外出自粛生活が続く中、自宅でDIYをする人が増えています。一方、レジャーとしては密を避けた自然の中で楽しむキャンプが人気。
DIYもキャンプもそれぞれ違った楽しみがありますが、共通しているのはお仕着せのモノやコトではなく、自分の考えで、自分なりの価値を生み出すということ。その創造性がハマる要因ではないでしょうか。そんな共通項があるためか、最近は手作りギアでキャンプを楽しんでいる人も多いんです。
DIYでモノを作るということは、その工程自体がアクティビティであると同時に、自分の手でひとつのモノを完成させることに達成感や満足感も得られます。自作した道具には愛着もわきますし、キャンプも一層楽しくなるに違いありません。
そこで今回は、DIYを始めるとき最初に揃えたい基本的な電動工具を使って、初心者でも簡単に作れるアウトドアテーブルの製作に挑戦!
キャンプはもちろん庭やベランダなど、さまざまなシーンで使えて見た目もおしゃれ。初めてのDIYにぴったりの作品です。
■アウトドアテーブル作りに必要な道具は?
アウトドアテーブルを作るにあたり、欠かせないのが電動工具。特に、切る・削る・穴を開ける・ネジを締める工具は、作業効率を大幅にアップさせるのでマストです。手動工具でできないことはありませんが、完成前にDIYが嫌いになるぐらい終わりません。
今回、使用する電動工具は次の5点。EARTH MANの「S-Link」シリーズは、いずれも充電式バッテリーを採用したコードレスタイプなので取り回しやすく、初めてでも使いやすいのが特徴です。
材料をカットするための丸ノコ「S-Link 14.4V充電式丸のこ」。ビス(木工用のネジ)で材料をつなぐためのインパクトドライバー「S-Link 14.4V充電式インパクトドライバー」。先端にドリルを付ければ穴あけにも使える優れものです。
それから、材料を削ったり、磨いたりするためのサンダー「S-Link 14.4V充電式コーナーサンダー」、曲線カットができるジグソー「S-Link 14.4V充電式オービタルジグソー」。木くずなどを吹き飛ばすのに便利なブロワ「S-Link 14.4V充電式ブロワ」です。
今回作るアウトドアテーブルは、天板のサイズ600×890㎜、高さは約400㎜。ゆったりくつろげるロースタイルの1~3人用テーブル。材料は、木材のほか、木工用ビスとボルト&ナットだけで作れる簡単仕様です。
SPF材 1×3(19×63×1820㎜)3本
SPF材 1×4(19×89×1820㎜)4本
木工用ビス(51㎜)適宜
ボルト(M8 55㎜)4本
ナット(M8)4個
ワッシャー(M8)8枚
SPFとは、スプルース(トウヒ)、パイン(マツ)、ファー(モミ)の略称で、ホームセンターで手に入るDIYで最もメジャーな木材です。
■基本は材料を切って、つなぐだけ。サイズのアレンジも可能
シンプルなアウトドアテーブルだけに工程も簡単。本体の枠と脚にはSPF 1×3、天板にはSPF 1×4を使い、基本的には丸ノコで必要な寸法に切った材料をビスでつなげるだけで作れるので、初めてのDIYにもぴったりです。
今回は持ち運びや収納がしやすいように、脚はボルトによる可動式にして、本体の枠の中に収められるようにしました。使う人数やキャンプスタイルに合わせて、脚の長さや天板の大きさを使いやすいサイズにアレンジしたり、脚を固定したりしてもいいです。
