安穏とした日常を抜け出し、常にチャレンジすることこそ過酷な現代を生き抜くカギなのかもしれない。そんなスピリットを腕元に宿すマスターピースであり、生誕80周年を迎える冒険家・植村直己氏も愛用したダイバーズウオッチ「1970メカニカルダイバーズ」が装いも新たに甦る。50年以上にわたり進化を続けてきた、ひとつの“到達点”を刮目してほしい。
■植村氏の冒険心、そしてセイコーが誇る技術を集約した新作ダイバー
時代を超えて愛され続ける時計がある。大きめの流線型ケース、4時位置のりゅうず、存在感あるベゼルを持った「1970メカニカルダイバーズ」こと通称〝植村ダイバー”だ。
この植村とは、日本人で初めてエベレスト登頂に成功し、他にも犬ぞりで北極圏12000kmを走破、78年には北極点到達や、グリーンランド3000km縦断と世界のあらゆる極地へ挑み続けた冒険家・植村直己氏に端を発する。歴代4人目となる国民栄誉賞を受賞するなど、その功績と偉業は数え切れないが、彼の相棒だったのがセイコーのダイバーズウオッチだ。
今回、植村氏が北極圏犬ぞり単独行に携行していた「1970メカニカルダイバーズ」が現代的なハイスペックキャリバーを積み、デザインも再解釈され登場する。
実際、手に取るとタフさや重厚感に反して装着感は軽快。数量限定モデルにのみ付属する強化シリコン製ストラップは、つけ心地も快適だった。何よりケースの磨き上げが美しく、側面を鏡面で縁取った箇所に5列のブレスレットを組み合わせたことでモダンな雰囲気が漂う。たしかな歴史と植村氏の冒険心、そしてセイコーが誇る技術の粋が結集した新たなタイムピースの誕生である。
植村直己|1941年、兵庫県に生まれた植村氏は日本を代表する冒険家・登山家。エベレストだけでなく世界中の山々や極地を旅し、人間の可能性に挑み続けた。74~76年に、北極圏を犬ぞりで単独走破した際には、「1970メカニカルダイバーズ」を着用。同モデルはこのエピソードから“植村ダイバー”と呼ばれ、数多くのファンに支持されている。写真提供/文藝春秋
植村直己氏、偉業の数々
●1970年:日本人初エベレスト登頂世界初五大陸最高峰登頂達成
●1974〜76年:北極圏12000kmを犬ぞりで走破
●1978年:世界初北極点単独犬ぞり到達。グリーンランド3000km縦断
●1984年:世界初厳冬期のマッキンリー単独登頂国民栄誉賞を受賞
■五大陸の最高峰から望んだ空のブルーをイメージ
セイコー プロスペックス
「ダイバースキューバ 1970 メカニカルダイバーズ 現代デザイン
植村直己生誕80周年記念限定モデル SBDX045」
(35万2000円)
ユニークなフォルムと冒険家・植村直己氏が携行したことで人気の「1970メカニカルダイバーズ」が、雫石高級時計工房製のキャリバー「8L35」を搭載するなど、現代の上位モデルにふさわしい仕様として登場。自動巻き。ケース径44.0mm、SSケース、空気潜水用防水200m、世界限定1200本、セイコーウオッチサロン専用モデル(7月上旬発売予定)。
■オリジナルのダイヤルカラーを表現したレギュラーモデル
セイコー プロスペックス
「ダイバースキューバ 1970 メカニカルダイバーズ 現代デザイン SBDX047」
(33万円)
数量限定モデルと同じく、キャリバー8L35搭載のレギュラーモデルも登場する。インデックスバーや針と、そこに塗布されるルミブライトなどは同様で、ダイヤルに引き締まったチャコールグレーのカラーを配し、どんなシーンにも映える汎用性の高い一本だ。自動巻き。ケース径44.0mm、SSケース、空気潜水用防水200m、セイコーグローバルブランドコアショップ専用モデル(7月上旬発売予定)。
▼雫石高級時計工房のキャリバー8L35採用
今回の現代デザインが従来のモデルと違う特筆すべき点は、セイコーの誇る雫石高級時計工房で組み上げられる「キャリバー8L35」を採用していること。高度な精密加工技術と最高峰の職人技が生かされ、日差+15秒~-10秒、最大巻上時約50時間持続という高い機能性と精度を実現している。
>> オンラインストア
>> セイコー プロスペックス公式LINEアカウント
(取材・文/三宅隆<&GP> 写真/江藤義典)