世界に轟くタフネススウォッチのひとつであるG-SHOCK。その膨大なラインナップの中でも、初号機の八角形デザインを受け継ぐ“角G”こと「5600系」はトレンドを超越した永世定番です。
そしてブランド誕生から40周年を迎えた2023年、デザインも機能もブラッシュアップされた「DW-H5600」が我々の前に姿を現しました。
■我々がこよなく愛する“角G”といえばこれ。ORIGINシリーズ40年の歩みを振り返る
5600系の進化の歴史は、G-SHOCKの歴史そのものです。「落としても壊れない丈夫な時計をつくりたい」というカシオ計算機のエンジニアがG-SHOCKを開発したのは1983年のこと。初号機の「DW-5000」は当初アメリカで大ヒットを記録し、その後、逆輸入という形で日本に上陸し、ブレイクを果たしました。
1987年にはその初号機「DW-5000」の角型ケースを受け継ぐ直系モデル5600系が誕生。1994年に公開された映画『スピード』において、キアヌ・リーブス演じる主人公のSWAT隊員が着用したエピソードはあまりにも有名です。「スピードモデル」と呼ばれた5600系は、’90年代の第一次G-SHOCKブームを象徴するモデルとなりました。
5600系は着実に進化を遂げていきます。1996年にはELバックライト付きの「DW-5600E」が登場しますが、特に話題を呼んだのが2005年に登場した「GW-5600J ORIGIN」でした。
このモデルは時刻データを受信し、自動修正する電波受信機能に加え、ソーラーパネルで発電し、蓄電した光エネルギーで時計を動かすタフソーラーが搭載されたモデルです。落としても壊れないタフなボディと20気圧防水を併せ持つ「5600系」は、こうして時刻の精度向上と高い利便性という新しい美点を手に入れたのです。
その後も根強い人気を誇った5600系は、2018年に新たな地平を拓きます。フルメタルの「GMW-B5000 ORIGIN」の登場です。これは5600系のルーツである初号機「DW-5000」をベースにしたもので、ベゼルとバンドが硬質なステンレス素材という新しい耐衝撃構造を備えたモデルでした。
フルメタルのG-SHOCK自体はすでに’90年代に登場していましたが、ORIGINシリーズのフルメタルモデルは同機が初めて。スマートフォンリンクなどの先進機能も搭載されたこともあり、ファンの間で大きな話題を呼びました。
■そして2023年。最新モデル「DW-H5600」を5つの視点でひも解く
2023年はG-SHOCK誕生40周年のアニバーサリーイヤーだけあって、数年前からスペシャルモデルの登場が噂されていました。そんなファンの期待に応えるように、初号機と5600系というORIGINシリーズの流れをくむ「DW-H5600」がリリース! ブランドの始まりと現在とをつなぐこのモデルを、デザイン面と機能面から5つの視点でひも解きましょう。
【視点1】時代を超えて愛される“永世定番”というべきデザインコードを踏襲
「DW-H5600」のデザインで一番目をひくのは、なんといっても初号機「DW-5000」から受け継ぐ“角型デザイン”に尽きるでしょう。G-SHOCKのスタンダードというべき“角G”は、長年のファンもうれしい正統デザインです。
液晶は高精細なMIP液晶にアップデート。白黒を反転させたブラックベースのディスプレイは視認性に優れ、かつベゼルのロゴまでがオールブラックに統一されたデザインの印象を精悍に引き締めます。
「DW-H5600」は、原料に再生可能な有機資源を使用することで環境負荷低減にも配慮。ケースやベゼル、バンドといったメインの樹脂パーツにはバイオマスプラスチックが使用されるほか、本作では初めてケースにバイオマスベースのカーボンファイバー強化樹脂が採用されています。
さらにパッケージにもリサイクル素材を使用するなど、健康的なライフスタイルを提案するプロダクトとしてふさわしい仕上がりに。
【視点2】定番の形ゆえに、着こなしを選ばない汎用性の高さを誇る
5600系が時代を超えて愛され続ける理由のひとつが、スタイリングにおける汎用性の高さ。質実剛健なデザインは、アメカジからキレイめまで、合わせる着こなしを選びません。
特に存在感のある角型デザインは、夏カジュアルの腕元のアクセントにもぴったり。こうしたオーバサイズの無地Tシャツとテック系ショーツというアーバンアウトドアなスタイリングにはギア然とした面構えの「DW-H5600」がしっくりきます。トレンドを気にすることなく、ずっと愛用できるのもこのモデルならではといえるでしょう。
近年、ビジネススタイルのカジュアル化が進むとともに、5600系の守備範囲はどんどん広がっています。余分な飾り気のないベーシックなデザインのおかげで、機能素材のセットアップを使った今どきのビジネススタイルにも違和感なく調和します。
たとえば、ベージュのセットアップに白カットソーを合わせたスタイリング。こうした淡いトーンのカラーコーデには、オールブラックの「DW-H5600」で腕元を精悍に引き締めるのが効果的です。
ジャケット2万900円、パンツ1万890円、カットソー4290円/すべてザ・スーツカンパニー(SUIT SQUARE TOKYO GINZA店)
