2023年後半のイヤホン市場のトレンド、これはもうモノメディア編集者として断言できます。「ながら聴き」もしくは「オープンイヤー型」です。いわゆる耳を塞がないタイプですね。
オンライン会議が日常化し、さまざまな音声メディアも台頭。何かの“ついで”や“ながら”でコンテンツを楽しめるイヤホンは、オーディオというジャンルを超えてウエアラブルの領域に入りつつあり、その中で、耳の負担にならないオープンイヤー型イヤホンに注目が集まるのは当然の話なのです。
そのため、有名ブランドはじめ各社からさまざまなモデルが登場しているのですが、そんな中に思わぬ伏兵がいたんです。それがOneOdio(ワンオディオ)の「OpenRock Pro」(Amazonで詳細を見る/通常価格:1万8480円)。これが本当に侮れない実力でして。
説明を読むかぎり「スポーツ時にもしっかりフィットして動かない防水仕様のオープンイヤー型イヤホン」なわけですが、使ってみて驚きました。とにかくあらゆる意味で“快適”なんです。装着感、音質、音漏れ具合、スタミナ、どれをとってもかなりの満足度。
では詳細を見ていきましょう。
■軽くて安定した「装着感」
耳穴で支えることができないオープンイヤー型の場合、多くが耳上部に引っ掛ける形状になります。「OpenRock Pro」の場合も耳掛けタイプになり、“人間工学に基づき様々な耳の形に適応する”ように設計されているとのことなのですが、これが本当に違和感がない。
耳の前方から弧を描くように耳上部に差し込んでいけばOK。フック部分の一部がシリコン製になっていて、調整が可能になっています。
慣れれば片手で簡単に装着でき、そしてどれだけ頭を動かしても微動だにしない。これなら激しい運動でも心配なしです。しかもイヤホン本体はIPX5の防水仕様なので、汗や雨も問題なし。もちろん耳穴をふさいでいないので、ランニング時などで周囲の状況がわかり安心ですよね。
ちなみにメガネユーザーでもほぼ違和感がないですよ。ただし、装着の際はメガネを外したほうがしっかりフィットさせられるかも。
■低域もしっかり出す「高音質」
耳穴をふさがないイヤホンの泣きどころが低音の弱さ。電波は周波数が高くなると直進性が高くなり、周波数が低いと回り込む傾向があります。そのため周波数の低い低音域はどうしても拡散しやすく、耳穴をふさがないオープンイヤー型の場合、低音がスカスカに…。
でもこの「OpenRock Pro」、しっかり低音を感じられるんですよ。どうやら、独自開発の低音強化テクノロジー“TubeBass”が効いている模様。いや~これはうれしい! やっぱり下がスカスカだと音楽聴くには寂しいですからね。
また、16.2mmというかなり大口径のダイナミックドライバーの効果もありそう。全域で耳穴に差し込むカナル型に近い臨場感あふれる音を聴かせてくれます。オープンイヤー型イヤホンってあくまでBGM程度だよね、と思っていたら驚くこと間違いなしです。
■想像以上の「音漏れの少なさ」
オープンイヤー型は当然ながら音漏れはします。とはいえダダ漏れでOKというわけではないので、各社さまざまな技術で極力音漏れしないようにしているわけですが、そこはやっぱりピンキリ。よっぽど音を小さくしないと音漏れしまくるモデルも中にはあります。
では「OpenRock Pro」はどうか。これがかなりのレベルで音漏れを少なくしてくれるんです。静かな部屋で音量を徐々に上げていくと、十分音楽を楽しめる音量を超えたあたりで2mほど離れた人にも音が聞こえました。これぐらい音漏れが少ないなら、ちゃんと音楽を楽しみつつ、周りへの音漏れを防げます。もちろん、音の指向性が高いこともあると思います。
そして、マイクにはデュアルノイズキャンセリング機能が付いています。クリアな声を相手に届けられるということは、例えばオフィスでのオンライン会議でも使えるというわけですね。周りの音を聞こえるようにしつつ、相手の声もしっかり聞こえて、自分の声もしっかり届ける。これは、ありがたい!
■長時間使い続けられる「スタミナ性」
耳穴をふさぐカナル型の完全ワイヤレスイヤホンの場合、イヤホン本体は小さくなってしまいます。そのため積めるバッテリーも小さく、長時間使用ができません。一方、「OpenRock Pro」の場合は、フック部分があることで大きめのバッテリーを搭載できます。
その結果、実現したのが、イヤホンだけで約19時間という驚異の再生時間。これなら、長時間のランニングはもちろん、充電し忘れた!なんてこともなくなりそう。ちなみに、充電ケースを含めると最大約46時間も使えて、もしバッテリーが切れたというときも、5分の充電で約1時間使える急速充電にも対応しています。
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オープンイヤー型でイヤーフックタイプの場合、実は装着感が最重要だったりするんですが、じゃあ軽ければいいというわけではなく、体感として気にならないかが大きなポイントになります。「OpenRock Pro」の場合は、この装着感がとにかく軽い。なのに動かない。この安定感は特筆ものです。
しかも音質もかなりイイ。しっかり低音を感じられる音には驚きでした。対応コーデックに高音質&低遅延のaptXが入っているのもありがたい。オープンイヤー型イヤホンの音質って、ある程度妥協が必要だと思っていたところに、これだけの音。うれしい誤算でした。
実はいまも「OpenRock Pro」を着けて音楽を流しながらこの原稿を書いているわけですが、本当に耳に違和感がない。耳穴をふさぐのが苦手、ランニングなど運動しながら音楽を聴きたい、オンライン会議で使えるイヤホンを探している、という人で、音質も妥協したくないという人はぜひ一度試してみる価値、アリです。
ちなみに2023年11月24日~12月1日で開催中のAmazonブラックフライデーでは、通常価格1万8480円のところ、31%引の1万2735円で購入可能ですよ。
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<取材・文/円道秀和(&GP)>