それでは製作工程を追っていきます。
1.丸ノコで材料を必要な長さにカット
各材料に以下の寸法を記し、それぞれ丸ノコで切り出します。このとき丸ノコの刃が出過ぎていると余計な負荷がかかって危険なので、カットする材料の厚みより2~3㎜出るくらいに刃の切り込み深さを調整します。
カットするときは、親指でロックボタンを押しながら人差し指でトリガーを握ると刃が回転するので、線に沿ってゆっくり切り進めましょう。
天板:SPF1×4 600㎜ 10枚
本体の枠(短辺):SPF1×4 502㎜ 2本
本体の枠(長辺):SPF1×3 890㎜ 2本
脚:SPF1×3 405㎜ 4本
脚の横木:SPF1×3 464㎜ 2本
2.脚の先端をジグソーで丸くカット
1で切り出した2本の脚の両端に缶などを当てて半円を描き、その線に沿ってジグソーでカットします。これは脚を折りたたんだときに天板に引っかからないようにするための加工です。脚の先端を丸めることで接地面も安定します。
カットするときは線の1~2㎜外側を切るようにしましょう。あとで削って整えます。こうした曲線切りは丸ノコではできないので、ジグソーが活躍します。
3.切断面をサンダーで整える
ジグソーでカットした脚の先端にサンダーをかけ、缶を当てて描いた線にそって切り口を整えます。片方の手で材料が動かないようにしっかりと押さえ、少し力を入れてサンダーを押し付けるとよく削れます。
4.脚にボルトを通す穴を開ける
インパクトドライバーにφ8㎜のドリルを装着し、脚の一方の端から30㎜のところにボルトを通すための穴を開けます。
併せて本体の枠(長辺)の両端から63㎜の位置にも穴をあけます。材料の下に適当な板を敷いて、材料が浮かないように押さえつけた状態で一気に貫通させるとバリが出にくいです。
5.ブロワで木くずをきれいにする
穴あけで出た木くずはブロワでひと吹きするときれいになります。このとき素手で木くずを払うと、木のささくれでケガをしやすいので注意。ブロワは作業後の掃除でも大活躍してくれます。
6.ビスを打つ場所に下穴を開ける
材料に直接ビスを打つと割れてしまうことがあるため、インパクトドライバーに下穴ドリルを付けて、ビスを打つ位置にあらかじめ下穴を開けておきます。
穴を開ける際は、見栄えも考え、ビスが等間隔になるよう穴を開ける場所をあらかじめマーキングをしておきましょう。
7.材料をビスで固定し、本体の枠を作る
枠の長辺と短辺を突き合わせて各コーナーを2本のビスで固定し、長方形の枠を作ります。併せて、脚の接地面から80㎜の位置に脚の横木をビスで固定し2本の脚をつなげておきます。
8.本体の枠に脚を取り付ける
本体の枠と脚をボルトとナットで固定します。ボルトには両側からワッシャーをかましておきます。ボルトの頭をレンチで押さえ、インパクトドライバーにソケットを付けてナットを締め込みます。あまり強く締め過ぎると脚が稼働しにくくなるので注意しましょう。
9.ビスで天板を固定していく
本体の枠に天板を固定していきます。ビスは天板に少しめり込むくらいの強さで1枚の板につき、左右に2カ所ずつ打っていきます。
天板は、木目の美しさと手触りがいいように、表(樹皮に近い方)を上に向けるといいです。
10.完成!
アウトドアにぴったりなウッディなローテーブルが完成!
