クラスNo.1コンパクト設計のAQUA「まっ直ぐドラム」洗濯機。その実力をGoodsPress × モノ・マガジン編集長が徹底検証!

■「今こそ語りたい」国内メーカーとしてのモノづくりのプライド

三洋電機からモノづくりのDNAを受け継ぎ新たなスタートを切って10年。いま洗濯機や冷蔵庫など「AQUA」の家電製品に注目が集まっている。そこで今回は、モノ・マガジンとの初コラボ企画として、2人の編集長が京都にあるAQUA開発拠点を訪れ、その理由を探った。

▼モノ誌編集長2人が開発者を直撃!

国内メーカーでありながら、グローバル企業の一員でもあるAQUA。そのメリットが同社のモノづくりにどう活かされているのか。商品開発責任者やデザイナー、設計評価担当者を直撃した!

▲左から、グッズプレス・髙橋正道編集長、モノ・マガジン・前田賢紀編集長、アクア洗濯機 開発部門 商品企画ディレクター・内藤正浩さん

 

■目指したのは洗浄力と大容量、そしてどこでも置ける自由さ

AQUA
まっ直ぐドラムAQW-DX12N
実勢価格30万円前後

水平ドラムを採用し、洗濯性能や使い勝手のブラッシュアップはもちろん、これまでにない省スペース化を実現したコンパクトな洗濯乾燥機。高温&UVライトでの除菌機能を搭載するなど、時代のニーズに合った機能も注目だ。

▲写真上のスタイリッシュなシルキーブラックのほか、従来の洗濯機らしいホワイトモデルも用意されている

▲エアウォッシュは、超音波により槽内にミストを発生させ、衣類を包み込むように温風を循環させることで除菌と消臭が可能

▲洗濯する際の各コースやモードにて、高温&UVライトで気になる衣類と洗濯水を除菌することができる

■三洋電機から生まれ変わって10周年! AQUAへの誤解、洗濯機の正解

2012年に新たな家電メーカーとしてスタートを切ったAQUAが、10周年を迎えた。かつてあった三洋電機の優れた技術を継承し、グローバル家電ブランドの一端を担うカタチで生まれ変わった現在のAQUAの製品には、三洋電機時代から培われてきた技術とアイデアのDNAがいまだ色濃く息づいている。商品企画責任者である内藤正浩さんはその思いをこう語る。

▼日本発の製品をグローバルに発信する

「本来、中国のハイアールグループの一員になったからには、その名を使うのが当然。ですが当時の現場はほぼ全員が元三洋のスタッフで構成されていたこともあり、やはり新ブランドとして再出発したい。そんな思いから、当時洗濯機の名称として使用していた『AQUA』を名乗り新たな国内メーカーとして、スタートしたんです」

いまだ同社が中国メーカーであるという“誤解”が消費者に根強く残っているのは、この当時の経緯が影響しているのだろう。しかし今や、AQUAは国内メーカーでありながらグローバル企業の一員であるスケールメリットを活かして、「高技術&リーズナブル」な製品を市場投入できる優れたメーカーへと成長した。

「製品の規格や開発、マーケティングなどはすべて日本市場に向けてカスタマイズ。我々AQUAチームは、こうした日本のモノづくりをグローバルに発信することも使命だと考えています。今回、紹介した耐久試験はほんの一部ですが、AQUAの製品は日本基準をクリアすると同時に、海外の厳しい検査基準をもクリアする性能を持っています」(内藤さん)

▲ドラムをまっ直ぐにすることで、斜め型ドラムに比べてさらなるコンパクト化を実現した

▲ドラムがまっ直ぐなため、ムラを抑えしっかり洗えるとともに、衣類などがほぐれ絡みにくく、取り出しやすい

 

▼ドラムをまっ直ぐにすることで生まれたさまざまな効果

本誌編集長の髙橋も、そんな耐久テストの徹底ぶりに舌を巻く。

「ドアの開閉一つとってもここまでテストするのか、と正直驚きました。こうした厳しい品質テストをクリアして完成したのが『まっ直ぐドラム』。ドラム式洗濯機といえば斜め式が主流ですが、ドラムを水平に置くという発想がユニークです」

実はこれも三洋時代から続いてきたノウハウの蓄積だという。

「斜め式だとどうしてもドラムの奥に洗濯物が溜まってしまうため、均一に洗うことが難しく、取り出す際にも衣類が絡んでしまう。ならば当社の業務用ドラム式洗濯機の技術を応用して水平に置こうと考えました」(内藤さん)

ドラムを水平に置くメリットはそれだけではない。筐体に余分な空間が少なくなったため、大幅なコンパクト化も実現した。

「これならマンションやアパートなど、日本の狭い住環境でも置けそう。しかもシルキーブラックという色もスタイリッシュでいいですね」とモノ・マガジン前田編集長も感心する。

さらに「熱&UVパワフル除菌」や「エアウォッシュ」などの便利な機能を搭載して付加価値も提供している。

「例えば海外の場合、とにかくしっかり汚れを落とすことを重要視するのですが、それに加えて国内では、衣類の仕上がり感や清潔感までも求められます。こうした日本人的ニーズにもきめ細かく対応しています」(内藤さん)

