テレワークもすっかり定着した現在、自宅の仕事環境を整えたいという人も多いハズ。長時間のデスクワークはもちろん、趣味にも没頭できる『マイチェア』にはこだわりたいところ。最近では「ゲーミングチェア」が流行っているし、長時間座るために作られているから、機能面が充実した商品も多い。となると、試してみたいけど、実際のところどうなの?と気になっている人も多いと思う。
だけど、ゲーミングチェアというと気になるのがデザイン。あまり派手だと部屋でも浮いてしまいそうだし、すっきりキレイなゲーミングチェアってないの?と思っていたらイケアにあったんです。
イケアといえばスウェーデン発祥のホームファニッシングカンパニーとして、世界的なブランド。日本では2006年に1号店が船橋にオープン、現在では国内に12店舗を展開するほか、オンラインストアによる通販にも対応している。そんなイケアの魅力といえば、シンプルで飽きのこないデザイン、使いやすさと優れた機能性、そして手頃な価格も美点だ。
そこでゲーミングチェアを軸にした、快適で楽しい趣味&仕事部屋作りに挑戦してみたいのだけど、部屋のコーディネートって想像以上に難しいのも事実。そこで、インテリアスタイリストの窪川勝哉さんにチェアから広がる部屋作りを実践して頂きつつ、テーマ別のコツを聞いてみた。
■照明で演出するクールで重厚な“ゲーミング&仕事部屋”
選んだチェアは「GRUPPSPEL/グルッスペル」。イケアが手掛けるゲーミングチェアのハイエンドモデルで、グラン・ブラック、グンナレド ベージュ、グレナンド ブラック/グレーの3色をラインナップする。中でもグラン・ブラックは手触りが良く、耐久性の高いレザーを使用しているのが特徴だ。
「全体はチェアに合せてダークなトーンで統一していますが、ライティングを足したことが一番のポイントです。ゲーミングPCは本体が光りますから、デスク周りにも照明を配置することで、光をコーディネートしています。LEDテープライトはサイズやカラーの調整も楽しめます」と、窪川さんはコンセプトを語る。
インテリアスタイリスト|窪川勝哉さん
広告や雑誌のスタイリングからモデルルームのコーディネイトやウインドウディスプレイも手がけるインテリアスタイリスト。ファニチャーのみならず、家電やステーショナリーまで、幅広い知識を持っている。
組み合わせたデスクもかなり技アリな選択だ。重厚な佇まいの「UPPSPEL/ウップスペル」は脚部分に電動昇降機能を備えておりテーブルトップの高さを72~120cmの間で調整可能。最適な姿勢でゲームを楽しむための機能だが、シーンを問わない使い勝手の良さがある。
「パッと高さを変えられるのはポイント高いですよね。テレワークにも適していますし、スタンディングで使いたいという時にも便利です。使い勝手を追求しているのも北欧ブランドらしいですね。また、キャスター付きのPCスタンドや引き出しユニットで機能を拡張できますし、ドリンクホルダーやマルチクッションといった便利な小物も多くラインナップされているので、自分仕様にアレンジできるのがいいですね」
この他、メタリックな帽子&コートスタンド、壁掛けにも対応したコレクションケースを用いることで、統一感のある空間を生み出している。
「“ゲーミング”が切り口でしたが、ダーク系でモノトーンの世界が構築できるほど商品が充実しているのは魅力ですね」と、窪川さんが語るとおり、メインとなるアイテムが決まると、周辺アイテムを選ぶのも楽しくなってくる。
■グリーンが彩りを添える、趣味を活かした“楽しめるワーキングスペース”
カジュアル志向のインテリアは“趣味を活かす”がキーワード。窪川さんは「仕事もしつつ、DIYなどの趣味も楽しむというイメージでコーディネートしました。ステイホームが続いていますが、グリーンが身近にあると窮屈さが解消されますし、外の空気が感じられると思います」というコンセプトでアイテムをセレクトしたという。
選んだゲーミングチェアは機能性に優れる「MATCHSPEL/マッチスペル」。カラーバリエーションはボームスタード ブラックとボームスタード ホワイトの2色があるが、グリーンに合わせて清々しさが際立つホワイトを選んだ。
