世界の眠りを変えて30周年!自分に合うテンピュール枕の選び方

より快適に、より健康的に。我々の睡眠を心地良いものにする寝具を提供しているテンピュール。就寝姿勢になったとき、体に圧力を感じさせない優れた素材には、1960年代からのNASAの宇宙開発技術が関わっている。世界の人々に安らかで、より深い眠りを約束してくれるブランドと製品の誕生から30年。その軌跡を辿っていこう。

■30周年を迎えたテンピュール

国際航空連盟が定める“宇宙”の高度は地上から100km、国際宇宙ステーション(ISS)の地球周回軌道は上空約400km…。宇宙は意外と近い。

しかし、例えばスペースシャトルでISSの周回軌道に到達するには地球の重力(G)を振り切るために、莫大な推力を持ったエンジンで、ゼロから最大2万8968km/h(秒速約8km)までの加速が必要だ。発射時、そして帰還時も乗船した宇宙飛行士には大きなGがかかる。

1960年代後半、月面着陸を目指したNASAの科学者や技術者は、宇宙飛行士にかかるGを緩和するための素材開発の必要性を迫られた。そして、高いエネルギー吸収性と体に圧力がかからない特性を併せ持った素材が考案された。

加えた圧力が取り除かれると元の形状に戻る、NASAが独自開発したこの素材は当初「スロースプリングバックフォーム」と呼ばれていた。そして'70年代初めに、このユニークな特性を持った素材の知識は北欧出身のテンピュール創立者たちの下にまで伝わってきたのだった。

彼らはNASAが開発したこの素材を使用することで、理想的なサポート力と心地良さを併せ持つヘルスケアや医療用クッションを作れることに気がつき、輸入・販売を行うことを始めたのだった。実際に多くの医療・ヘルスケア製品が現場に届けられ、多くの人々の役に立ったのである。

その後、テンピュールの研究者たちは、この素材が理想的な寝具の部材に応用できる可能性があると考え、自社でオリジナル素材へと改良する研究に着手。そして2年間、素材が肩や背中、腰、そして各関節にかかる圧力を軽減できるか徹底した臨床試験を繰り返し、'90年にテンピュール素材の開発に成功したのだった。

しかし、さらなる性能の追求は続いた。そして'91年、高いエネルギー吸収性と体圧を軽減する特性を併せ持った粘弾性素材、テンピュールを使用した世界初の低反発マットレスとピローを世界に送り出したのである。

■睡眠改善は科学的にも証明されている

その後も就寝時の心地良さと医療・ヘルスケアから寝具への応用へサポートバランスの良さ等、改良のたゆまぬ追求を続けている。

そしてテンピュールのピローとマットレスを80名のリウマチ患者に2~3週間使用し睡眠調査を実施したところ、一部の患者から「寝つきが良くなった」「スリープエルゴノミクスが改善された」「骨格筋疾患の症状が改善された」などの、睡眠の質が向上したという報告も得られているという。

そして'91年に売り出され、テンピュールの名を世界に知らしめた独特の形状のオリジナルネックピローが30年に渡りベストセラーを続けているのは、当初から素材やデザインの技術が、いかに優れたものだったかを物語っている。一般的に低反発と呼ばれる素材の動きの伝達率は最大で20%だが、テンピュール素材は、同社の研究所で試験を行ったところ3%以下。そして頭ではなく、首をしっかり支え安定させるデザインが融合して、快適な睡眠環境を生み出しているのである。

■知られざるテンピュール4つのストーリー

宇宙開発研究が本格的に始まったのは1950年代。'58年にアメリカでNASAが設立されると技術開発が一気に加速。そのために開発された画期的なイノベーションは、地球上の生活にも変化をもたらした。テンピュールもその中で誕生したひとつだ。

1.名前は、温度=Temperatureに敏感な素材特性に由来

TEMPURは、温度=Temperatureに由来している。体温や体重、体型に敏感で液体と固体の中間状態で存在する数十億個の超高感度オープンセルで構成されたウレタン(urethane)で、Temperature+urethaneからの造語なのだ。

