BLUETTIのポータブル電源で快適“e-CAMP“!アウトドアの賢人と検証した朝・昼・夜の活用術

容量1152Wh、連続出力1800Wという高出力が魅力のポータブル電源・BLUETTI「AC180」。出力が高く、防災対策用として便利ですが、実際、どれだけスペックがすごいのかなかなかピンときません。

果たして、どんなものを、どれくらいの時間動かせるのか? いざという時に「この家電は使えるんだっけ?」とならないように把握しておく必要があります。

そして、もう1つ。家に置きっぱなしで、出番がなければ能力を発揮できません。ポータブルと付くだけに、持ち出して使ってこそそのスペックが生きるというもの。

ということで今回、ポータブル電源「AC180」をアウトドアに持ち出し、e-CAMP (eキャンプ)を実践! どんな家電が使えて、どれくらいキャンプが快適になるのか? をアウトドアの賢人・まついただゆきさんと共に検証! 朝・昼・晩の活用術を探りました。

「普段、2、3泊のキャンプに行くときはスマホの充電用として、250Wのポータブル電源を使っています。1800Wという高出力なポータブル電源を使ったことがないので、キャンプライフがどう変わるのかが楽しみです」

まついただゆき|1975年東京都生まれ。出版社で10年、IT企業で10年の編集職を経て2017年に独立。元All About編集長。趣味はキャンプ。現在はアウトドア関連の企画・取材・執筆から、Webメディアのプロデュースやコンサルティング、広告制作、PRサポートまで、編集スキルを軸に幅広く活動中

 

【INDEX】
・今回持っていく「AC180」って?
・持ち出す前に知っておきたいこと
・快適e-キャンプ①…家電だけで極上ブレックファースト
・快適e-キャンプ②…ポータブルクーラーで冷んやり空間
・快適e-キャンプ③…炊飯器を活用して“タイパ”キャンプ
・快適e-キャンプ④…大自然の中で氷を作ってかき氷
・快適e-キャンプ⑤…猛暑にうれしい冷え冷えドリンク!
・快適e-キャンプ⑥…くつろぐときは優しく扇風機を回して
・快適e-キャンプ⑦…車中泊でも仕事でももちろん使えます!

■今回持っていく「AC180」って?

AC180(12万8000円※限定価格)は、ポータブル電源の先駆者的として知られるBLUETTIから発売された新型モデル。サイズはW340×D247×H317mmで、重さは約16kg。コンパクトとまではいきませんが、テントサイトに置いても邪魔にならず、持ち運びもさほど苦にはなりません。

出力は、一般家電で使用するAC出力が4口と、シガーソケットと同じDC出力が1口。ガジェット類を充電する際に使うUSB-Aポートが4口、USB-Cポートが1口備わっており、同時に複数の機器が接続可能。

‎5W/7.5W/10W/15Wのワイヤレス充電も備っています。

■持ち出す前に知っておきたいこと

さて災害時に自宅で使うにしても、アウトドアに持ち出すにしても容量1152Wh、連続出力1800Wと聞いて、ピンとくる人だけじゃないかもしれません。

そこでまず、消費電力と定格消費電力など、ポータブル電源のスペックを読み解くのに必要な電力の基本をおさらいしておきましょう。

「W(消費電力)は、その名のとおり家電を使用するのに消費する電力です。ノートパソコンや扇風機などは100W以下ですが、熱を出すドライヤーやホットカーペットといった家電は1000Wを余裕で超えてきます。また家電によっては、起動時に消費電力を超える電力を要するものがあるので要注意です。そのような家電は大抵、使用する際の最大の電力消費量を『定格消費電力』として表記しています」(まつい)

そんな瞬間的に大量に電力を消費する家電にも対応しているのがAC180の優れたところ。消費電力が合計1800Wまでの家電はもちろん、一時的に出力を上げる「電力リフトモード」の搭載によって、定格消費電力2700Wまでの家電も難なく使用可能。

使用可能時間は容量によって変化しますが、AC180の容量1152Whというのは、消費電力1152Wの家電が1時間連続使用できることを表します。

また、AC出力の「電気の波形」も気を付けたいところ。一般家電は「正弦波」で稼働するように設計されていますが、ポータブル電源の中には「矩形波」という波形で出力されるものがあります。その場合、電力が足りていても家電が使用できなかったり、故障の原因になったりするので注意が必要です。AC180の出力は「純正弦波」なので、その点でも安心して家電を使用できます。

