楽ナビとサイバーナビ、どっちを買う? 人気ブランド「カロッツェリア」が展開する2つのカーナビを徹底比較してみた!

パイオニア カロッツェリアにはハイエンドシリーズの「サイバーナビ」と、スタンダードシリーズの「楽ナビ」という2タイプのカーナビがある。今回はコンセプトの違いや機能差を比較して検証しようと思う。

▼先進機能を搭載したこだわりの最高峰モデル

パイオニア カロッツェリア
サイバーナビ AVIC-CQ912II-DC【9V型】
23万5000円前後(実勢価格)

AVIC-CQ912Ⅱ-DC は大画面モデルで9型HD ディスプレイを搭載。通信機能を実現するネットワークスティック、手元で主要機能を操作できるスマートコマンダーを付属する。カロッツェリアの最上級モデル。

▼使いやすさを追求した大人気の最新モデル

パイオニア カロッツェリア
楽ナビ AVIC-RQ920-DC【9V型】
19万円前後(実勢価格)

本年3月より発売を開始。フルフラットな9型HD ディスプレイを搭載し、通信機能を備えたネットワークスティックを付属している。フルモデルチェンジによりハード、ソフトすべての仕様を一新。

■“先進機能”と“使いやすさ” あなたはどっちを選ぶ?

サイバーナビと楽ナビという2つのカーナビブランド、どちらも市販カーナビの世界では人気も歴史もあり、根強いファンも多い。

サイバーナビは先進性を感じられる機能を備えたフラッグシップモデルで、常に新しい価値を提案している。一方の楽ナビは「楽に使えること」や「楽に買えること」が魅力。明らかに棲み分けされている。とはいえ最新・最上級モデルの「サイバーナビ AVIC-CQ912Ⅱ-DC」と「楽ナビ AVIC-RQ920-DC」は、どちらも大画面モデルで9型HDディスプレイを搭載。通信機能を実現するネットワークスティックを付属している。スペック的に両者はとても近く、カー用品店で見かけるような〇×表であれば大きな差は感じられないかもしれない。ちなみに価格差は実勢で4万5000円だ。

今回は2モデルの基本機能を中心にガチンコ比較してみた。それぞれの違い、そしてどちらが自分の使い方に合っているのかをぜひチェックしてほしい。

まずは、普段目にするデザイン性だが、どちらも質感の高さは業界トップレベルで、ピアノブラックのフルフラットパネルにタッチキーのイルミが浮かび上がる。上の写真を見てのとおり、フィッティングも自然で、インテリアとの調和もなかなか。ボディデザインは人によって好みがあるだろうが、どちらも高品質で満足度は高いはず。

そして操作性だが、サイバーナビと楽ナビではまったく異なる。ディスプレイ下部のタッチキーはサイバーナビがフラットなのに対して、楽ナビは表面に凹凸が設けられているので、目視することなく指先の感覚だけで操作が可能だ。しかも、使いたい機能にダイレクトにアクセスができるショートカットキーも備えている。まさに「楽に使える」ことを具現化している。画面の切り替えやスクロールなど、操作レスポンスに関しては、体感的には両者の違いはほとんどなくスムーズ。いずれも非常に使いやすく快適だ。

■両製品のコンセプトの違いや機能差を比較

1.【操作性】スムーズかつスピーディな動きでストレスなし

▼サイバーナビ

▲ディスプレイ下部にタッチキーが並び、ここから操作を開始する。キーは5つだけで、間隔も空いているため誤操作の心配も少ない。タッチパネルは静電式で、軽快なコントロールが可能。スマートコマンダーを使えば手元で主要な操作ができる

▼楽ナビ

▲ディスプレイ下部のタッチキーの数はサイバーナビよりも多く、ショートカットキーも用意している。キー表面には凹凸が付いているので、指先の感触で操作することも可能だ。静電式タッチパネルはレスポンスが良く、スムーズに操作できる

運転中でも見やすさ抜群の高画質大画面

▲両モデルともに9型HDディスプレイを採用。運転中でも必要な情報を素早く読み取れ、優れた視認性。安全に運転できる

2.【メニュー&検索】コンセプトの違いがメニュ―画面に現れる

▼サイバーナビ

▲高級感のあるオシャレなデザインで壁紙のアクセントカラーが連続的に変化。メインメニューからは目的地検索、AVソース選択などができ、中央には再生中のAVソース情報が表示される。左右にフリックすれば各メニュ―を表示。メインメニューへの項目入れ替えも可能

▲通信機能を実現するネットワークスティックを標準搭載。スマホをはじめとしたネットワーク機器を接続できるWi-Fiルーター機能を備え、走行中、停車中ともに使える

▼楽ナビ

▲視認性を重視した親しみやすいデザインを採用。トップメニューは利用する機会の多い機能へダイレクトにアクセスができて扱いやすい。検索ウインドーに好みのワードを入力すればオンライン検索が可能だ。フリック操作で各メニューを表示する

▲ネットワークスティックを標準搭載し、通信機能を内蔵機能同様に使える。Wi-Fiルーター機能も持つが、走行前は30分まで、停車中は1時間までの利用制限がある

3.【ルート検索】サイバーナビはスーパールート探索に対応する!

