ブローバを代表するコレクション「マリンスター」と共に考える。“良い腕時計”の条件とは?

夏本番を目前に控え、Tシャツ1枚で過ごせる日も増えてきた。となると、俄然高まる腕時計欲。なぜなら、スタイルアップを狙うのに腕時計の存在は欠かせないから。さて、ここで問題になってくるのがその選び方。デザイン、貫禄、機能性、そして価格と、見るべきポイントが多いゆえ、時計選びは困難を極める。

■時計とファッションのプロが推薦。夏こそブローバの「マリンスター」に注目するべき3つの視点

▲左:スタイリスト 井上裕介さん/さまざまなメディアや広告に携わるファッションのプロにして、腕時計の識者としても活躍。右:時計ジャーナリスト 篠田哲生さん/幅広い見識を備え、各メディアや時計ブランドからの信頼も厚い

自分の感覚やフィーリングで選ぶのも楽しいが、第三者の意見を取り入れることで新たな発見に繋がるかもしれない。ということで、今回は腕時計に一家言ある2人のプロをアサイン。

今夏大注目の腕時計として2人が挙げたのは、アメリカの老舗時計ブランドであるBULOVA(ブローバ)の定番モデル「マリンスター」。その理由をはじめ、ブローバというブランドそのものの魅力を、心ゆくまで語っていただくとしよう。

【視点1】約150年の歴史を有するブローバへの圧倒的な信頼感

1875年に、ニューヨーク マンハッタンのメイデン・レーンの宝飾店からスタートしたブローバ。“量より品質、生産より完璧性”をモットーに掲げ、「アキュトロン」をはじめとする、数々の“世界初”を生み出している。

▲世界初の音叉式電子時計「アキュトロン」。写真提供:ブローバ

&GP お二人がブローバを知ったきっかけについて教えてください。

篠田さん(以下篠田) やっぱり「アキュトロン」ですね。音叉を活用した世界初のシステムを搭載した腕時計だけに、時計の歴史を語るうえで避けては通れないエポックメイキング。NASAが実施した宇宙飛行にもアキュトロンが活用されていたというエピソードも込みで、非常に興味深いモデルですね。

井上さん(以下井上) 僕は、ブローバ歴代の傑作時計を復刻させた「アーカイブスシリーズ」です。「コンピュートロン」ようなユニークな顔立ちのモデルから、「デビルダイバー」のようなレトロ感のあるダイバーズまで幅広いデザインが揃っていて、スタイリングを組む際に重宝しています。

&GP デザインがおしゃれで語りどころもある…。これだけでもブローバを選ぶ価値がありそう。

篠田 移り変わりの激しい現代において、一世紀半も続くブランドってそうそうないです。時代のニーズをしっかり掴んで、ユーザーの期待に応えてきた証拠でもあるので、そういう意味でもブローバは自信をもっておすすめできるブランドですね。

【視点2】夏のシンプル&ラフな着こなしにハマる洒脱なデザイン

「マリンスター 98A227」(7万2600円) ケースサイズ:45mm、厚み:13.45mm、パワーリザーブ:42時間、SS(ローズゴールドPVD)ケース、20気圧防水、自動巻き

&GP 昨年は記録的な猛暑でした。今年も昨年並に暑くなるみたいですが、「マリンスター」は夏のファッションとの相性はいかがでしょうか。

井上 宝飾店からスタートしただけあって、ラグジュアリーな雰囲気に仕上がってますよね。ローズゴールドPVDのケースにネイビーのビスをあしらったり、ラバーストラップの裏に赤色を使ったりと、ほかの時計ブランドにはあまり見られない意匠が施されていておもしろいです。もちろん、夏のシンプルな着こなしにうってつけ!

篠田 45mmという存在感のあるケースサイズも、半袖で過ごす時期にはぴったりですよね。

シャツ 2万9040円/レミ レリーフ(ユナイト ナイン)

【視点3】高品質ながら“アンダー10万円”というリアルプライス

&GP さて、実際に買うとなると、やはり価格面は無視できません。現在ラインナップされているマリンスターはすべてのモデルがアンダー10万円。この点についてはいかがですか?

井上 腕時計において、10万円以下かそうでないかは、結構重要な気がします。

篠田 間違いなくひとつのラインですね。マリンスターは国産の高品質なメカニカルムーブメントを使ってますし、オープンハートの意匠も気が利いている。原材料の高騰や為替の関係で軒並み値上がりしている中、この価格帯で収まっているのはなかなかすごいことですよ。

■今夏新たな「マリンスター」が誕生。卓越した審美眼を持つプロたちはどう評価する?