「細かいことをいうと、ポータブル電源に蓄電されている電気は直流電流(DC)で、ACで出力する際は交流電流に変換するのですが、その際に電力の何割かを損失してしまいます。そのため実際は、家電があと何時間使えるのかを計算するのって結構面倒なんです。その点、AC180の場合、使用可能時間をリアルタイムで表示してくれるので安心! あまり電気に詳しくなくても、気軽に使えるのが嬉しいですよね」(まつい)

お勉強タイムはここで終了!

早速どんなシーンで快適になるのか試してみました。

■快適e-キャンプ①…家電だけで極上ブレックファースト

▲トースター「アラジン グラファイトトースター(2枚焼き)」(1万4080円)、IHホットプレート「山善 ミニグリルプレート YHD-701(H) グレー」(2200円)、コーヒーメーカー「シロカ 全自動コーヒーメーカー カフェばこ SC-A371」(2万9700円)

キャンプで食べる朝ごはんは格別なもの。

普段はガスコンロや焚き火台を使って料理をするけれど、何気に時間がかかります。そんなときこそ試したいのが調理家電! 家庭と変わらない感覚で、きっと極上のブレックファーストが楽しめるはず…。

トースターでパンを焼き、ホットプレートで目玉焼きやソーセージ、コーヒーメーカーでコーヒーを沸かせばもう完璧! 3台同時稼働は厳しそうだったので、まずは消費電力600Wのコーヒーメーカーでコーヒーを淹れて保温状態にし、1270Wのトースターと700Wのホットプレートは同時に使ってみました。

「キャンプの翌朝って撤収作業もあるので、あまり朝食に時間をかけたり、洗い物を出したりしたくないものですが、これなら楽でいいですね。トースターとホットプレートを同時に使えるし、コーヒーはスイッチを入れて放置しておけばOK! まさに昨今よくいわれる『タイパ』がいいってやつです」

さすが瞬間最大出力2700WのAC180。同時調理で消費電力2000Wを前後した瞬間もありましたが、まったく問題ありませんでした。

「今回、朝食を作るのに消費した電力は25%ほど。翌朝電力不足で嘆かないように、最低でも30%は残しておきたいですね。ちなみに、コーヒーメーカーはあり! 朝食以外でも活用したくなりました。ソロキャンで1杯ずつ淹れるってのもいいのですが、大人数でキャンプに行くと1杯2杯をチマチマ淹れていられないんですよね。サイトを設営する際に豆を入れて電源を入れておけば、設営が終わったらすぐに美味しいコーヒーを飲めますし! 4杯分を一気に作れるのも嬉しいポイントですね」(まつい)

■快適e-キャンプ②…ポータブルクーラーで冷んやり空間

▲ポータブルエアコン「シロカ 除湿機能付きポータブルクーラー SY-D151」(4万9800円)

これからの季節、キャンプはやっぱり暑い!

そこで最近増加中のポータブルクーラーの出番。冷んやりルームを作れば涼しい中で快適に過ごせるし、熱中症の予防にもなります。

この日の気温は30℃もあり、外に立っているだけでじっとり汗ばむ陽気。普段なら締め切ったテント内はジッとしていられないほど暑いのですが、エアコンを設置しているとほのかに涼しげな感じに! ギンギンに冷えるわけではないものの、昼寝ができる程度には涼しくなりました。

「テントを締め切ってずっと冷やし続ければ、かなり快適になると思いますが、いかんせん消費電力が大きめで…。700Wで連続運転していると5~6時間で電気を使い果たしてしまいますね。夜寝る前に少しの時間だけ使用してテント内を冷やしておけば、電力消費を抑えつつ、寝つきの悪さ対策にはなりそうです」(まつい)

理想はもちろん「ずっと涼しい!」ですが、さすがにAC180をもってしても兼用ではそれは難しそう…。長時間使用したいのであれば、エアコン用に1台用意した方が良さそうです。

