提供:カルレイモン
日本製クラシック時計ブランドKARL-LEIMONに、新たな歴史が刻まれる。
2017年のブランド創設時には、ブランド1作目となる「クラシック パイオニア」がクラウドファンディングMakuakeにおいて「募集金額2,700万円超え達成」という華々しい記録を打ち立てた。これまでリリースした2作品で、「ムーンフェイズ」をブランド価値として根付かせ、その後に続くファッション時計市場のムーンフェイズ人気を巻き起こしている。
そして今回、カルレイモンから3作目となる「クラシック シンプリシティⅡ」がリリースされた。期待を裏切ることのない“究極のドレスウォッチ”について、スタイリストの宇田川さんにコーデのコツと、ブランド創設者の2人の話を交えながら詳報する。
■シンプルさの先にあった上品な佇まい
実際に身につけて感じる、「これだ」という確かな実感——。
クラシック時計ブランドのKARL-LEIMON(以下、カルレイモン)が世に問いかけるブランドコンセプト「Back to Classic(=クラシカルへの回帰)」。そこから導き出されたひとつの答えが、新作「クラシック シンプリシティーⅡ」だ。
“究極のドレスウォッチへの挑戦”を掲げた今作。特筆すべきは、シンプルでありながら物足りなさを一切感じさせることがなく、全体として落ち着きのあるクラシカルな雰囲気にまとめあげた完成度の高さである。
細部に目を凝らしてみると、そのこだわりが見えてくる。前作の「クラシック シンプリシティー」では、インデックスにアラビア数字とバーを並べていたが、今回はブランド初となるローマインデックスを採用。
立体感を持たせたローマインデックスを配したことで、シンプルなダイヤルに上品な佇まいを演出している。針をリーフ針としたことで、クラシカルな印象をより一層際立たせた。秒針のない2針であることも、オーセンティックなドレスウォッチの作法に則っているといえるだろう。
▼スタイリングのPOINT
「ダイヤルが白、ケースがシルバー、黒いベルトなので、基本的にネイビーのスーツを合わせています。ネクタイでケースのシルバーと色を合わせてあげるイメージ。さわやかで誠実な印象を、クラシック時計によって、より品のあるスタイルに仕上げました」(宇田川さん)
■目立たずとも揺るぎない存在感
ダイヤルはホワイトとブルーの2色展開となっており、マット加工が施されたホワイトダイヤルからは落ち着いた雰囲気が感じられる。ブルーダイヤルはサンレイ仕上げとすることで、光を放射状に柔らかく放ち、深みを増している。
カラー展開ごとで違う表面仕上げとするこだわりに、カルレイモンの「より良いものを作りたい」という強い意志が感じられる。そして、彼らの追い求めるクラシック時計では欠かすことのできない「ムーンフェイズ」が、ドレスウォッチとしての格式の高さを主張する。
クラシック時計では定番の機構でありながら、複雑さゆえに機械式では価格を跳ね上げる要因ともなるムーンフェイズ。日本の大学へ留学していたカル・レイモンの2人にとっても、数十万円もするそれは高嶺の花だった。
「買えないのならば、自分たちで作ればいい」という発想と飽くなき挑戦が、3万円代で手に入れることのできるムーンフェイズ時計を生み出すことになった。彼らが採用したのは、日本が世界に誇る技術の結晶ともいうべきクォーツムーブメント。長野県にある製造工場と築き上げた関係性によって、カルレイモンのムーンフェイズは完成した。
ムーンフェイズをさりげなく際立たせているのが、ローマインデックスの内にスーッと円を描いて引かれたラインである。実はこのラインの内側はコンマ数ミリという段差を設けている。このわずかな段差というアイデアで、アイコンとなるムーンフェイズの存在感が引き立つから不思議である。
反射防止コーティングが施された透明感の高いサファイアガラス、ステンレススチールを用いたベゼルとケースは一体化せずに組み立て式とすることでクラシックなスタイルを貫いた。高級時計で採用される、本革ベルトへのダメージを軽減するDバックルを今作でも取り入れており、あらゆる面で隙がない作りとなっている。
「クラシック シンプリシティーⅡ」は、フォーマルな場においても着け心地のいい“究極のドレスウォッチ”として、揺るぎない存在感を発揮してくれるのである。
▼スタイリングのPOINT
「ニットに伸縮性のあるジャケットを合わせて、ややカジュアルな今のトレンドに寄ったスタイリングにしました。高機能なジャケットでも、ニットなどのクラシックな雰囲気のあるアイテムを合わせることで、カルレイモンの持つクラシックな雰囲気にもマッチします」(宇田川さん)
■ムーンフェイズを楽しめるドレスウォッチ
「Back to Classic」を新作ごとに追求するカルレイモン創業者のふたりにとって、「クラシック シンプリシティーⅡ」を世に出すことは必然だったのかもしれない。前作から約1年の時を経てリリースされた今作にも、その思いは溢れていた。
「ドレスウォッチに求められるのは、目立たずとも存在感のある佇まいです。『クラシック シンプリシティーⅡ』では、その雰囲気を十分に出すことができたと思います。ただ、シンプルさを追求する難しさもありました」(カルレイモン)
前作「クラシック シンプリシティー」では、シンプルになりすぎない“魅せるギミック”を盛り込むことに苦心した。今回彼らが直面したのは、前作とは打って変わって、ギリギリまで要素を削ぎ落としながらもミニマルにならないようにすることだった。
「シンプルであることとミニマルでは、意味が違います。私たちはファッションウォッチがミニマルデザインへの傾向を強めているなかで、もう一度クラシックの良さを捉え直したいと考えています。『クラシック シンプリシティーⅡ』では、ドレスウォッチのシンプルさの中に、クラシック時計の代名詞ともいえるムーンフェイズの存在感を出したかったのです」(カルレイモン)
その狙いを形にするために、デザインはギリギリまで追い込んだ。ダイヤルの外周に並ぶ秒のメモリも何パターンも組み合わせるなど、気がつけばサンプルの数も増えていった。そうして出来上がった作品には、自信もある。
「クラシックな雰囲気を出しつつ、シンプルな印象があるので、フォーマルはもちろんカジュアルなシーンでも使えます。クラシック時計好きな方にも満足いただけるディテールですし、これまでクラシック時計を着けたことのない人にも、抵抗感なく使ってもらえるモデルだと思います」(カルレイモン)
▼スタイリングのPOINT
「ダイヤルがブルーのモデルはカジュアルな印象もあるので、デニムシャツの青をアクセントとしながら、ウールのジャケットを合わせました。ファッションにおいては、少ない数の色で収めたほうが統一感が高まるので、小物を青や黒にすることでより統一感が出て気品につながります」(宇田川さん)
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またも名作の予感がする“究極のドレスウォッチへの挑戦”を形にした「クラシック シンプリシティーⅡ」。細部に至るまで、カルレイモンのDNAが刻み込まれたドレスウォッチは、フォーマルからカジュアルまで幅広く活躍してくれるはずだ。所有欲を満たす1本との出会いをぜひ楽しんでもらいたい。
(取材・文/頓所直人、写真/江藤義典、スタイリスト/宇田川雄一)