドを“歩くため”に、そして創始者の意志を受け継ぎ川遊びを楽しむために作られたものなのだ。

■アウトドアフィールドで滑らないためのソール

「アウトドアにはさまざまなフィールドがあります。滑りにくい素材であることはもちろん、しっかりグリップするソールのパターン設計であることも重要だと思います。岩場や水辺で踏ん張ったときに滑ってしまうと、大きな事故につながりやすい。また歩いているときに、ゴロゴロした石の突き上げを感じると、歩が進まないので、地面を感じながらも足裏を守る硬さは必要です。加えてある程度のしなやかさがあると、シーカヤックなど足でボディを支える時にグッと踏ん張ることができるんです」(林さん)

「ユニバーサル トレイル」では、水辺や岩場、木の根など、どんな環境でも高いグリップ力を発揮して耐久性も高い、Vibram(以下ヴィブラム)社の“メガグリップアウトソール"を採用。中足部は従来の「オリジナル ユニバーサル」と同じパターンを用い、前足部と後足部には波柄のパターンを新採用。これにより、水辺のみならず山の岩場でも高いグリップ力が発揮される。また、ソールがしっかりしているので、河原などの石がごろごろした場所を歩いても突き上げが少ないのも魅力だ。

波型パターンに刻まれている数字は、テバのサンダルが誕生したグランドキャニオンと、現在のテバ本社があるカリフォルニア州サンタバーバラの緯度と軽度を表している。この細部へのこだわりからも、「ユニバーサル トレイル」が原点回帰を目指した製品であることがわかる。

■足をしっかりとホールドするストラップ

「滑りにくい素材とパターンだけではダメで、足と同化しているかのようなフィット感がプラスされることで相乗効果が生まれるんです。ストラップで足の甲を固定すれば、土踏まずが盛り上がったフットベッドと足裏がぴったりとフィットします。ソールとストラップとフットベッドの3点が適切に絡み合うことで、素足で過ごしているような快適さと機能性が生まれます」(林さん)

足指の付け根とヒールを面ファスナーでしっかりと固定させ、一本のストラップで連結するテバの“ユニバーサル ストラップ システム”。必要最小限のストラップで、最大のホールド力を生み出すこの設計は、レガシーともいえる発明だ。また、人間工学に基づいたフットベッドには細かい凹凸が刻まれており、足裏にしっかりフィット。滑りにくいだけでなく隙間が生まれにくいので、足裏にソールがくっついているかのような感覚が味わえる。

■快適な歩行をサポートするインナー素材

「通常のストラップのみのモデルと比べると、『ユニバーサル トレイル』は裏地に合成フォームが搭載されているのでストレスがまったくないです。プラスチックのパーツのところも痛くないし、ラフティングなどで足のスタンスがコロコロ変わっても優しく追従してくれて、ストラップで擦れる不快感がありません」(林さん)

通気性、速乾性、ストレッチ性、形態安定性に優れ、軽量で柔軟性のある合成フォームの“Ariaprene”。しかも低刺激で肌に優しいので、シューズや電子機器のケースのみならず、コンプレッションウェアに採用されることも多い。「第2の皮膚」と形容される“Ariaprene”は、その機能性と快適さにおいてアウトドアに最適な素材といえる。

■目的に応じて選べる2タイプ4モデル

豊富なカラーリングを揃え、ファッションアイテムとしてのスポーツサンダルを提案する一方で、原点回帰ともいるトレイル向けの新製品を発表したテバ。

実は、林さんに試してもらった「ユニバーサル トレイル」の他に、甲部分にストラップをプラスした「クロス ストラップ トレイル」というモデルも用意されている。テバの伝統とシンプルさを求める人には「ユニバーサル トレイル」、より足下をがっちりとホールドしたい人には「クロス ストラップ トレイル」というわけだ。この春夏注目の2タイプ4モデル、どれを選んでも間違いのない選択といえるだろう。

■見た目は既存のテバサンでも、よりアクティビティに◎

▲ユニバーサル トレイル ダークオリーブ(1万2100円/税込)

▲ユニバーサル トレイル ブラック(1万2100円/税込)

つま先とヒールの2ケ所を面ファスナーで調整する、テバ独自の“ユニバーサル ストラップ システム”を採用。ソールにはグリップ力が強くと耐久性も高いヴィブラム社の“メガグリップアウトソール”を使用する。また、ストラップの裏地には通気性、速乾性、耐久性にすぐれ肌にも優しい“Ariaprene”フォームを搭載。カラーはダークオリーブとブラックの2色展開

■よりフィット感を求めるならダブルストラップ仕様

 

▲クロス ストラップ トレイル ダークシャドー(1万2650円/税込)

▲クロス ストラップ トレイル ブラック(1万2650円/税込)

つま先とヒールに加え、甲部分にもストラップを追加しホールド性を向上させ、安定したトラクションを獲得したモデル。ソールとストラップの裏地には「ユニバーサル トレイル」同様、ヴィブラム社の“メガグリップアウトソール”と、通気性・速乾性・耐久性にすぐれ肌にも優しい“Ariaprene”フォームを搭載している。カラーは、ダークシャドウとブラックの2色展開

■今シーズンから主要モデルのストラップに再生素材を使用

2020年春夏シーズンより、テバの主要なサンダルで使われるストラップは、米国Unifi社の100%リサイクル素材“REPREVE”が使われている。廃棄されたプラスチックから作られる繊維は、地球環境に優しいだけでなく、耐久性や速乾性にも優れていて高品質なものとなっている。

>>テバ(デッカーズジャパン)

(取材・文/富山英三郎、写真/須田俊哉)

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