■快適e-キャンプ③…炊飯器を活用して“タイパ”キャンプ

キャンプのお昼は、BBQか、焼きそばか、カレーか…悩みどころ。

今回は炊飯器を持っていきカレーに決定!メスティンでご飯を炊くってのも美味しいですが、炊飯器ならあっという間にご飯の出来上がり。持って行ったパナソニック の「自動計量IH炊飯器 SR-AX1」は、水と無洗米を入れとけば、米を研ぐことも、計量する必要もないから便利です。

▲炊飯器「パナソニック 自動計量IH炊飯器 SR-AX1」(4万5540円)

470Wの炊飯器ならば、何の問題もなく使用可能。ごはん一杯分が早炊きで約40分で完成です。待っている間に設営を進めたり、遊びに行ったり、時間を有効活用できます。災害時は、スマホなどの充電と共に炊飯器でご飯を炊く、お湯を沸かすというのが一番現実的な使い方かもしれません。

「圧倒的な手軽さがいいですね。メスティンなどでごはんを炊いてもいいですが、何人も子供を連れて行ったり、ほかのアクティビティに時間を使いたい時なんかは炊飯器は便利かもしれません。キャンプでごはんを炊くっていったら無洗米ですが、最近は無洗米にもブランド米が揃っていて美味しいですし」(まつい)

■快適e-キャンプ④…大自然の中で氷を作ってかき氷

▲ポータブル製氷機「サンコー 卓上小型製氷機 IceGolon」(2万4800円)、かき氷機「ドウシシャ 氷かき器 手動 LivE」(3278円)

アウトドアで食べるごはんはなんでも美味しいけれど、大自然の中でかき氷を食べられたら最高じゃない! ということでポータブル製氷機を持ち出して、製氷した氷でかき氷を作ります。

電動式のかき氷機を持ってきもて良かったものの、やはりガリガリ削る楽しさを味わうことが重要! ということで、あえて手動のモノを用意。製氷機は消費電力120Wで、環境によっても変わりますが、Sサイズの氷なら6分、Lサイズなら8分で一気に7個製氷できる優れモノです。

クーラーボックスに買った氷を詰め込んでくる手もありますが、その場で製氷すれば溶けることも気にせず、いつでも削り立てのかき氷が食べられるのがポイント!

「これ最高ですね~! 120Wと消費電力も低いし、10分もあれば氷が作れますから。残り電力を気にせず安心して使えます。少し溶け始めた氷を使って作ると、かき氷がベチャベチャになりやすいんですが、製氷したての氷だから仕上がりも想像以上にフワフワ。めちゃくちゃ美味しいです。子供とのキャンプで大ウケしますね」(まつい)

■快適e-キャンプ⑤…猛暑にうれしい冷え冷えドリンク!

 

▲ポータブル冷凍冷蔵庫「アイリスオーヤマ ポータブル冷蔵冷凍庫30L IPD-3A-B ブラック」(3万2780円)

夜の楽しみといえば、やっぱりお酒。

でも夏のキャンプで美味しくビールを飲むには、保冷の問題があります。クーラーボックスに氷を詰めてビールを入れても、氷が溶けてベチャベチャに。そんな時にスマートなのがポータブル冷蔵庫。これさえあれば、いつでも冷たいビールが飲み放題です。

20~-20℃の範囲で温度設定ができる容量約30Lのポータブル冷凍冷蔵庫。

外気温によって変わりますが、急速モードの場合、約30分で庫内温度20℃から-5℃まで冷やせて、消費電力は45Wです。保温状態で節電モードにすれば、消費電力は30Wに抑えられます。

「デイキャンプや1泊2日のキャンプなら、クーラーボックスでもいいですが、2泊3日とかになると、どうしても保冷剤や氷の買い足しが必要になりますよね。でも冷蔵庫を持ってくればその手間が省けて非常に快適です。また今回使用したのは冷蔵冷凍庫なので、製氷もできます。別途製氷機を用意しなくても、これひとつで事足りるのは便利ですね」(まつい)

冷えたビールはもちろん、氷も作っておけば冷た~いハイボールも手軽に楽しめるので、お酒好きにはたまらない一夜を過ごせそう。AC180であれば、常時急速モードにしていても充電100%の状態から連続使用で20時間近く使えます。

