“日本のモダンウオッチの先駆け”として呼び声の高いキングセイコー。その魅力は、時代が移り変わろうとも、決して廃れることはないだろう。潔い三針スタイルはそのままに、洒脱なアースカラーをあしらった新作は、否応なしに我々の“時計ゴコロ”がくすぐられる。
■注目のアースカラーを纏った、個性と洒落感をもたらす新作
1950年代後半、セイコーはムーブメントやデザインに独自の思想を宿した高いクオリティの国産腕時計を多数発表。その代表が、1960年のグランドセイコーであり、翌1961年のキングセイコーだ。グランドセイコーがスイス時計を目指したのに対し、キングセイコーは高い品質と適正な価格を両立した「高級腕時計」としてデビュー。一時期生産終了したものの、昨年レギュラーモデルとして復活を遂げた。
そして2023年、キングセイコーらしい精悍さと上品さはそのままに、発売当時のファッションから着想を得たアースカラーをダイヤルに落とし込んだビンテージライクな新作が登場。特徴的な多列ブレスレットは、新たに面取りを施し、現代的なシャープさを手に入れている。
また、工具なしで気軽に着脱できる新機構のメタルブレスレットを採用している点も特筆に値する。別売りの専用レザーストラップと組み合わせることで、メタルブレスレットとはひと味違う表情が楽しめるだろう。
着ける腕時計によって人となりが見られる今、時代に左右されることのない普遍的な価値を持つ1本を選びたいところ。その最適解こそ、国産機械式腕時計の“王”たるキングセイコーなのは言うまでもない。
■キングセイコーの深みを堪能する4つの“視点”
1961年に誕生し、一時期生産を中断していたものの、実に60年以上の歴史を誇るキングセイコー。新作となる本モデルも、本質的なモノの良さを秘めた1本に仕上がっている。それゆえ、語りどころも満載。我々の所有欲を満たしてくれること請け合いだ。
【視点1】まずはキングセイコーの歴史を知る
1961年、東京・亀戸が拠点の第二精工舎にて誕生。当時、高級時計としての性能やデザインを誇りながらも、比較的良心的な価格だったことも相まって人気を博す。クオーツ時計の登場により、10余年続いた歴史に幕を下ろすが、2022年にレギュラーモデルとして復活を遂げる。
1965年に登場したキングセイコーのセカンドモデル、通称“KSK”は時代を超えて評価される逸品だ。なぜなら、初代モデルにはなかった防水性能や、秒針規制装置を備え、実用面が飛躍的に向上したから。本作は、そんな名品をベースに現代仕様へと再構築されている。
【視点2】細部の作り込みが高級感に拍車をかける
デイト表示のみをあしらったシンプルな3針デザインながら、多面カットを施した立体的なインデックスや視認性に優れる太くて長い針など、KSKらしさは健在。ダイヤルカラーは60年代〜70年代のカルチャーから着想を得た味わい深いアースカラーを採用している。
精悍かつ上品さを兼ね備えるフラットな多列ブレスレットは、60年代のキングセイコーをオマージュしたもの。ケース同様、鏡面とヘアラインに細かく仕上げ分けすることによって、つい腕元を眺めてしまいたくなるような、“光の躍動”が見て取れるだろう。
【視点3】簡易着脱レバー式バンドで着せ替えを楽しむ
バンドは工具なしで簡単に着脱可能。別売りの専用レザーストラップと組み合わせることで、シーンや着こなしに応じた着せ替えが楽しめる。ちなみに、レザーストラップは10種類と実に豊富。なお、公式サイトでは着せ替えのシミュレーションも行える。
ダブルレバー式の簡易着脱レバーにより、着脱がしやすい。また、エンドピースは過度な回転をしない構造になっている。
【視点4】収まりの良い小径デザインがさまざまな着こなしにマッチする
我々に欠かせない仕事着のひとつであるスーツ。キングセイコーの成熟した堂々たる佇まいは、貫禄あるビジネススタイルを構築するうえでひと役買っている。また、38mm径の小ぶりなデザインは日本人の細い腕とも好相性なうえ、幅広い着こなしにマッチするだろう。
60年代に流行したアースカラーのダイヤル、時分針とインデックスに施したエイジングカラーのルミブライトなど、本作は「レトロ」を主軸においている。ゆえに、男の定番着であるデニムとの相性も抜群。まさにオン・オフ問わず楽しめる1本に仕上がっているのだ。
■「キングセイコー」ノベルティキャンペーン
2023年11月1日より、セイコーウオッチサロンでキングセイコーを購入したお客様に、時計や小物を置くのにぴったりなオリジナルトレイをプレゼント。数が限られているので、チェックはお早めに!
>> キングセイコー
<編集・文/若澤創 写真/江藤義典 スタイリング/宇田川雄一>