昨年から今年にかけて3ラインが揃ったハクバのカメラバッグ「GW」シリーズ。最もエントリーしやすいのが以下に紹介する「GW-STANDARD リッジ」です。ここでは、リッジシリーズにラインナップされた「ショルダーバッグ」「バックパック」「レンズバックパック」の3タイプについて、それぞれの魅力と特徴を解説します。
■「GW-STANDARD リッジ」とは
カメラバッグの基本性能である「機材を安全で快適に持ち運ぶ」という部分を追求した高機能なスタンダードモデルがGW-STANDARDシリーズです。機材の取り出しやすさ、収納しやすさを意識しつつ、シンプルデザインと軽量設計により軽快なフォトワークをサポートします。
GW-STANDARD リッジには、ショルダーバッグが大中小の3モデル、容量たっぷりのバックパックが1モデル、超望遠レンズ向けのレンズバックパックが1モデル揃っています。では、それぞれのキャリングスタイルについて見ていきましょう。
■定番モデルに大きめタイプが追加「ショルダーバッグ24」
カメラバッグの定番、ショルダーバッグ。大きく開くため機材の一覧性が高く、地面に置いた際の安定感も高いのが特徴です。「リッジ」のショルダーバッグは、登場から30年の歴史を持つ大定番モデルをリニューアルしたもの。収納スペースの無駄をなくすために箱型のデザインを採用しています。
今回新たに大きめのサイズが加わり、「GW-STANDARD リッジ ショルダーバッグ24」(1万9800円/ダイレクト販売価格)、「GW-STANDARD リッジ ショルダーバッグ15」(1万5800円/ダイレクト販売価格)「GW-STANDARD リッジ ショルダーバッグ10」(1万3800円/ダイレクト販売価格)の3サイズ展開となりました。
機能1…望遠ユーザーに嬉しい!300mm F2.8クラスの大口径超望遠レンズに対応
今回のリニューアルで加わったショルダーバッグ24は、300mm F2.8クラスの大口径超望遠レンズを撮影状態のまま横向きに収納できるのが特徴。レイアウト次第では、バッグの幅をいっぱいに使って400mm F2.8(フード逆付け)を収納したり、予備のカメラボディも収納できます。
また、最小サイズの「ショルダーバッグ10」でも、70-200mm F2.8クラスの望遠レンズを撮影状態のまま収納できます。仕切りのUの部分に追加のクッションパッドを取り付ければ、隣り合う収納物どうしが触れあうこともありません。カスタマイズ性の高さも魅力です。
機能2…旅行や出張撮影に嬉しいキャリーオンホルダー
背面に、キャリーバッグのハンドルを通せるホルダーが用意されています。旅行や出張撮影で荷物が多いシーンに嬉しい装備です。キャリングスタイルやサイズを問わず、GW-STANDARDの全モデルに搭載されています。
またショルダーバッグでは、トップハンドルと背面のDリングを介して別売の「フォールディングリュックベルト02」(5980円/ダイレクト販売価格)を装着し、リュックのように持つことも可能です。
機能3…天面にバランス良く取り付けられる三脚
バッグの天面に備わる固定ベルトで、三脚や衣類などをしっかり固定可能。肩に掛けた時のバランス調整や、ショルダーストラップとの干渉を避けるために、固定ベルトのホルダーは4ヶ所に用意されています。固定ベルトもバックル式に変更され、従来モデルより素早い着脱が可能になりました。
■撮影旅行にオススメ「バックパック27」
収納力が高くても体への負担が少ないことで人気なバックパックタイプのカメラバッグ。今回のGW-STANDARD リッジの中では最大容量のバッグが、「GW-STANDARD リッジ バックパック27」(2万4800円/ダイレクト販売価格)です。
機能1…フロント+両サイドアクセスに対応!