1970年代に登場し、ブローバを代表するコレクションの「マリンスター」。50年以上経った今もなお高い人気を誇るスタンダードなモデルに、3つの新作が仲間入りを果たした。日々さまざまな腕時計と触れ合う2人のプロに、新たなマリンスターについてもたっぷりと語って頂いた。

■実は初のオールステンレス仕様。従来のラグジュアリー感に重厚感が加わった新生「マリンスター」

「マリンスター 98A302」(7万2600円) ケースサイズ:45mm、厚み:13.45mm、パワーリザーブ:42時間、SSケース、20気圧防水、自動巻き

&GP フルメタルモデルのマリンスターが登場しました。ラバーストラップのモデルとはまた違った雰囲気に仕上がってますね。

篠田 カッコ良いですね。マリンスターの気品溢れるデザインに、メタルの力強さが加わったことでより幅広い年齢層に響く腕時計になっているのかなと。多少重くはなったと思いますが、腕につけたときの存在感はグッと増しましたね。

井上 ダイヤルやベゼルはネイビーに統一されているので、幅広いスタイリングに合いますね。ベゼルはサテン仕上げとポリッシュ仕上げの両方が施されているので高級感ありますし、随所にあしらわれたオレンジの差し色も効いてます。

篠田 7時位置のスモールセコンド、ケースバックはシースルーになっていて、これぞ機械式時計ならではの嗜みというか、所有者の特権ですよね。パワーリザーブは42時間と、日常使いにおいては必要十分。ブローバはデザインが良いので見た目で選びがちですが、肝心の中身が…とは決してならないのも良い。

クリーンな夏スタイルでネイビー×シルバーの洗練感を際立たせる

&GP 白のポロシャツにネイビーのスラックスを合わせた爽やかなコーディネートですね。

井上 オールステンレスの腕時計ってそれだけで存在感があるので、それを引き立たせるようにシンプルな着こなしを心がけました。ポイントは、ネイビーカラーのダイヤルとスラックスをリンクさせたところ。ちょっとしたことなんですが、スタイルに統一感が生まれて、全体が整うんです。

ポロシャツ 3万9600円、パンツ 4万1800円/ともにジョン スメドレー(リーミルズエージェンシー)

■独自の高精度ムーブメントを搭載。ファッション性と機能性を両得する「マリンスター シリーズ C」

「マリンスター シリーズC 96B426」(9万3500円) ケースサイズ:43mm、厚み:12mm、プレシジョニストクォーツ、SSケース、20気圧防水、月差±5秒

井上 シンプルなモノトーンかと思いきや、ダイヤルは少しシルバーがかっているんですね。このデザイン、個人的に一番好みです。

&GP 今年の夏、マリンスターに新たに加わった「シリーズ C」というモデルです。こちらには、ブローバ独自の高精度ムーブメントである“プレシジョニストクォーツ”が搭載されているそうです。

篠田 プレシジョニストクォーツは、262kHzの高振動がもたらす高い精度が特徴です。どれくらいすごいかというと、通常のクォーツが3万2768Hzなので、約8倍の振動数です。

井上 振動数が高い、ということはそれだけ精度が高いということですよね。

篠田 その通りです。水晶振動子(クォーツ)を高速で振動させるには、大きな電力を必要とするわけですが、従来のままのクォーツではどうしても限界があります。その点についても、独自の三つ足形状の水晶振動子を使用することでクリア。結果として、月差±5秒という高精度を実現しています。

篠田 それに、高振動の恩恵は精度だけでなく、針の動きにも与えています。時計は秒針が1秒ごとに止まるステップ運針が主流ですが、こちらは高級機械式時計に用いられるような滑らかな“スイープ運針”。どちらも同じ1秒には変わりありませんが、細部にも決して手を抜かず、しっかりと追求する姿勢に、老舗時計ブランドとしての矜持が感じられます。

正統派な顔つきの三針デザインはジャケパンスタイルとも好相性

&GP 夏とはいえ、ときにはカチッとしたスタイルが求められるシーンもあります。そんなときにも、「マリンスター シリーズC 96B426」なら難なく馴染んでくれそう。