2.宇宙飛行士を守る技術から生み出された低反発素材

テンピュール素材の原型は、ロケット発射時および、帰還時に宇宙飛行士に襲いかかる、4Gとも5G(体重の4~5倍)とも言われる、猛烈な重力加速度の緩和と座席を快適にするために、NASAのエームズ研究センターで開発された。当初この技術を使った素材の生産は小規模だったため、医療向けなど限られた特殊用途のみに使用されていた。しかし当時のテンピュールの科学者と技術者が寝具の使用に適し、大量生産が可能な方法を開発。1991年に世界初の低反発性素材を使ったピローとマットレスとして発売を始めた。

3.NASAで開発された素材を独自の研究と技術で進化させた

NASAが独自の研究で開発した「スロースプリングバックフォーム」と呼ばれる素材は、医療やヘルスケア目的で機能性クッションに使用するには適したものだった。それをさらに進化させ、寝具に適した独自の性能を持たせたのが、現在のテンピュール製品で使用されている部材だ。完成までには何年もの臨床研究と科学的分析が繰り返されてきた。

テンピュールは、NASA承認。米国宇宙財団よリ「認定技術」ロゴの使用を許可された唯一のマットレス・ピローブランドだ。

4.他社では製造できない世界で唯一無二の独自素材

NASAが開発した素材を独自に進化させ、アメリカの宇宙技術の殿堂「SpaceTechnology Hall of Fame」入りしている唯一の寝具素材。これは宇宙技術を応用し、生活の質の向上を目指した優れた取り組みに対して与えられる栄誉で、その製法は同社社員の中でも10名に満たない科学者しか知らず、世界に3カ所ある同社工場で厳重な管理下で製造されている唯一無二の素材だからだ。

■大阪ショールームで聞いた自分に合うTEMPUR枕の選び方

睡眠は誰にとっても必要不可欠。快適に眠ることで、脳と肉体を休ませてリフレッシュし、新たな活動意欲が得られるのだから。特にピローは睡眠の質を大きく左右する要素。テンピュール枕選びのコツを聞いた。

テンピュール・シーリー・ジャパン
犾守直子さん
マーケティング&ダイレクト営業部トレーナー。 睡眠健康指導士上級の資格も持つ、睡眠と寝具のエキスパート

 

 

■寝具選びは普段の寝姿勢で体感する

寝具は毎日、そして長く使うもの。それだけに、良質な睡眠を得るためには選ぶときに慎重にならなければいけない。

「特に枕は睡眠の質に大きく関わってきます」と話すのは、テンピュールの犾守直子さん。

「ご相談いただいた場合、まずお客様が普段、どんな姿勢で寝ていらっしゃるのかをお伺いいたします」

楽な寝姿勢は人によって違う。仰向け寝やうつぶせ寝、横向き寝など、テンピュールでは姿勢によっても最適な枕のタイプが用意されているのだ。

「それから枕は形と高さが重要になってきます。特に高さがお客様の寝姿勢や体型に合わないと、首から肩、そして腰にも負担をかけてしまいます。当社のショールームでは、実際にマットレスの上に寝ていただいて、枕をお選びいただけます」

その際に大切なのは、“普段の姿勢で寝る”こと。それで楽に感じれば快適な睡眠が取れる。

「男性のお客様に多いのですが、高い枕が好きなどお好みだけで選ばれることがあります。ところが話を伺うと、起きると首や肩が張っている、腰に重さを感じるなどと言う方がいます。体型に合っていない高さの枕であることがあるのです」

自らの好みや思い込みが、実は快眠を妨げていることもある。その問題を解消するために、テンピュールの枕はひとつのシリーズの中に、数種類の高さが用意されている。

「それからみなさん、枕というと頭を乗せるものと考えがちですが、実は首のカーブをサポートするものなのです」

首は成人で5~6kgになる頭部の重さを支えている。朝起きたときに首や肩が重く感じたり、張りや痛みを感じたりする人は、首がサポートされていない枕を使っている可能性があるのだ。

テンピュールの枕は、独自の形状と素材で、一人ひとりの首や肩の形に沿って体圧を軽減し、首をサポートして最高の睡眠の質を約束してくれる。一度その寝心地を経験すると、ほかの枕には代えられないほどだ。

■30年間高い評価を受け続けるベストセラー

TEMPUR
「オリジナル ネックピロー」(1万1000円~)

テンピュール素材を使ったその独特の形状は、スウェーデン人の優れたカイロプラクターの協力を得て開発され、今でもイノベーションを続ける。

■枕の両サイドに厚みを持たせ首筋が安定

TEMPUR
「ミレニアムネックピロー」(1万7600円~)

