ビジネスパーソンのカバン選び。よくよく考えると案外難しかったりするものです。服装にもよるし、職種にもよる、入れる荷物によっても選ぶカバンは変わってきます。新社会人はもちろんのこと、転職した人だってコレという正解がないから困ったりすることも。
その悩み、Orobianco(オロビアンコ)が解決してくれるかも。
オロビアンコといえば、2000年から2010年頃にかけてイタリアンファッション人気を牽引したブランドとして覚えている人も多いのでは。
そのオロビアンコが今年リブランディング。
「あのイタリアカラーのリボンが付いたバッグだよね?」
という人もいるかと思いますが、いま考えると少々イタリア色が強い従来のイメージから、よりモダンな雰囲気へとリニューアル。いったいどこが変わって、どんな人に、どんなスタイリングに合うバッグになったのか。
&GPでバッグ連載を持ち、ビジネスからカジュアルまでさまざまなバッグに精通するスタイリストの宇田川雄一さんと、バッグ連載の担当編集であり&GPのファッション担当でもある若澤創が、新生オロビアンコを徹底解剖していきます。
■以前とどう違うのか
宇田川 若澤さんは30代前半ですが、以前のオロビアンコって覚えてますか?
若澤 大学生の頃に、イケイケな社会人が持ってたイメージですね。
宇田川 たしかに(笑)。2010年頃とかはセレクトショップがもうオロビアンコだらけでした。ちょうどイタリアブランドがたくさん入ってきた時期で、イタリアファッション含め、社会人のモテるバッグ、イケてるバッグの最先端がオロビアンコをはじめイタリアのいくつかのブランドみたいになってました。
若澤 そのイメージがあったから、新しいオロビアンコって、言われないとオロビアンコだとわからないですね。普通にいいバッグだなって思っちゃいました。
宇田川 そうですね。いい意味で、以前のギラギラした感じがなくなりましたよね。でも端々にオロビアンコらしさもある。ファスナーだったり、上品さだったり。やっぱり大人な雰囲気を持っている。
若澤 あとカラーがいいんですよ。このグレーいいなぁ。
宇田川 うん、いいですね。王道なスーツを着ていたり銀行員だったりというよりは、ちょっとファッションが自由な社会人で、品とか清潔感を見せたい人にはすごくいいブランドだと思います。
若澤 本当にそう思いますね。今はもうガチガチのスーツっていう時代でもなくなってきているし、年代問わず、それこそ(以前の)オロビアンコってブランドを知らない人でも入りやすい。普通にいいバッグだし、使いやすい。むしろ知らないほうがスッと入れるんじゃないかなぁ。
宇田川 わかります。そういう意味では、若い人にもいいですよね。では気になるバッグを詳しくみていきましょうか。まずはヘルメットバッグから。
▼スーツ×ヘルメットバッグ
Orobianco
「タッティカ No.92943」(4万5100円)
サイズ:43×39×9cm、730g
若澤 バッグのトレンドで、今年はヘルメットバッグがくるんじゃないかなって思ってまして。もうリュックとかは飽きてきて、次どうしようかって悩んでいる人は多い。そうなった時に、カジュアル使いもできるヘルメットバッグって、カタチとしても新しいし、実は期待しているバッグなんです。
宇田川 そもそも従来のヘルメットバッグって、ちょっと使いづらかったんですよね。ポケットがざっくりしていて。でもこれは、内部やポケットの実用性が伴っていて、カジュアルではなく大人のヘルメットバッグに仕上げられている。ショルダーストラップも付いているし、使い方も幅広い。
若澤 たしかにポケットがいい。&GPでも結構多機能系バッグって人気なんですよ。宇田川さんのバッグ連載でも、多機能トートの読者からの反応がすごくいい。
宇田川 あと色もいいですよね。これはグレーと黒の2色展開なんですね。
若澤 グレーいいですよね。
宇田川 ここ数年“コンクリートカラー”が流行ってますからね。都会的な印象になるんですよ。
若澤 それに一般的なヘルメットバッグって、メインコンパートメントに荷物を入れるとカタチが変わっちゃうんですが、これはそれがない。ちゃんとPCスリーブもあるし、ビジネスパーソンでも違和感ないと思いますね。
※オリヒカのスーツ/4万2900円、シャツ/4290円、ネクタイ/4290円(オリヒカ 池袋東口店)
▼ビジカジ×白トート
Orobianco
オログラム アットレッツォ No.92886」(4万7300円)
サイズ:52×32×18cm
若澤 色に目が行きがちですが、実は機能というか仕様がすごくいい。天ファスナーが付いているんですよ。
宇田川 あとは底にクッションが入っている。これも気が利いててめっちゃいい。ドンッと置いちゃうことってあるじゃないですか。そういう時にクッション性があるって大事。
若澤 PCスリーブとかはないですが、むしろこういうトートってざっくり入れたかったりして、そこが魅力だったりするわけで。しかもこのバッグ、めちゃめちゃ入るし。春先とか着込まない季節にゴルフ行く時とかも使えそう。
宇田川 あとはオーバーナイターとしてもいいですね。1泊2日ぐらいなら余裕だと思います。
若澤 それに普通の真っ白じゃないのもいいなと。やっぱりこの工具をイメージしたオリジナルのモノグラム柄が効いてる。
宇田川 表面も加工されていて、汚れとかも弾いてくれそうだし。そういう意味でも、真っ白とはいえ手入れしやすい。あと、モノグラムって僕的には結構レトロなイメージあるんですけど、30代前半の若澤さん世代だとどんなイメージなんですか?