■快適e-キャンプ⑥…くつろぐときは優しく扇風機を回して

高温多湿な日本の夏は、ただチェアで寛いでいるだけでも汗だくに…。しかも風もない環境なら、座っているだけでも苦痛ですよね。そんな時に持っていきたいのが扇風機! 優しい風が快適なひとときをサポートしてくれます。

▲扇風機「シロカ 人認識センサー付き DC扇風機 めくばりファン SF-HC151」(2万2880円)

ポータブル扇風機とは違って、タイマーをかけてセットできるのが家庭用扇風機のいいところ。夜はテント内で使用すれば、夏のキャンプでの寝苦しさからも開放されそうです。

「正直、使ってみるまでは微妙かも…と考えていましたが、想像以上に快適で驚きました。今回用意した扇風機は、リモコンがなくてもハンドサインで操作ができる機能や、人を見分けて風を送るセンサーを搭載した高性能なモデル。それでも消費電力は28Wなので、夜間つけっ放しでも電力は5%程度しか使用しません。ポータブルエアコンを短時間使用するよりも、こちらの方が現実的ですよね。また、単に涼むためだけではなく、意外と厄介な焚き火の煙の流れをコントロールしたいときにも重宝します」(まつい)

■快適e-キャンプ⑦…車中泊でも仕事でももちろん使えます!

▲スズキ「スペーシア ベース GF 2WD CVT車」(139万4800円〜)

コロナ禍をきっかけに一気に広まったワーケーションも、AC180があれば快適。一般的なノートパソコンの消費電力は20~30W程度なので、長時間の仕事も問題ナシ!コーヒーメーカーや冷凍冷蔵庫も同時に使用すれば、実は家で作業するより快適かもしれません。

「キャンプで使用するのもいいですけど、AC180のこのスペックなら車中泊用に持っておきたくなりますね。車のシガーソケットからも充電可能なので、バッテリーの減り具合をあまり気にせず使えるのは実に快適です。ちなみにこのクルマ、可変式のボードが付いてて作業するのが楽でした」(まつい)

■快適e-キャンプには大容量ポータブル電源が欠かせない

手動のかき氷機を除き、全部で8種の家電を検証した今回。それぞれフル活用はしていないものの、バッテリーは36%残りました。容量1152Whと数字だけ見るとピンとしませんが、実際に使ってみると容量の大きさに驚かされます。

「今回AC180を使ってみて、欲しくなりましたね。キャンプ用としてはもちろん、容量1152Whで1800Wというスペックは防災用としても心強いと思います。特に被災したときに重要なのはお湯。お湯を沸かすためのケトルって、実は1200Wほど電力を消費するのですが、AC180なら1回の充電で何度も沸かせるのがすごいなと。しかもターボ充電機能があるので、残量0から80%までの充電時間はたった45分!頼りになりますよね」(まつい)

急速充電が可能な上に、別売のソーラー充電や発電機充電にも対応。あらゆるシーンでの電力確保に欠かせない存在になりそうです。

「これまでポータブル電源のバッテリーといえば、軽い三元系リチウムイオン電池が主流でした。でも、このAC180で使用されているのはリン酸鉄リチウムバッテリーなんです。高い安全性と長寿命が特徴で、充放電サイクル3500回後も残存量は80%以上。1日1回使い切って充電した場合、10年以上も使い続けられます。10万円以上の価格も、それを考えれば安く感じますよね」(まつい)

「キャンプは不便を楽しむものだ」とよくいわれますが、グランピングシーンの盛り上がりを見ると、そうとばかりは言っていられないのが今のキャンプシーン。もちろん、不便を楽しむのもいいですが、今年の夏はポータブル電源と一緒に家電を持ち込んで、快適な“e-キャンプ”を体験してみるのも面白いかも!?

複数の家電を同時に使用できるAC180なら、さまざまなシーンを快適するだけではなく、調理などの手間を大幅に軽減可能。その分、遊びに時間を使うも良し、ゆったり自然と戯れるも良し、話題の「タイパ」重視のキャンプはまた違った楽しさが味わえるはずです。

>>BLUETTI「AC180」

(取材・文/柿内直樹 写真/須田俊哉)

※屋外での家電使用は、メーカーが補償するものではありません。お客様の自己責任でお使いください

 

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