仰向け時のフィット感を高めると同時に、横寝の移動がスムーズに行える形状に作られている。首筋の安定性が優れていて、どんな寝姿勢でもベストポジションが取れる。

■一般的に馴染みのある枕形状の万能タイプ

TEMPUR
「コンフォートピローオリジナル」(1万7600円)

テンピュール素材をチップ状にカットしたものを内包し、好みの形に整えて使用できる。柔らかくて万能な寝心地のよさを感じさせてくれる。

■上質な眠りを支えるTEMPUR寝具ラインナップ

宇宙開発技術の応用で誕生したテンピュール素材。その上に初めて横になったとき、誰もが自分の体が重力から解放されたような感覚に驚くはず。これこそが、テンピュールが快適で良質な睡眠を約束してくれる最大の要因であり、顧客から高い満足度を獲得している理由でもある。

しかしテンピュールは、それに満足して歩みを止めているわけではない。誕生から30年経った今でも、弛まぬ研究と開発を継続し、快眠のための新たな製品を送り出している。

それはマットレスやピローに留まらず、ベッドフレームまで含めた製品や寝ることができるソファ、床や畳の上に直接敷くことのできるフトンなど多岐に渡っている。

トータルで良質な睡眠をサポートする製品の数々の一部を紹介していこう。

【Pillow/ピロー】

■年間を通して、快適な眠りを実現できる

TEMPUR
「オリジナルピロー スマートクール テクノロジー」(1万9800円〜)

横幅の長い、ゆったりサイズのオリジナルネックピロー。接触冷感機能で心地よい感触が得られるので、これからの季節もワンランク上の眠りを提供してくれる。

■ホテル仕様のゆったりサイズで 首から頭部を包み込む

TEMPUR
「コンフォートピロー スマートクール テクノロジー」(2万3100円)

チップ状にカットしたテンピュール素材を詰め、特別な機能糸を使用することで自然に熱を逃がし肌触りもグレー ドアップしたカバーを採用。快適な睡眠を約束してくれる。

■どんな寝姿勢でもしっかり サポートして快眠できる

TEMPUR
「ワン バイ テンピュール サポートピロー」(価格未定)

滑らかな傾斜と曲線形状で心地良いサポートが得られるエントリーモデル。好みに応じて高さも選べ、あらゆる寝姿勢の人が快適に使うことができる。カバーは洗濯できるので、清潔に保てる。

【Mattress/マットレス】

■すべての原点。テンピュールならではの特徴を感じられる

TEMPUR
「オリジナル エリート 25」(24万2000円〜)

高耐久性ベースを2層に分けることで優れた体圧分散性を発揮して、体に沿うような快適でサポート力のある寝心地を発揮してくれる。テンピュールの原点とも言うべきマットレス。

カバーの上部をファスナーで取り外して洗濯できるので、清潔に保つことができる。

【Bed/電動リクライニングベッド】

■マットレス形状の変化で常識を超えた無重力感

TEMPUR
「ゼロジー エレベート ケーディー」(23万6500円〜)

付属のリモコンでベッドフレームが可動し、マットレスの角度が変えられる電動リクライニングベッドで、より無重力感を感じながら眠れる。入眠を促すバイブレーション機能やポジションメモリー機能もある。

ヘッド側面の左右2カ所にUSBジャックを搭載。スマホやタブレットなども使える。

【Sleeper Sofa/スリーパーソファ】

■昼間はソファ、夜は快適なベッドに変形する

TEMPUR
「オストゥーニ 3シーター」(28万6000円)

ピノ・パッテラとコラボレーション。表面に4cmのテンピュール素材を使用し、背もたれとひじ掛けの調整で、ソファとしても、本気で眠れるベッドとしても使える無限の可能性を秘めた製品。

【Futon/フトン】

■シンプルな作りで、 テンピュールを実感する

TEMPUR
「フトン シンプル」(5万2800円)

床や畳の上に敷いて、テンピュールの心地良さを体感できる、日本の住宅事情にもマッチするマットレス。厚さは6cmだが、十分に体型に沿って体圧をサポートし、安眠を約束してくれる。

すっきりと三つ折り+収納。素材が3分割され、折りたためるデザインなので、押し入れや隙間に収納できる。

>>テンピュール

<取材・文/松尾直俊 撮影/湯浅立志(Y2)>

この記事のタイトルとURLをコピーする