【視点3】光学式心拍センサー&加速度センサーを搭載。スポーツや健康を管理する多彩な機能性
「G-SQUAD」シリーズにラインアップされた「DW-H5600」は、単なる時刻を知るためだけのG-SHOCKではありません。裏蓋には心拍数を計測できる光学式心拍センサーを搭載。LED光を照射することで体内の血流量の変化を計測し、心拍数を測定します。さらに歩数計測が可能な加速度センサーも内蔵されており、スポーツやアクティビティを多角的にサポート。
また、こうしたセンサーが搭載されたモデルはケースが大きくなりがちですが、このモデルでは小型電池や薄型液晶によって、装着しやすいサイズ感が実現されている点にもカシオの技術力の高さがうかがえます。
「アクティビティモード」ではランニング、ウォーキング、ジムワークアウト、インターバルトレーニングの4種類をサポート。距離や速度、タイム、ペースのほか、心拍数や消費カロリーの計測が可能に。
計測にとどまらない分析力もまたこのモデルの得意技です。ランニング時のVO2max(最大酸素摂取量)の算出をはじめ、心肺へかかった負荷の計算、三大栄養素別の消費エネルギーを分析するエナジーグリッド、計測した負荷から睡眠でどれくらい回復したかを計測するナイトリー リチャージといった指標・分析も確認することが可能です。
また、「ウオッチモード」では、日々の活動を計測するライフログや深呼吸のリズムをガイドする呼吸エクササイズ、血中酸素レベルの計測も可能。毎日の健康管理にもひと役買ってくれます。
「DW-H5600」のストロングポイントは、G-SHOCKのスタンダードである角型デザインと、スポーツやアクティビティをサポートする「G-SQAUD」の機能性を兼備している点にあります。
このモデルがあれば、仕事が終わった後でも、腕時計を付け替える必要なく、そのままランニングやジムに行くことだって可能。まさに日常とアクティビティをシームレスにするライフスタイルウオッチといえるでしょう。
【視点4】「CASIO WATCHES」と連携すればスマートウオッチ顔負けの機能性を誇る
いくら計測や分析ができても、さすがに腕時計の小さなディスプレイでは管理が少々難儀。その点、「DW-H5600」なら、アプリを使ったスマホとの連携が可能です。スマートウオッチと同じように、スマホで目標設定や進捗管理が可能です。
使用するアプリはカシオが開発した「CASIO WATCHES」。スマートフォンと腕時計をBluetooth接続することで、自動での時刻修正やワールドタイムの都市設定、ブランドの最新情報なども確認できます。
「CASIO WATCHES」との連携でできることはさまざま。1日の活動記録をわかりやすく表示するライフログのほか、睡眠による回復度を表示し、質の高い運動や睡眠などをアドバイスするナイトリー リチャージ、ビジュアルやグラフを多用した移動ルートのマップ表示なども。アクティビティログやライフログなどをタイムライン表示するマイページも便利です。
【視点5】カラーバリエーション豊富。40周年記念のスペシャルモデルもラインナップ!
「DW-H5600」の選択肢はブラックだけではありません。スタンダードな樹脂製の「DW-H5600」と、メタルベゼルが装着された「DW-H5600MB」、それぞれに2色がラインアップされ、自分の好みやスタイリングに応じてカラーを選べます。
なお、「DW-H5600MB」にはメタルベゼルにカラーIP(イオンプレーティング)処理加工が施され、質感が高められています。
今回紹介した「DW-H5600」には、通常のモデルに加えて、40周年と5600シリーズの新たな進化を記念した、スペシャルモデルが用意されています。
「DW-H5600EX-1JR」は交換可能なベゼルとバンドがセットになった特別モデル。オールブラックのメタルベゼルをまとい、全面には初号機「DW-5000」の図面をイメージした製図ラインがあしらわれています。
さらに交換用のベゼル&バンドにはモジュールの配線図をカラフルにレイアウト。角型とデジタルというG-SHOCKのアイデンティティが表現された、誕生40周年にふさわしいタイムピースです。
■“タフネス&ウェルネス”。日常を豊かにするアクティブウオッチ「DW-H5600」を使いこなそう
…と、さまざまな機能を紹介してきましたが、ファンにとってはやはりG-SHOCKの本分たるタフさが気になるところ。「DW-H5600」ももちろん、持ち前の耐衝撃構造と20気圧防水というタフな仕様に仕上げられています。
スタミナ面も優秀で、専用USBケーブルで約3時間フル充電すれば、1日約1時間のアクティビティを行った場合でも、約1週間駆動します。加えて文字板の外周にはソーラー発電パネルが搭載されており、ソーラー アシスト充電にも対応しています。
G-SHOCKの正統を継承した角型デザインに加え、スポーツやアクティビティを快適にサポートする機能を満載。「DW-H5600」こそは、ファッションとウェルネスを愛する都市生活者のニーズに応える究極のG-SHOCKです。
<取材・文/押条良太 写真/田中利幸 スタイリング/宇田川雄一>