井上 シルバーのダイヤルにブラックのベゼルを組み合わせたカラーは、仕事にも使える万能性があります。今回のような高機能ジャケットを用いたカジュアルなジャケパンスタイルはもちろん、フォーマルなスーツにも合うでしょうね。12角形のポリゴンケースでさりげなく個性を主張できるのも良いです。

篠田 ベゼルはセラミックを使ってますね。耐久性が高く、紫外線による色褪せもしにくいので、長きにわって愛用できる1本だと思います。

ジャケット 2万7500円、パンツ 1万7600円/ともにニューバランス(ニューバランスジャパンお客様相談室)、Tシャツ 1万2100円/レミ リーフ(ユナイト ナイン)

▲ブラウンダイヤルとローズゴールドPVDケースの美しいコントラストが腕元にクラス感を宿す、もうひとつの“C”

「マリンスター シリーズC 98B421」(8万6900円) ケースサイズ:43mm、厚み:12mm、プレシジョニストクォーツ、SS(ローズゴールドPVD)ケース、20気圧防水、月差±5秒

&GP プレシジョニストクォーツを使用したシリーズCには、カラーとストラップの素材違いでもう1本ラインナップされています。

篠田 クラシカルテイストのデザインが注目されているからか、ゴールド系の腕時計が再評価されてますね。

井上 このモデルに関しては、日本人の肌に合うローズゴールドを取り入れていることもあって、これみよがしな感じにならない絶妙なバランスに仕上がってますね。着こなしにちょっと色を取り入れてみようかなと思っている人にぴったりだと思います。

井上 見た目はステンレスブレスレットのほうが好きなんですが、実際に身につけるとなると、ラバーストラップの装着感の高さは非常に魅力的。ちなみに、このモデルに使われているストラップには裏側に汗を逃がす模様が入っているらしく、季節的にも大いにアリですね。

篠田 僕は腕時計を買ったら、ストラップを自分好みに替えることが多々あります。このモデルなら…たとえば黒のNATOストラップに変更してミリタリー感を出すのも良さそう。幸い、ストラップを簡単に外せるようになっているので、そういう楽しみ方もあるでしょうね。

ローズゴールドカラーの華やかさを味わうシックなオールブラックスタイル

&GP 「マリンスター 98A302」のときに、ダイヤルのネイビーカラーをパンツの色と合わせることで統一感が生まれる…と言っていましたが、今回もそういう狙いがありますか?

井上 まさしく! もちろん白Tなどと合わせても良いですが、今回はローズゴールドカラーの美しさや色気を際立たせたかった狙いもあって、上下黒のオールブラックのコーディネートを選択しました。

篠田 おしゃれな見た目もさることながら、なにげに20気圧防水も備えているので、アクティブなシーンにも使える汎用性がありますね。

Tシャツ 1万2100円、パンツ 2万9700円/ともにレイニングチャンプ(レイニングチャンプ)

■“欲しい”要素がすべて詰まったブローバの「マリンスター」は間違いなく良い腕時計だ

&GP こうして改めて3本を見比べてみると、趣がそれぞれで異なりますね。

井上 ダイヤルカラーだけで見ても、ネイビー、シルバー、ブラウンと、人気色を上手に取り入れてますよね。僕らが選ぶ洋服も、実際は白、グレー、黒がほとんどだと思うので、今回ラインナップされている新作については、どのモデルを選んでも気負わず普段着に取り入れられそうです。

篠田 特にブローバであれば、品質も申し分ないですし、飽きのこない顔立ち、そして何より約150年の歴史がもたらす信頼性があります。およそ“良い腕時計”に求められる要素がすべて揃ったブローバの「マリンスター」を、夏の新たな相棒に加えてみてはいかがでしょうか。

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ブローバは2024年6月14日(金)〜2024年8月4日(日)の間、サマーキャンペーンを開催中。期間中に対象店舗及び公式ECショップにて腕時計を購入すると、特典でオリジナル今治ハンドタオルがもらえる夏にぴったりなキャンペーンだ。

さらに、ブローバの旗艦店である、シチズン フラッグシップストア 東京とシチズン フラッグシップストア 大阪の2店舗のみ、今回紹介したプレシジョニストクォーツ含む、ハイプレシジョンクォーツ搭載モデルを購入すると、ブローバオリジナルグッズがもらえるのでこちらもぜひチェックしてほしい。

>> BULOVA「マリンスター」

<取材・文/若澤 創 写真/村本祥一(BY THE WAY) スタイリング/井上裕介>

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