▼サイバーナビ

▲サイバーナビだけのスーパールート探索を搭載。ルート計算自体をサーバーで行うクラウド型で、スマートループ情報を駆使した高精度の渋滞回避ルート探索が可能。通信利用ながら快適だ

▼楽ナビ

▲サーバーから最新のスマートループ渋滞情報を取得して渋滞回避ルート探索を行う。スマートループではVICSに対応していない裏道や抜け道と呼ばれるルートまでカバーしている

4.【ルート案内】楽ナビならではの信号機カウント交差点案内

▼サイバーナビ

▲シンプルなデザインの交差点拡大図。自車が案内交差点の300m手前に近づくと表示されるもので、交差点付近の施設がアイコンで示されている。多くの情報を一度に確認できる

▼楽ナビ

▲楽ナビ2023年モデルから搭載された機能、「信号機カウント交差点案内」。案内交差点までの距離感を信号機の数で知らせてくれる新しいスタイルだ。右左折の方向や交差点までの距離を示す数字も大きくて見やすい

5.【独自機能】ユーザー層に合わせた個性的な機能を搭載

▼サイバーナビ

▲自宅のレコーダーをリモート再生できる「レコーダーアクセス」や交通情報などを自動で割込み表示する「ライブインフォ」などを搭載。制限なく使える車載Wi-Fiルーター機能も便利だ

▼楽ナビ

▲少ない操作で希望の機能を呼び出せるショートカットをタッチキーやメインメニューに用意。設定操作もわかりやすい

■サイバーナビなら通信制限 なしでインターネットが使い放題!

最初に利用するのがメインメニュー。サイバーナビ、楽ナビともタッチキー中央のアイコンに触れると表示する。見た目には、カッコいい「サイバーナビ」と親しみやすい「楽ナビ」という感じでデザインや色合いが大きく異なる。構成もかなり差別化していて、サイバーナビは画面の右半分が検索メニューで左半分がAVソースという、現在のカーナビではスタンダードとなっている配置だ。ちなみに各項目の位置やサイズはタッチ操作で好みに変更ができる。サイバーナビは音声でのフリーワード検索に対応していて、直感的に目的地検索が可能だ。

一方の楽ナビは利用する機会の多い機能や事前に決めた機能へのショートカットのアイコンが並ぶ。そして検索ウインドーに思いついたワードを入れて検索でき、スマホのウェブ検索のような使いやすさとなっている。楽ナビ独自のスタイルで、従来のようなメニューを表示するには右端(検索メニューが開く)や左端(AVソースメニューが開く)にタッチすればいい。 両モデルとも通信機能を標準搭載しており、検索データをサーバーから取得したり、最新の地図データにナビが更新してくれる自動地図更新が可能だ。

ルート探索はどちらのモデルも条件が異なる6本のルートを瞬時に提案する。サイバーナビは「スーパールート探索」と呼ばれる、サーバー側でルート探索を行うクラウド型を採用。渋滞回避の信頼性が抜群に高いのが特徴だ。上の写真のようにルート探索結果画面に情報量が多いのは楽ナビのほう。サイバーナビは各ルートの詳細情報を得るにはタップ操作が必要となる。もちろんそれほど手間には感じない。

ルート案内について、楽ナビは従来からわかりやすさを追求した独特の機能を備えるが、最新モデルでは案内ポイントまでの距離感を信号の数などで知らせる「信号機カウント交差点案内」機能を搭載している。直感的に情報を得られるので、運転に慣れない人にはうれしいだろう。サイバーナビはシンプルな見慣れたスタイルの拡大図を採用。どちらも都市部の主要交差点や都市高速入口などではイラスト図による案内も行うなど丁寧な表示でわかりやすい。

両モデルにはオリジナル機能を多数用意している。サイバーナビは情報を駆使できるもの、楽ナビは使い勝手を高められるものがそろっている。

■結論

楽ナビは多機能を簡単に使いこなしたい人に、サイバーナビはルートガイドにもエンタメソースにもこだわりたい人にオススメ。さらに今回はあまり触れられなかったが、サイバーナビのオーディオ能力は群を抜いているので、音質を求める人もサイバーナビがオススメだ。

<取材・文/浜先秀彰 写真/糠野 伸>

>>パイオニア「サイバーナビ」

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