■「洗剤自動投入」に「超音波洗浄」をプラスした待望の縦型大容量モデル

AQUA
Prette plus AQW-VX14N
実勢価格15万円前後

天板のガラス仕様が個性的な縦型洗濯機。襟元や袖などの汚れをラクに落とせる超音波洗浄機能が実に便利。また、8kgから14kgまでニーズに応じた洗濯・脱水容量を5種類から選べるのも嬉しい。

▼グローバル企業の一員ならではの部品調達力を活用

一方の「プレッテ」はガラストップが目を引く縦型洗濯機だ。「割れやすいというイメージからか、ガラスを使うという発想は本来なかったのですが、グローバルで見ると冷蔵庫やガスコンロなどガラスを使っている製品は結構あるんです。デザイン的にも高級感があるし、洗濯の最中に実際に目で確認できるので安心感ももってもらえるということで、今回採用しました」とは、デザイナーの山内啓至さん。

「安全で美しいガラストップの素材を開発するため、ガラス業者と二人三脚で試行錯誤を繰り返しました。ガラスは最後に焼き付け作業をするのですが、その日の早朝に『いい色が出せたから見に来てくれ』と嬉しい報せに駆けつけたりと、苦労した甲斐あっていいものができました(笑)」

内藤さん曰く、実はこうした部品調達の面でも、グローバル企業には大きな強みがあるという。

「昔は多くの部品を国内で調達できていましたが、今は海外製の部品が主流になってきているため、国内の企業だけでは、質の高い部品を安定して調達するのはかなり困難。ところが当社の環境だと、グループ内でさまざまな部品を融通できるので、供給も安定しているんです」

▲らくらくSONIC(超音波洗浄)/最適な濃度の洗剤液が自動でトレイに供給され、超音波ホーンに軽く押し当てゆっくり左右に動かすだけで頑固な汚れもきれいに落ちる「らくらくSONIC」機能を搭載。手洗いのようにこすらないので、衣類も傷みにくい

▲洗濯槽を高速回転させ、高濃度の洗剤液で泡を生成。繊維の奥まで浸透し汚れを落とす

▲液体洗剤・柔軟剤自動投入/あらかじめ液体洗剤や柔軟剤を大容量タンクに入れておけば、洗濯時に自動投入してくれる

■納得の価格にももちろん理由がある-AQUAの強みはグローバル企業の部品調達力と信頼の日本設計

グループ各社の製品で部品を共通化するなど、グローバル企業ならではのスケールメリットを活かしコストダウンを図る一方で、各国の厳しい審査基準をクリアしなければならない同社の洗濯機。AQUAの強みはまさに「そこ」にあった!

アクア洗濯機
開発部門デザインマネージャー
山内啓至さん

 

 

▼世界的企業だから両立できる「低コスト化」と「質の向上」

ハイアールグループでは、コアな部品を共通化し、大量調達を行っている。これこそが大いなる強みであると内藤さんは強調する。

「ブランド力はもちろん強みですが、世界規模で部品を調達するわけですから、その量も桁違い。例えば、質の高い高価な部品を調達したとしても、大量発注することでコストがかなり抑えられます。結果、質の良い製品がリーズナブルに提供できる。これが最大のメリットだと考えています」

それには両編集長も納得。

「なるほど! こうした確かな理由があるから、商品の価格も抑えられる。さらに世界中のグループ企業から人材やアイデアが集まるわけですから。自ずと製品のクオリティも上がっていくわけですね」(前田)

そして本誌編集長も、今回の取材を通してこう感じた。

「AQUAはチャレンジ精神とアイデアに溢れた会社であることを改めて実感できました。次の10年がどんな革新的なステージになるのか、ますます楽しみになってきました」

日本企業とグローバル企業、両方の強みを最大限に活かしたAQUAのモノづくりに、今後も目が離せそうにない——。

▲京都の拠点のほど近くにあるAQUA直営のコインランドリー。これら業務用技術が民生用に応用されている

 

■自社で耐久試験! 徹底した品質管理がモノづくりを支える

「毎日使う家電なので、耐久性に関しては少々オーバースペックなくらいがちょうどいいんです」と語るのは、耐久テストなど品質管理の責任者である北川さん。洗濯物を出し入れするドアの開閉テストは実に約5万回、実際に洗濯する回数はのべ7年間分など、およそ80項目もの多岐に渡るさまざまなテストを行っているという。

アクア洗濯機
開発部門設計評価シニアマネージャー
北川和重さん

 

 

「こちらの試験場では365日・24時間テストを行っています。洗濯性能や機能性はもちろん大事ですが、まずは長く使っていても壊れにくいことが重要。これがメーカーの信頼性の高さにつながると考えています」

 

▲ドアの開閉テストは機械が実施。これらのテストにクリアして初めて製品化される

▲テスト室では長時間におよぶ実機の稼働テストが繰り返され、各部品の耐久性能がチェックされていた

▲無響室で洗濯機の振動音や稼働音などを細かくチェックする

▲「まっ直ぐドラム」をはじめ、業務用洗濯機で培った技術を家庭用に応用しているケースも多いという

▲ドラム式洗濯機の場合、5万回にも及ぶドアの開閉テストを実施していると聞いて、感心する髙橋編集長

▲洗濯槽の可動部分をはじめ、さまざまな箇所に使用されているワイヤーの強度や耐久性をテストする機械

▲取材を通してAQUAのモノづくりに対する熱い思いを聞き、納得顔のグッズプレス髙橋・モノ・マガジン前田両編集長

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(撮影/栗村 昇、青木健格)

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