提供:セイコーウオッチ株式会社
男が身につける数少ない装飾品のひとつ、腕時計。ときには名刺代わりに、あるいは気分を上げるモノとして、我々にとって欠かすことのできない存在だ。となると、長きにわたって共に過ごせる良質な1本を選びたいところ。
そこで注目してほしいのが、セイコーが誇るプロフェッショナルウオッチ「セイコー プロスペックス」のダイバーズウオッチだ。その質実剛健な見た目は季節やシーンを問わず人気が高く、タフな機能性は日常使いにも最適。今回は、その中でも最高峰にあたる「マリンマスター」にフォーカス。“腕時計の本質とは何か”を考えさせてくれる本格機械式時計が揃っている。
■これが原点。セイコーからはじまった“国産ダイバーズ”の歴史
マリンマスターを語る前に、まずはセイコーダイバーズの歴史を振り返りたい。特に、1965年に登場した初代機と、1968年のモデルに関しては、本稿の主役であるマリンマスターへの重要な伏線になっているので、ここはぜひ押さえておきたいポイントだ。
▼1965年、国産初の150mダイバーズウオッチが誕生
1960年代初頭、日本国内におけるダイビング需要が高まる中、セイコーはそれに応える形で、本格的なダイバーズウオッチの開発に着手。
そして1965年、150mの防水性を備える国産初のダイバーズウオッチ「62MAS」が誕生した。1966年から4度にわたって「南極地域観測隊」の装備品に寄贈され、信頼性と安全性を追求したその確かな性能が実証された。
▼当時世界最高水準の防水性能&高精度ムーブメントを搭載した名機
1968年に登場したメカニカルダイバーズは、進化の象徴ともいえるモデルだ。この時計は、当時世界最高水準にあたる3万6000振動/時を誇るハイビートを搭載しながら、300m防水という機能性を実現。
なお、植村直己、松村輝夫の両氏が1970年代のエベレスト登頂の際に用いたことでも知られている。
■セイコーダイバーズの進化は止まらない。フラッグシップモデル「マリンマスター」が体現する“技術の粋”とは
ここからは、初代ダイバーズが登場してから約60年にわたって脈々と受け継がれてきたセイコーの技術開発の集大成ともいえる「マリンマスター」にフォーカス。
いわばセイコーダイバーズにとっての“顔”となる存在なだけに、完成度の高さは言わずもがな。ダイバーズ好きのみならず、ワンランク上の腕時計を求めている人にとっても最有力候補になること請け合いだ。
■新開発の薄型キャリバー“6L37”が「マリンマスター」にもたらす効能
腕時計を選ぶとき、デザインの好みと同じくらい重要視してほしいのが中身、つまりムーブメントの存在だ。なぜなら、ムーブメントの良し悪しはブランドの品格にも関わる重要なポジションであるから。
キャリバー6L37は、セイコーの自動巻機械式ムーブメントとしては最薄の高性能ムーブメントだ。セイコーが定める厳格なダイバーズ規格を満たしながら、45時間のパワーリザーブ(最大巻上時)と、日差+15秒〜10秒という高い精度を備えている。
一般的なダイバーズは、「大きい」「厚い」「重い」というイメージがあるが、キャリバー6L37を搭載するダイバーズはその逆。装着感も良く、日常使いするにおいても申し分ないモデルといえる。
【注目モデル1】深いブルーの立体ダイヤルが個性と爽やかさを手元に宿す「SBEN009」
ここからは、薄型キャリバー6L37を搭載した3つの注目モデルを紹介。しかし、共通項はムーブメントだけではない。そう、初代セイコーダイバーズのダイヤルデザインを踏襲しているのだ。
その証拠に、見た目の印象を左右する時分針及びインデックスの角形デザインはオリジナルモデルそのもの。しかしながら、逆回転防止ベゼルの刻みは深く立体的で、ケースは鏡面とヘアラインによる仕上げ分けがされているなど、フラッグシップモデルらしい高級感や上質感を併せ持っている。
また、太さの異なる直線を組み合わせた立体ダイヤルは、打ち寄せる波をイメージしており、「SBEN009」にあしわられたブルーのダイヤルカラーと抜群の相性を誇っている。
【注目モデル2】初代セイコーダイバーズの雰囲気を彷彿とさせる「SBEN011」
先程の色違いにあたる「SBEN011」はダイヤルにブラックカラーをあしらった王道ともいえる1本。オリジナルもブラックダイヤルということを考えると、より初代に近いイメージで身につけられるだろう。
なお、ブレスも新たに開発した5連ブレスレット(オリジナルは3連)を搭載しており、薄型ムーブメントと組み合わせることで高い装着感が味わえる。
【注目モデル3】鮮やかなスカイブルーが新鮮さをもたらす「SBEN007」