「チェアって座っていないときは背面が見えますが、ブルーのアクセントが爽やかですよね。また、しっかりしたサイズですが、背面がメッシュなので抜け感があるので、部屋に圧迫感も生じません。体、首、頭もしっかりサポートしますし、体格や動きに合せて調整できる機能も充実しているのに、価格もとても手頃ですね」と、見た目だけでなく機能にも感心したそう。
組み合わせたのはゲームにぴったりのワークステーションとして開発された「FREDDE/フレッデ」。サイドパネルのミニシェルフやカップホルダーを備える機能派モデルだ。小物を置くスペースが充実しているのも特徴で、仕事道具だけでなく、DIYやホビーアイテムをスッキリとディスプレイできるのも嬉しい。
「すべてホワイトで統一もできますが、DIYというテーマに沿ってナチュラルウッドの小物を配しました。テーブル上のランタンや照明などもラフなイメージのアイテムで統一しています。こだわった“グリーン”についてはスタンドを用いることで、立体感を演出しています。じつは、植物って本物でもフェイクでも背丈のある物だとかなり値が張ります。でも、プラントスタンドやハンギングプランターを使えば、存在感や立体的な演出が可能です」
このように、ホワイト×ナチュラルウッド×グリーンという、コーディネートの基本コンセプトが見えてくると、組み合わせる小物を選ぶのも面白くなる。例えば、テーブルトップに置いた木製アクサセリースタンド、「LÅNESPELARE/ローネスペラレ」も単体ではなかなかの個性だが、テーマにあった質感もあって周辺アイテムと調和している。
「とはいえ、例えばプラントスタンドだから植物を置かなければ、と思うと堅苦しいでしょう。そこでデジタル物のスマートスピーカーを置いてみる、というような遊びもあったほうが面白いかなと。自分の部屋ですから、ルールはありません。好きに楽しめばいいんですよ」と窪川さん。
というと、やっぱりチェアや家具選び、コーディネートって難しいな、と思うかもしれないが、ひとつ大きなヒントがあるという。
「散らかっているな、っていう部屋を見ると、棚に色んな物を収めてすべてが見える状態なんです。例えば、冷蔵庫って中が整理されてなくても扉を閉めればスッキリするでしょう。部屋全体も同じで、視界に入る無駄な情報をどれだけ減らせるかが重要です。見えている物の情報が“お洒落な物”であれば、お洒落な部屋に見えるんです」
まずは部屋作りのコンセプトを立て、『チェア』や『デスク』といったキーとなるアイテムをセレクト。そして、見せない物と見せる物の取捨選択ができれば部屋作りも難しくはない。そして、シンプルで心地よく、バラエティ豊かなイケアの家具は、そんな理想の趣味&仕事部屋作りをしっかりサポートしてくれるに違いない。
>> イケア
<取材・文/村田尚之 写真/下城英悟>
機材協力… <ゲーミング部屋>デスクトップPC(ACER「PO3-630-F76Y/306A (Predator Orion 3000)」/実勢価格:21万3400円前後)、モニター(ACER「X34Sbmiiiphzx (Predator X34)」/実勢価格:15万2800円前後)、ゲーミングキーボード(ロジクール「G913 ワイヤレスRGBメカニカル ゲーミング キーボード」/価格:3万800円)、ゲーミングマウス(ロジクール「G502 LIGHTSPEED ワイヤレス ゲーミングマウス」/価格:1万8480円)、スピーカー(ロジクール「G560 LIGHTSYNC PC ゲーミングスピーカー」/価格:2万9810円)、ヘッドセット(ロジクール「G933Sワイヤレス7.1サラウンドLIGHTSYNCゲーミング ヘッドセット」/価格:1万7160円) <DIY部屋>Bluetoothスピーカー(ハーマンカードン「Harman Kardon SoundSticks 4」/価格:3万6080円、ヘッドセット(Jabra「Jabra Evolve2 65」/3万2670円)