材料は無垢の木なので使い込むとあめ色に変色し、傷や汚れも味わいになります。今回は無塗装で仕上げましたが、好みに合わせて塗装するのもありです。
脚を折りたたんで本体の枠に収めれば、フラットな状態になって持ち運びや収納が楽にできます。
■今回使用したビギナーにも扱いやすい電動工具
アウトドアテーブルの製作で使用したアイテムを個別に紹介していきます。いずれも14.4Vのリチウムイオンバッテリー式で、電源コードがないため取り回しがよく、DIYビギナーに扱いやすいモデルです。
すべての機種で同じバッテリーを使い回せるのも魅力。経済的で作業効率もグッとアップします。この5つの工具があれば、イスや棚、ウッドデッキ、部屋のリフォームなど大抵のDIYはできますよ。
■補助グリップ付きで握りやすくカットしやすい
EARTH MAN「S-Link 14.4V充電式丸のこ」
6028円(バッテリーパック・充電器別売)
ツーバイ材や合板の切断に適したDIY向けの小型モデル。軽量で取り回ししやすいので作業時の疲労も軽減されます。切り込み深さはDIYで最もメジャーな2×4材がぴったり切れる39㎜。両手でしっかり握れる補助グリップがあるので安定した切断が可能。ロックボタンを押さないと刃が回転しない仕組みで安全性も高めています。のこ刃外径:110mm、最大切り込み深さ:約39mm、重量:約1.4kg
■ネジ締めも穴あけもできるDIYの必需品
EARTH MAN「S-Link 14.4V充電式インパクトドライバー」
1万780円
打撃を加えながらネジやボルトを力強く締め付けます。回転方向を切り替えることで締め付けたネジを緩めることも。ドリルを付ければ木材や樹脂の穴あけも可能。トリガーを握ると自動でLEDライトが点灯し、暗い場所でも手元を明るく照らしてくれます。充電器とバッテリーパック2個付き。打撃数:約0~3300回/分、最大トルク:約110N・m、重量:約1.18kg(バッテリーパック含む)
■曲線をカットでき完成品をワンランクップさせる
EARTH MAN「S-Link 14.4V充電式オービタルジグソー」
6028円(バッテリーパック・充電器別売)
上下するブレードで木材や樹脂、軟鉄板などを容易に切断。ブレードに前後運動を加えるオービタル機構により、材料への刃の食い込みをよくし、よりスピーディで効率的な切断を可能にしました。45度までの傾斜切りにも対応しています。ブレードの交換は固定レバーを上げるだけで簡単にできるワンタッチ式。ストローク数:約0~2200min-1、ストローク幅:約18㎜、重量:約1.3㎏
■木材の表面を整え滑らかに仕上げる
EARTH MAN「S-Link 14.4V充電式コーナーサンダー」
3828円(バッテリーパック・充電器別売)
底部にサンディングペーパーを取り付けて、小刻みに振動させることで木材の表面を研磨します。底部は先端が細くなっており、コーナー部分や狭いところのサンディングにも対応。サンディングペーパーは面ファスナー素材で簡単に取り付けできます。吸じん機能+ダストバックでクリーンな作業を実現。無負荷回転数:約9000min-1、ストローク数:約1万8000min-1、重量:約0.8㎏
■木くず・ホコリを飛ばし作業場を安全・清潔に保つ
EARTH MAN「S-Link 14.4V充電式ブロワ」
6028円(バッテリーパック・充電器別売)
作業で出る木くずや細かいゴミをサッと吹き飛ばして、現場をいつもクリーンに保ちます。風量はハンドルのダイヤルで調整可能。ノズルをボディ側面に装着し、付属のダストバッグを取り付ければ、木くずやほこりの吸い込みもできる1台2役。風量:~約1.7m3/min(最大)、風圧:~約3.0kPa(最大)、重量:約1.1㎏(ノズル含む)
■複数持ちたいS-Linkシリーズ共通バッテリー
EARTH MAN「S-Link 14.4V専用バッテリーパック<USB出力付>」
4378円
今回紹介したすべての機種に共通で使える14.4Vのバッテリーパックです。USB出力付きで、スマートフォンやタブレット端末の充電も可能。USB機器の電源としても使用できます。チェッカーボタンを押すと充電残量を3段階のランプで点灯。継ぎ足し充電にも対応しています。容量:1.5Ah、充電時間:約70分、重量:336g
※記載の価格は、希望小売価格です
<取材・文/和田義弥、写真/阪口克、スタイリング/宇田川雄一>
<モデル/東谷篤門、野村日香理、春山紬月>
<動画/岡村昌宏(CROSSOVER)>