“カウコーヒー”って知っていますか? コーヒー好きでも「名前は聞いたことがある」ぐらいかもしれません。
有名じゃないんでしょ?と思っちゃいますよね。それは半分正解で半分間違い。カウコーヒーの歴史はわずか30年ほどで、産出量は少ない。しかも一般流通するのはそのうちほんの一部だけ。要するに超レアなんです。
でも知っている人は知っている。なぜなら評価されているから。世界的なコーヒーコンテストで何度も上位入賞しているので、コーヒーマニアには知られた存在です。
その味は、苦味が少なくフルーティ、そして甘みあり。酸味はほどほどでしっかりとしたコクがある。簡単に言ってしまうと、ブラックで飲んでも爽やかでほんのり甘くて苦くない。コーヒーが苦手という人も、コーヒーは好きだけど酸味は苦手という人でもおいしく飲める味なんです。
ではなぜそんなにレアなんでしょうか。
■ハワイ島の1地区で採れたモノのみが“カウコーヒー”
カウコーヒーはアメリカで唯一、コーヒーの商業生産をしているハワイで栽培されています。ハワイのコーヒーといえばハワイ島のコナコーヒーが有名ですが、カウコーヒーも同じくハワイ島で作られています。でも、このふたつのコーヒー、味わいは大きく異なります。それは土壌が違うから。
ハワイ島西岸にあるコナ地区は長くコーヒー生産を行っている場所ですが、乾燥気味で土壌も恵まれているとはいえません。一方、南東にあるカウ地区は、土に恵まれ適度に雨も降るコーヒー栽培に適した場所です。
実は元々、カウ地区ではサトウキビ栽培が行われていました。しかし衰退の一途。そこで注目したのが同じ島で行われているコーヒーでした。1980年代のことです。収穫したコーヒー豆はコナとは異なる味わいで、しかも予想以上のおいしさ。土と気候が違うことで、同じ島でもまったく違うコーヒーが生まれたんです。
ただし、カウ地区自体はさほど広くはありません。収穫量も当然少なくなってしまいます。だからこそ稀少なんです。
■甘みの理由は農法と製法にあり
コーヒーは植物です。野菜と同じです。だから栽培方法を変えるだけで味は大きく変わってきます。20年にわたりカウ地区でコーヒー農園を営んでいるジョン・アー・サンさんも、かなりこだわった栽培を行っています。
・クレイ(粘土)スプレーを使った害虫対策
・ピーナッツ科の植物を下草に使った水はけ対策
・養蜂場を備えたミツバチによる受粉
化学肥料に頼らず、自然の力を利用した農法でコーヒー栽培しています。
さらに収穫後にもこだわりが。それがコーヒーの精製方法です。
収穫した真っ赤なコーヒーチェリーから種を取り出す際に、あえて果肉部分が残る方法(セミウォッシュド製法)を採っています。通常の水洗式(ウォッシュド製法)より手間のかかる精製方法にしているのは、もちろん理由があります。果肉部分には自然の甘みや香りがあり、それを残して精製することで、独特の香りと甘みを感じられるコーヒー豆になるんです。
ジョンさんはこの手間を惜しまないことで、元々持つカウコーヒーの特性をより引き出しているんです。
■まさにレア中のレア
近年のコーヒー業界では“シングルオリジン”という言葉がよく聞かれるようになりました。これは「どの国」の「どの地区」の、さらに「どの農園」で採れたコーヒーかを明示したコーヒー豆という意味です。
同じ環境で、同じ栽培方法で、同じ人が作ったコーヒーだからこそ、その農園の持つ実力が100%反映されたまじりっけのないコーヒーになります。
さらにハワイ州では、コーヒーの品質を評価する厳しい基準があり、高いものから順に
・ピーベリー
・エクストラファンシー
・ファンシー
・ナンバーワン
となっていきます。
そう考えると、「ジョンさんの農場でとれたピーベリーのカウコーヒー」がどれだけレアなものかがわかるのではないでしょうか。
普通にコーヒーショップやこだわりにカフェに行っているだけではまずお目にかかれない超レアなコーヒー豆。しかも、自然農法で作られていて、香り高く飲みやすい。そんなコーヒー豆が、現在Makuakeにて期間限定で購入可能です。しかもエクストラファンシーとピーベリーがあり、自分で焙煎したいというコーヒーマニア向けに生豆でも購入できます。
コーヒー好きだけでなく、ハワイが大好きという人も一度飲んでみる価値あり。話のネタになるだけでなく、カウコーヒーを飲んだことを機にコーヒーに目覚めるかもしれませんよ。
>> カウコーヒー公式サイト
<文/円道秀和(&GP)>