バックパックタイプのカメラバッグでフォトワークをするなら「サイドアクセス」の使いやすさがキモ。バッグの側面からカメラ機材を出し入れできるため、いちいち地面に下ろす必要がありません。
このバッグでは、左右のどちらからもサイドアクセスが可能なほか、フロント部分もトップから全開させられる欲張り仕様。レイアウト自由度も高く、「サイドから望遠ズーム付きのカメラ」「トップから標準ズーム付きのカメラ」といった全力のカメラ2台体制にもバッチリ対応します。
機能2…三脚の取り付けは、センターでもサイドでも
バックパックの側面に三脚やライトスタンドを取り付けている人、増えたと思います。そんなサイド収納にも対応していますが、混み合う場面では体から三脚がはみ出てしまったり、そもそも三脚の重さで左右のバランスが悪くなってしまったり。
そんな時、「バックパック27」ならセンター部分に三脚を取り付けられます。下部から取り出したレッグポケットに三脚の先端部分を入れ、上部のベルトで脚をホールドします。そして側面にライトスタンドを入れたら、このバッグ1つでスタジオ撮影もOKかもしれません。至れり尽くせりです。
機能3…日本人の体型を意識したショルダー部
GWシリーズのバックパックは、日本人の体型を意識したショルダーハーネスを採用しています。具体的にはS字のカーブを日本人向けのフィットに調整しているようです。さすが日本ブランドと嬉しくなりますね。長時間歩行時に助かるチェストベルトも、取り付け位置を上下に調節可能です。
また、別売の「くびの負担がZEROフック」(2990円/ダイレクト販売価格))をループに取り付ければ、バックパックを背負った状態でカメラをフックに預けて、首に負担がかかりません。これ、一度使えばわかるありがたさです。
■超望遠レンズに特化した「レンズバックパック19」
このバッグの使命は、ズバリ「超望遠レンズ」の持ち運び。先に紹介したショルダーバッグも300mm F2.8レンズに対応しますが、「GW-STANDARD リッジ レンズパック19」(2万4800円/ダイレクト販売価格)はより望遠撮影に特化したスタイル。バックパックタイプのため、超望遠レンズを使った重量級機材でも肩の負担が少なめです。いくぶんニッチな製品ゆえ高価なものが市場には多いそうで、お手頃価格のGW-STANDARDでも展開されることになりました。
機能1…300mm F2.8+プロ機を想定したサイズ
300mm F2.8クラスのレンズを、フードも装着した状態で縦に収納できます。カメラは縦位置グリップ部分のあるプロ用ボディでも大丈夫な設計。クッションの備わる内装に加え、レンズ鏡筒を固定するベルトが備わっており、安心度の高い構造です。フロントオープン部は上面だけを開けてカメラを取り出すこともできるので、周囲の状況を見ながらスマートに扱えるのも嬉しいところ。
機能2…デッドスペースを作らない側面収納部
スリムなスタイリングでありながら、内部にたっぷりと収納スペースを設けていることにも注目です。超望遠レンズを装着したカメラ機材は中間部分が細くなることに着目し、本来であればデッドスペースになりそうなその部分にポケットを埋め込んでいます。おかげで外観はきわめてスッキリとしつつ、カメラとレンズ以外のアイテムもバッグにまとめることができます。なお、背面には11インチ程度のタブレットも入ります。
機能3…フットスタンドとターポリン素材の底面
GW-STANDARD リッジの全モデルに共通する特徴として、底面にターポリン素材を採用。濡れた地面などにバッグを置いても汚れが付着したり、水が染みこむことを防ぎます。また、フットスタンドも備わっているため、底面もなるべくクリーンに保ってくれます。フィールドでガンガンに活用されることを想定した、本格カメラバッグならではのタフ装備がさすがです。
なお、上位シリーズの「GW-ADVANCE タンク」には、600mm F4まで対応するレンズバックパックがラインナップされています。“飛びモノ”好きのあなたはあわせて要チェック!
(文/鈴木誠)