メリットしかない。“GORE-TEX”シューズを日常に取り入れるべき3つの理由

ファッションアイテムの中で、もっとも日常生活と密接に関わるのがシューズ。1年を通して必要だからこそ、デザイン性だけでなく機能性にもこだわりたいところ! そこで注目したいのが“GORE-TEX(ゴアテックス)プロダクトテクノロジー”を搭載したモデルです。

その優れた防水透湿性からアウトドア用のイメージを持たれがちですが、実は日常生活においても活躍必至。ここではその有用性を深堀っていきたいと思います。

■老若男女に支持される GORE-TEXプロダクト。そもそもの原点とは

▲左上:ECCO「HYBRID 720 GORE TEX SHOES」(3万4100円)、右上:CLARKS ORIGINALS「Wallabee BT GTX」(3万4100円)、左下:PUMA「SUEDE GTX」(1万6500円)、中央:ECCO「STREET 720」(2万8600円)、右下:LACOSTE「CARNABY EVO GTX 0722 1」(1万9800円)

GORE-TEXファブリクスとは、W.L.ゴア&アソシエイツ社(ゴア社)が、1969年フッ素樹脂の合成ポリマー(PTFE)を延伸加工して膜状にすることで開発したテクノロジー素材の名称です。

これを表地と裏地で挟み込んだGORE-TEXファブリクスは、優れた防水・防風・透湿性を備えることからアウトドアブランドをはじめ、さまざまなシーンで活用されるように。アウターウエアのイメージが強いものの、近年ではシューズでも多く用いられており、モノ好きならば知らぬ者のいない防水透湿素材のパイオニアとして圧倒的支持を集めています。

■スタイリストも推薦。GORE-TEXシューズが日常にハマる理由

▲杉浦 優(すぎうら ゆう):メンズ・レディース問わず、数多くのメディアやタレントのスタイリングを手掛ける人気スタイリスト。キャンプが趣味で普段からGORE-TEXアイテムを身に着けている

今回ナビゲートしてくれるのが、タレントや俳優のスタイリングから雑誌と幅広く活躍するスタイリストの杉浦さん。自身がアウトドア・アクティビティを趣味としているだけあって、GORE-TEXシューズの魅力と有用性についても熟知しています。“なぜ、GORE-TEXシューズは日常にもハマるのか?”。その理由を一緒に紐解いていきましょう。

■理由1:“防水仕様”だから急な天候変化も問題なし

▲ECCO「STREET 720」(2万8600円)

「スタイリストは1日に何軒もリースに回ったり、合間に撮影があったりと長時間外で活動する日も珍しくなく、突然雨に降られて不快な思いをしたことも多々。そんなときにもGORE-TEXシューズを履いていれば、雨を心配することなくアクティブに動き回れます。また、キャンプが趣味な私にとってみれば、せっかくのリラックスタイムなのに足元がぐずぐずになってしまってはテンションもガタ落ち。…そうならないためにも、1足は持っていたいですね」(杉浦)。

日常において、雨でも気落ちすることなくアクティブに活動できるのがいかに有用か、お分かりいただけたはず。

パンツ3万3000円/ジュンハシモト(COMITAS)、その他スタイリスト私物

■理由2:侮れない“透湿性”。長時間履いてもムレ知らず

▲ECCO「STREET 720」(2万8600円)

古来、湿気の多い国として知られる日本。先ほど挙げた防水性とともに求められるのが、GORE-TEXシューズの特性である優れた透湿性です。「外からの水の浸入を防ぐ防水性だけなら、ラバー素材のレインシューズで問題ないのですが、それ以上に気になるのが長時間履いた際に直面するムレ問題。内部にこもる湿気を外に放出してくれる透湿性の有無で快適性は大きく変わります」(杉浦)。

これぞ、機能素材のパイオニアとして愛されている所以といえます。

パンツ1万6500円/ウィーク(シーアトリエ)、その他スタイリスト私物

■理由3:実はラインナップ豊富。自分のスタイルに合うシューズが選べる

▲左から:CLARKS ORIGINALS「Wallabee BT GTX」(3万4100円)、PUMA「SUEDE GTX」(1万6500円)、ECCO「HYBRID 720 GORE TEX SHOES」(3万4100円)、LACOSTE「CARNABY EVO GTX 0722 1」(1万9800円)

これまでGORE-TEXシューズといえば、アウトドアブランド・スポーツブランドの独壇場という印象が強くありましたが、実は聞き馴染みのあるファッションブランドやライフスタイルブランドからも続々とリリースされています。

まさに、自身のファッションやライフスタイルに合わせて自由に選べるほどに選択肢も広がっています。しかも、そのどれもがタウンユースを考慮した洒脱なデザイン性を有しており、機能的かつファッショナブルに日常生活に寄り添ってくれるのです。

■オンとオフ。2つの視点で選ぶGORE-TEXシューズ

先述のように、豊富なラインナップでこれまで以上に選択肢が広がっているGORE-TEXシューズ界隈。自由に選べて嬉しい反面、何を選ぶのが正解なのか悩んでしまうところ。そこでここからは、“オンとオフ”という2つの視点から、それぞれのシーンに合わせて杉浦さんがおすすめするモデルをご紹介します。

■おすすめモデル1:ビジネス使いを視野に入れるなら、まずは“黒”を選ぶべし

クラシックなコートシューズから着想を得た定番モデルのアップグレード版であるLACOSTE(ラコステ)の「CARNABY EVO GTX 0722 1」(1万9800円)。落ち着きと高級感を演出するシボレザーをアッパーに使用しつつ、GORE-TEXプロダクトテクノロジーを搭載。