3本目は清涼感溢れるスカイブルーのダイヤルとブルーのベゼルを合わせた鮮やかなモデル。ツールウオッチとしての意味合いが強いダイバーズだが、こと「SBEN007」に関しては、よりファッショナブルに身につけられるだろう。
3モデルに共通することだが、裏蓋にはなんとシースルーバックを採用。筋目模様が美しいキャリバー6L37の駆動を視認できる。これは機械式オーナーならではの特権であり、所有欲を存分に満たしてくれるだろう。
■すべてはダイバーのために。キャリバー“8L35”はセイコーが目指すモノづくりの精神そのものだ
先述の通り、腕時計は外装に目を向けがちだが、同等かそれ以上に重要なのがムーブメントの存在。ということで、ここからはセイコーがダイバーのために開発した最高峰の機械式ムーブメントであるキャリバー8L35にフォーカス。セイコーだからこそ成せる職人技がそこにはある。
時計の精度を左右する重要なパーツといえば「てんぷ」だ。てん輪とひげぜんまいで構成されるこのパーツは温度変化に弱く、特にてん輪は金属製のため、熱によって形が変化してしまうことがある。キャリバー8L35は、通常2、3本であるてん輪を4本に増やすことで温度による変形を抑制し、安定した精度を提供することに成功。
また、回転を安定させるために0.000001g単位でホイールバランスをチェックするなど、徹底した精度管理を行っている。
一度フルに巻き上げると約50時間のパワーリザーブを誇るキャリバー8L35。歯車を一つひとつ丁寧に磨き、歯車同士の摩擦を最小限に抑えることで長時間の駆動を実現させている。
なお、ひげぜんまいと動力ぜんまいには、それぞれセイコー独自の合金素材である「スプロン」を使用。「きれない」「錆びない」「疲労しない」を目指して改良を重ねた素材も持続時間向上にひと役買っている。
【注目モデル1】本格ダイバーズをホワイトダイヤルで上品に仕上げた「SBDX063」
本パートでは、300mの防水性を誇りながら、高い精度を実現するキャリバー8L35を搭載した注目モデルを紹介。もはや説明不要かもしれないが、本モデルは1968年に登場したメカニカルダイバーズのデザインを踏襲している。
先程の、キャリバー6L37を搭載したモデルと通ずるが、かつての名品を現代の技術を以て、新たな腕時計へと生まれ変わらせることに関してはメリットしかない。それは、歴史的な名品は完成形の顔つきゆえ、トレンドに流されることなくいつの時代もブレずに持ち続けられるから。
「SBDX063」についても、すでにベースとなる部分は高水準に達しており、そこからさらにダイヤルやインデックスの質感を高めることで、オリジナルにはない審美性を獲得している。
手首への不快感を軽減する4時位置のリューズもしっかりと再現。また、ラグは筋目とポリッシュ加工で仕上げ分けを施すことで、骨太なダイバーズに上質感を提供している。
それに、くすみがかったホワイトカラーのダイヤルも実に洒脱。300mの防水性能を誇る本格的なダイバーズということを忘れてしまいそうなほどファッショナブルだ。
【注目モデル2】ベゼルとダイヤルを黒で統一した“ダイバーズらしさ”溢れる「SBDX065」
ダイバーズのダイヤルは通常、ブラックカラーが主流だ。なぜなら、水中での視認性という意味においては、ブラックダイヤルにホワイトの時分針に勝るものはないから。キャリバーの機能性を考えると、「SBDX065」はセイコーダイバーズにとって最もアクティブな1本といえる。
もちろん、普段使いという点においても抜かりなし。成熟した堂々たる顔つきの本モデルは、カジュアルな装いはもちろん、スーツなどのかっちりした服装とも抜群の相性を誇るだろう。
針、インデックス、ベゼルにはルミブライトが塗布されており、暗闇でも高い視認性を確保。デイト表示についても、オリジナルは3時位置にあるのに対し、こちらは4時と5時位置の間にそっと寄り添うように小さくデザインされている。
無論、視認性を高める工夫だが、オリジナルの意匠を追求しつつ、アップデートを欠かさずにあくまで使用者に寄り添う姿勢は、実にセイコーらしい。
■「マリンマスター」はセイコーダイバーズの歴史の積み重ねがもたらす最高到達点だ
国産初のダイバーズウオッチが誕生して約60年。数々のダイバーズを手掛けてきたセイコーにとって、マリンマスターはまさに新たな可能性を秘めた存在。機会があれば、ぜひ実際に手に取り、その完成度の高さを実感してほしい。
* * *
2024年9月7日より、セイコーウオッチサロン及びセイコーブティックにて、プロスペックス製品をを購入すると特典でオリジナルシェラカップをプレゼントするキャンペーンを実施中。数に限りがあるので、気になる人は早めにチェックを!
<取材・文/若澤 創>