若澤 あんまり考えたことないかも(笑)
宇田川 デザインのひとつということなんですね。でもシンプルなファッションの人こそ、こういうのを持ったほうがいいんですよ。Tシャツとデニムなんかの時にこういうバッグを持つだけで大人っぽくなる。
宇田川 モノトーンとかシンプルな服装こそ、こういうさりげない柄が入っている方がいい。自分をちょっと大人っぽく、洗練された清潔感ある印象にしたい時にはいいのでは。
若澤 本当に今回のスタイリングと合ってますよね。
宇田川 ビジカジみたいな感じの時には、こういうのいいですよ。オフも使えるし。パートナーとシェアしたりとかもアリかも。
※アンフィーロのジャケット/1万5990円、イージーパンツ/9900円、ロングスリーブTEE/3990円(オンワード樫山)
▼カジュアル×ワンショルダー
Orobianco
「ソーロ No.92957」(4万700円)
サイズ:13×33×5cm、570g
宇田川 このワンショルダーはまさに“オロビアンコ”ですね。本革があしらわれているところとか高級感があるし。それに革は耐久性が高い。以前はバッジやファスナーにギラギラしたものが使われていましたが、そういったディテールを変えることで落ち着いた印象になってます。
若澤 もう今は荷物が少なくなっているじゃないですか。財布も小さくなってるし、そもそも財布いらなかったりする。そういう意味では、このぐらいがちょうどいいのかも。
宇田川 ちなみにこのタイプのワンショルダーバッグって、横型のバッグに比べて縦のラインが強調されるんですよ。だから背筋がシュッとして見える。全体的に細く見せたいとか、スタイル良く見せたいとかそういう人にはいいと思いますよ。
若澤 ファッションバッグですよね。機能性もあるんだけど、バッグをファッション使いというか、アクセサリーとして使うという時にぴったり。夏の半袖短パンとかで、ちょっと寂しいときにいい。
宇田川 内部はしっかりポケットが付いていたりとか、使い勝手も良さそうなのもポイントですね。見た目だけじゃないという。
若澤 そうそう、ショルダーストラップも左右どちらでも掛けられるから、右掛けの人でも左掛けの人でも大丈夫。よくできていると思います。
※アンフィーロのパーカー/6990円、ジョグパンツ/9900円(オンワード樫山)
■それぞれが気になったバッグはいったい…
宇田川 モノグラムの白いトートは好きですね。若い人でもちょっと大人っぽく見せたいというならとてもいいんじゃないでしょうか。カジュアルだからラフではなく、社会人になったしちょっと自分のステージを上げたいみたいな感覚で。いい時計を買うのと同じで、いいカバンを持つ。
若澤 いいバッグが欲しいけど、ブランドっていっぱいある。そうなった時に、価格帯もそんなにべらぼうに高いわけじゃない新生オロビアンコはピッタリかも。
宇田川 実はナイロンも経年変化でいい感じになるんですよね。本革とナイロンの変化を楽しめるとなると結構長いこと使えるわけで、コスパ的には悪くない、むしろいいと思うんですよね。
若澤 そうですね。リニューアルしたことで、流行とは一線を引いた長く愛用できるデザインに仕上がっている感じです。「これ買っとけば間違いない」というか外さないという感じかな。普通にいいバッグブランドになりましたよね。
宇田川 初めて触れる若い世代はもちろんですが、あらためてオロビアンコに触れる世代にもオススメですね。ちょうど新生活シーズン、気持ちを新たにする意味でも、バッグを変えてみるというのもアリですよ。
>> オロビアンコ
<取材・文/円道秀和(&GP) 写真/湯浅立志(Y2) スタイリング/宇田川雄一 モデル/マツキヨ>