さらに、同色のメタルエンブレムを配し、大人の足元にも似合うラグジュアリーなワントーン仕立てに。「正直、GORE-TEXを搭載した高機能モデルだと外から見て気付く人はいないでしょうね。それだけに普段の着こなしにも取り入れやすいと思います」と杉浦さんも太鼓判。

昨今のワーキングスタイルの変化はビジネスファッションにも波及し、動きやすくコンフォータブルなセットアップの需要が急増。「そんな時の足元に最適なのが、オール黒のレザースニーカーです。しかもGORE-TEX搭載ならいうことなし! こちらのモデルは、アッパーと同色ワンポイントの装飾や表情豊かな質感で大人の品格を損なうこともありません」(杉浦)。

シンプルゆえ着こなしを選ばない、そんな1足を持っていると、重宝すること間違いなしです。

ニット3万9600円/ジョン スメドレー(リーミルズエージェンシー)、ソックス3740円/パンセレラ(真下商事)、その他スタイリスト私物

■おすすめモデル2:“まるで革靴”なGORE-TEXシューズで着こなしに品をプラス

高品質でなめらかなフルグレインレザーのアッパーに、360度透湿のGORE-TEX SURROUNDを搭載したECCO(エコー)の「HYBRID 720 GORE TEX SHOES」(3万4100円)。「アッパーだけ見るとレザーシューズにしか見えませんよね」と杉浦さんも語るように、ポイントはソールにあリ。

PU/ラバーの二層構造とサイドのベンチレーションホールが透湿性を高め、軽量性と柔軟性、履き心地と滑りにくさを実現。機能性とスマートなルックスを両立し、着こなしに大人の品を与えてくれるはず。

懇意にしているクライアントと軽めのミーティング。とはいえキッチリ感は狙いたい。そんなシーンに落ち着きのあるモカ色のアッパーと軽快なオフホワイトのソールがマッチします。

「シックだけど清潔感もあり、タイドアップで品良く仕上げたジャケパンスタイルの足元を軽快に見せるのに最適。ボトムスをチノパンに変えたカジュアルなアレンジにもハマりそう」(杉浦)。着こなしとシューズの対比を際立たせることで、周囲との差別化も可能です。

ジャケット5万9400円、チノパンツ1万6280円/ともにバーンストーマー(HEMT PR)、その他スタイリスト私物

■おすすめモデル3:カジュアルの筆頭。PUMAの名作シューズもGORE-TEX仕様に

さまざまなジャンルで愛され続けている名品に、GORE-TEXプロダクトテクノロジーを搭載したPUMA(プーマ)の「SUEDE GTX」(1万6500円)。ヒール・インソール・シュータンにはその証としてGORE-TEXプロダクトのロゴが鎮座します。

「ベーシックなデザインゆえ合わせる格好を選ばず、その優れた機能性をカジュアルに楽しめます」(杉浦)。また、通常モデルとは異なり、シュータンをアッパーと繋ぎ合わせるガセットタンを採用。より水が侵入しづらい構造となっている点にも注目です。

ゆったりとカフェで過ごすひととき、自ずと格好もシンプルで着慣れたものに。「名作ローテクモデルをベースにしているだけあって、軽くロールアップした濃色デニムパンツを軸としたアメカジライクな着こなしとの相性は抜群です」(杉浦)。

GORE-TEXプロダクトならではの機能性を有していながら見た目はスタンダード。これだったら、どんなシーンにでも馴染みますね。

デニム2万3100円/ア ボンタージ(ブリックレイヤー)、その他スタイリスト私物

■おすすめモデル4:革靴気分で履けるワラビーブーツが万能です

スニーカーに勝るとも劣らない履き心地の良さと、着こなしを問わない万能性から人気を集めているのが、CLARKS ORIGINALS(クラークス オリジナルス)のワラビーブーツ。「Wallabee BT GTX」(3万4100円)はさらに、防水・透湿性に優れたGORE-TEXプロダクトテクノロジーと防滑性に定評のあるビブラムソールを装備した全天候対応モデル。

「とても人気のあるモデルなので周囲と被りがちですが、こちらなら他と差を付けられるだけでなく、雨の日も快適に過ごせます」(杉浦)。履き口部分にあしらわれたGORE-TEXプロダクトのピスネームもどこか誇らしげです。

天気は午後から雨予報だけれど、せっかくの休日だし、ちょっと自転車でポタリングへ、なんてシチュエーションにうってつけ。

「濃淡でグラデーションを付けたアッパーとソールが、抜け感と上品さの絶妙なバランスを生み出しています。肩の力の抜けたワンマイルウェアともよく似合いますね。もちろん防水仕様かつソールのグリップ力にも優れているので、帰りがけに雨が降ってきても問題ありません」(杉浦)。GORE-TEXプロダクトの機能性は心もアクティブに変えてくれるというわけです。

ジャケット5万600円/ア ボンタージ(ブリックレイヤー)、シャツ1万8700円/コーディングス(真下商事)、パンツ1万1500円/チャンピオン(チャンピオン ブランドハウス シブヤ トウキョウ)その他スタイリスト私物

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アウトドアシーンから人気に火がつき、今やタウンユースにおいても防水透湿アイテムのスタンダードとして支持されているGORE-TEXプロダクト。ウエアだけでなくシューズでもその人気は変わらず、外からの雨や水の侵入を防ぎ、内側の湿気を外に逃すことで実現した履き心地は、足取りも気分も軽やかに変えてくれます。要は、履くだけで気分が良くなり、毎日の生活がちょっと便利になるワケです。

それに、自身のファッションやスタイルに合わせて自由に選べるほどにラインナップも多種多様。なぜ、GORE-TEXシューズを日常に取り入れるべきか。皆さんもうお分かりですね?

>> GORE-TEX

<取材・文/TOMMY 写真/鈴木克典 スタイリング/杉浦 優>

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